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エレメント正邪激闘編
393話 ギルド対抗戦(予選) その17
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大剣の柄に、一発の銃弾が突き刺さっていた。
激戦の最中、この一箇所を――ピンポイントで当てたという事実、信じられない技量の持ち主ということがわかる。
"Sisters"――1人は予想が付く。
「あー、クーにぃっ! 無事でよかったぁ」
「やっぱり、ライカだったのか」
「琴ねぇが急に謎のセンサー発動してさぁ、クーにぃが危ないって飛び出して行ったんだぁ」
「……」
なに、その特殊能力?
ライカの後ろに、猟銃を持った――白髪のお爺さんがいた。
状況的に、この人が狙撃をした人物に間違いないだろう。
ジョブは――狩人か。
狩人は弓や銃、遠隔に関しては好みの武器を選択することができる。
それぞれ性能差はあるのだが――弓はどちらかというとサポート、銃は火力重視となっている。
特に銃は威力が高い分、操作が極めて難しい。
ゲーム時も命中率に関しては、プレイヤーの腕次第となっていた。それは現実となった今も変わらないだろう。
「……このおっちゃんが、俺っちを狙撃したやつか」
「若造、すまんが――邪魔をさせてもらった。仲間の死は見過ごせぬ、ライカたんが悲しむ顔は見たくないのでな」
ライカ、たん?
「んんー、ライカのお祖父ちゃんだよぉ」
「孫ラブ」
お祖父ちゃんが猟銃を肩に置く。
言葉の内容に反して、なんと様になった仕草だろうか。
ツッコみたい部分は多々あれど――今はそれどころではない。ディアゴが行動不能となった今、聞くべきことがたくさんある。
僕はディアゴの側に歩み寄り、
「ディアゴ、君は――何者なんだ?」
「何者と言われてもな。俺っちはただのプレイヤー、この対抗戦でエンカウントしたギルドを倒し続けていただけだ」
「優勝は狙っているだろう? 王都を支配する理由はあるのかな?」
「それを俺っちが――あんたに答える義理も義務もないよな。一つ言えるのは、姉貴の指示に従っているだけだ」
「いや、にぃにの質問に――答えろって」
琴葉がディアゴのお腹に剣の先を突き入れる。
「ぐう、ぉごほおおっ! 前触れもなく普通刺す? 無抵抗な相手に対して慈悲とかないのかっ?!」
「デカブツ、次は内蔵までいくからね」
「ちょっと勿体ぶっただけだろっ?! なんかこう、敵対した後にすぐ喋るのも空気的にどうっていうか」
「私そういうの大嫌いなんだ。さっさと話してくれる?」
「……」
ディアゴが本能に従ってか――身体を丸める。
我が大切な妹ながら、ディアゴの気持ちが少しわかる。味方だからいいけれど、敵だったらなんて想像するだけでも恐ろしい。
琴葉は追撃の手を緩めず、ディアゴの顔を足蹴にして、
「ほら、にぃにが待ってるから早くしてよ」
「……うぃッス」
本当に、味方でよかった。
激戦の最中、この一箇所を――ピンポイントで当てたという事実、信じられない技量の持ち主ということがわかる。
"Sisters"――1人は予想が付く。
「あー、クーにぃっ! 無事でよかったぁ」
「やっぱり、ライカだったのか」
「琴ねぇが急に謎のセンサー発動してさぁ、クーにぃが危ないって飛び出して行ったんだぁ」
「……」
なに、その特殊能力?
ライカの後ろに、猟銃を持った――白髪のお爺さんがいた。
状況的に、この人が狙撃をした人物に間違いないだろう。
ジョブは――狩人か。
狩人は弓や銃、遠隔に関しては好みの武器を選択することができる。
それぞれ性能差はあるのだが――弓はどちらかというとサポート、銃は火力重視となっている。
特に銃は威力が高い分、操作が極めて難しい。
ゲーム時も命中率に関しては、プレイヤーの腕次第となっていた。それは現実となった今も変わらないだろう。
「……このおっちゃんが、俺っちを狙撃したやつか」
「若造、すまんが――邪魔をさせてもらった。仲間の死は見過ごせぬ、ライカたんが悲しむ顔は見たくないのでな」
ライカ、たん?
「んんー、ライカのお祖父ちゃんだよぉ」
「孫ラブ」
お祖父ちゃんが猟銃を肩に置く。
言葉の内容に反して、なんと様になった仕草だろうか。
ツッコみたい部分は多々あれど――今はそれどころではない。ディアゴが行動不能となった今、聞くべきことがたくさんある。
僕はディアゴの側に歩み寄り、
「ディアゴ、君は――何者なんだ?」
「何者と言われてもな。俺っちはただのプレイヤー、この対抗戦でエンカウントしたギルドを倒し続けていただけだ」
「優勝は狙っているだろう? 王都を支配する理由はあるのかな?」
「それを俺っちが――あんたに答える義理も義務もないよな。一つ言えるのは、姉貴の指示に従っているだけだ」
「いや、にぃにの質問に――答えろって」
琴葉がディアゴのお腹に剣の先を突き入れる。
「ぐう、ぉごほおおっ! 前触れもなく普通刺す? 無抵抗な相手に対して慈悲とかないのかっ?!」
「デカブツ、次は内蔵までいくからね」
「ちょっと勿体ぶっただけだろっ?! なんかこう、敵対した後にすぐ喋るのも空気的にどうっていうか」
「私そういうの大嫌いなんだ。さっさと話してくれる?」
「……」
ディアゴが本能に従ってか――身体を丸める。
我が大切な妹ながら、ディアゴの気持ちが少しわかる。味方だからいいけれど、敵だったらなんて想像するだけでも恐ろしい。
琴葉は追撃の手を緩めず、ディアゴの顔を足蹴にして、
「ほら、にぃにが待ってるから早くしてよ」
「……うぃッス」
本当に、味方でよかった。
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