転生したら倉庫キャラ♀でした。

ともQ

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エレメント正邪激闘編

406話 おじちゃん

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 皆を集め、情報を共有する。
 本戦までの滞在中、各ギルドごとに――大部屋が振り分けられている。室数もかなり多いため、不都合な点はなにもない。作戦を練るもよし、休息に徹底するもよし、好き勝手にしろと言わんばかりの環境である。
 僕は後藤さんに――全てを伝える。

「あいつなら、リンならそう言うだろうと思ってたぜ」
「私怨、復讐、か」

 フレイムが呟く。

「無作法者。我の勝手な判断ではあるが、そんなことができる人間か? 我も大概人のことは言えぬが、お前からは汚れた臭いがしない」
「はっ、俺のなにがわかるってんだ」
「我も以前の身体では、日々手を赤く染めていた。人の命を軽んじるやつは、同種の気配を感じる」

 戦闘狂の王。
 一体、どれほどの命を葬り去ってきたのか。王たる事実は過去形ではあるが、フレイムが言うと真実味があった。
 そのフレイムの言葉に続いて、

「おじちゃんの言う通り、後藤は誰も殺していないの」
「くっくっく。やはり、我の推測通り――いや、犬、待て、おじちゃんとは我のことか?」
「???」

 イリスが首を傾げる。
 変なことを言ったかな? という顔付きであった。ライカもそうだったけれど、子供の目線は――時に残酷な一面もある。
 フレイムはため息を吐きながら、

「どこら辺におじ要素がある。我はまだ20代後半だぞ」
「おじちゃん」
「……もうよい。話を続けろ」

 イリスは、後藤は誰も殺していないと言った。

「僕も知りたい。今のはどういう意味なのかな?」
「そのままなの。後藤は無理やり」
「イリス、黙ってろ」

 イリスの言葉を後藤さんが遮る。

「お前はその場を実際に見ていねえ、俺が嘘を言っている可能性も考えろ」
「後藤が嘘を言うわけないの」
「……そんなの、わからねえだろうが」
「わかる。イリスには――わかるの」

 イリスが後藤さんの手を握る。
 お互いに信頼し合っていることは、傍目からでも――理解できた。僕とナコのような関係性、目には見えない繋がりを感じる。
 だからこそ、僕も信じたい。

「後藤さん。僕は――君の口から真実を聞きたい」
「なんで執着しやがる」
「仲間だからだよ」
「一時的な関係性、仲間なんて言えるのか」
「そんな理屈は関係ない。リンたちが君を殺すというのなら、僕は"Kingly"のリーダーとして全力を懸けて阻止してみせる」
「……お人好しにもほどがあるだろ」
「よく言われるよ」

 真顔で返す僕に、後藤さんが小さく笑みを零し、

「……面白くねえ話だからな」

 ゆっくりと、口を開いた。
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