転生したら倉庫キャラ♀でした。

ともQ

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エレメント正邪激闘編

403話 復讐すべき者

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「さて、先ほどの――質問の回答からいくか」

 移動するに当たって、リンはある提案をしてきた。
 リーダー同士の対話、僕と2人きりがいいとのことだった。少しでも情報を掴めるのであればありがたい――僕は二つ返事で了承する。
 危険と隣合わせなのは間違いなく、ゴザルたちは渋っていたが、とてもこの人が――リンが豹変して襲い掛かって来るとは思えなかった。

 露天風呂、横並びに湯に浸かる。
 王都にいることを忘れるほど、和風に拵えられた美しい庭園が目の前に広がる。
 出会って間もないばかりの女性と入浴、申しわけないが――僕が男という点は一度忘れてしまおう。
 煩悩を振り払い、情報の収集を第一に務める。

「正直なところ、ベンジェという存在は知りもしなかった」

 リンは言う。

「ただ、あの場で誰よりも本能的に危険を感じた。だからこそ、一番に消し去ったという優先度合いはある。ディアゴから私たちがギルド対抗戦に出場している理由は――聞いたのだろう」
「一端だけ――復讐、だったよね」
「全て壊されたんだ」

 リンは簡潔に――言葉にした。

「転生してから、どうにかこうにか――オンリー・テイルという世界に馴染もうと、ゲーム時から長い付き合いのあったギルドメンバーと過ごしていた。もとの世界の時にもオフ会はよく開催していてな、そのギルドには私の恋人もいた。一変した日常ながらも日々楽しくやっていたさ」

 一瞬にして、全ては終了したという。
 死体、死体、死体、血だらけで横たわるギルドメンバー、その起因となった男は不敵な笑いを浮かべながら、瀕死のリンたちを強制的に転送させたという。
 当時を思い出すよう、リンは空を眺めながら、

「今でもあの時の光景は、目に焼き付いて離れない。今回、私の復讐するべき相手がギルド対抗戦にいるとの情報が入った。私たちの目的は一つ、たった一つだけだ」
「名前は――後藤かな」
「貴様、どこでその名を知った?」

 狼狽えるリンに対し、僕は告げる。

「後藤さんは、僕が率いる"Kingly"のギルドメンバーだ」
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