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エレメント正邪激闘編
402話 ルカルカ
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「お前ら、ぶっ殺すぞ」
「ルカルカ、落ち着け――火に油を注ぐな。ディアゴがやられたこと、根に持っているようでな」
「姉ちゃん。ルカに許可をくれ――許可をくれたら、ルカがやってやる」
ルカルカという少女。
ぶっきらぼうな喋り口調とは裏腹に、可憐で清楚な黒髪三つ編み姿、ナコと同年代ながらも――ディアゴ以上の圧があった。
得体の知れない――存在感を放っている。
「ルカルカ、私たちの目的を忘れるな」
リンが制止する。
ルカルカは不満気な顔をしながらも、リンの言葉に従うよう――戦闘の意志はないと両手を上げる。
「……うぐぐ、わかったよ」
「いや、謝罪なら――僕の方からさせてください。先に騒いだのはこちらサイド、身体を休めていた時に申しわけありませんでした」
僕は頭を下げる。
「ナコ、ゴザル、ホムラ――皆も謝ろう」
――「「「ごめんなさい」」」
「こちらこそ、すまなかった。頭を上げてくれ、私の弟分をよくもやってくれたと――煽るようなことを言った私も悪い」
リンは僕を真っ直ぐに見つめ、
「確か、貴様は――クーラ、だったか」
「僕、名前言いましたっけ?」
「記憶していたのだ」
リンは言いながら、ナコに視線を移し、
「その子がディアゴの攻撃を懸命に防いでいた時、躊躇わず――行っただろう。仲間想いなやつは好感が持てる」
意外な反応だった。
ギルド対抗戦の場で見た限り、好戦的なタイプと思っていたからだ。黒い鎧を着込んでいた時とは打って変わって、ディアゴやルカルカが姉と慕うことも含めて――リンの印象がガラッと変わる。
リンは口もとに笑みを浮かべながら、
「この中ではリーダー格と見受ける。皆がクーラの言葉に従う姿勢、明らかに周囲の方が強いのに――不思議なものだな」
「その点については、反論の余地がありませんね」
特にゴザル、ホムラは別格である。
一瞬のやり取りだけで――そう判断したリンが強いことは言うまでもない。
それは2人に追い付くレベルなのか、2人を追い越しているレベルなのか、悲しいことに今の僕ではわからない世界であった。
だが、対話が可能ならば――是が非でも尋ねたい。
「リンさんは、ベンジェの脅威を知っていたんですか?」
「リンでいい。敬語も気にするな」
「じゃあ、リン」
「その質問に答える前に、まずは――入浴し直さないか? 先ほどから、タオル一枚でする話でもないだろう」
「くっちゅん」
せ、正論すぎる。
ルカルカのくしゃみを合図に、僕たちは移動を開始するのであった。
「ルカルカ、落ち着け――火に油を注ぐな。ディアゴがやられたこと、根に持っているようでな」
「姉ちゃん。ルカに許可をくれ――許可をくれたら、ルカがやってやる」
ルカルカという少女。
ぶっきらぼうな喋り口調とは裏腹に、可憐で清楚な黒髪三つ編み姿、ナコと同年代ながらも――ディアゴ以上の圧があった。
得体の知れない――存在感を放っている。
「ルカルカ、私たちの目的を忘れるな」
リンが制止する。
ルカルカは不満気な顔をしながらも、リンの言葉に従うよう――戦闘の意志はないと両手を上げる。
「……うぐぐ、わかったよ」
「いや、謝罪なら――僕の方からさせてください。先に騒いだのはこちらサイド、身体を休めていた時に申しわけありませんでした」
僕は頭を下げる。
「ナコ、ゴザル、ホムラ――皆も謝ろう」
――「「「ごめんなさい」」」
「こちらこそ、すまなかった。頭を上げてくれ、私の弟分をよくもやってくれたと――煽るようなことを言った私も悪い」
リンは僕を真っ直ぐに見つめ、
「確か、貴様は――クーラ、だったか」
「僕、名前言いましたっけ?」
「記憶していたのだ」
リンは言いながら、ナコに視線を移し、
「その子がディアゴの攻撃を懸命に防いでいた時、躊躇わず――行っただろう。仲間想いなやつは好感が持てる」
意外な反応だった。
ギルド対抗戦の場で見た限り、好戦的なタイプと思っていたからだ。黒い鎧を着込んでいた時とは打って変わって、ディアゴやルカルカが姉と慕うことも含めて――リンの印象がガラッと変わる。
リンは口もとに笑みを浮かべながら、
「この中ではリーダー格と見受ける。皆がクーラの言葉に従う姿勢、明らかに周囲の方が強いのに――不思議なものだな」
「その点については、反論の余地がありませんね」
特にゴザル、ホムラは別格である。
一瞬のやり取りだけで――そう判断したリンが強いことは言うまでもない。
それは2人に追い付くレベルなのか、2人を追い越しているレベルなのか、悲しいことに今の僕ではわからない世界であった。
だが、対話が可能ならば――是が非でも尋ねたい。
「リンさんは、ベンジェの脅威を知っていたんですか?」
「リンでいい。敬語も気にするな」
「じゃあ、リン」
「その質問に答える前に、まずは――入浴し直さないか? 先ほどから、タオル一枚でする話でもないだろう」
「くっちゅん」
せ、正論すぎる。
ルカルカのくしゃみを合図に、僕たちは移動を開始するのであった。
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