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エレメント正邪激闘編
412話 虐めないで
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膝上、琴葉が僕に頬ずりする。
相変わらず、激しいスキンシップ――あまりのすりすりに、肌が着火しそうである。
引き剥がそうとするが――離れない。
ぐっ、うぉお、力が強すぎる。
もとの世界だったら簡単だったのに、今はなにをどう足掻こうと敵う気がしない。
僕は観念して――無防備、無抵抗となる。
「……琴葉、距離感保っておかないとって言ってなかった?」
「別に戦い合ってる場でもないんだし――今は関係ないよ。私がどれだけ甘えても問題なしってわけ。ふあぁあ、にぃに、にぃに、にぃに、めちゃくちゃ良い匂いする。いっぱいにぃに成分チャージしておかないと」
「ねぇ、皆も見てるし落ち着こうよ」
「好き好き好き好き、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、好き好き好き好き」
「マイラブ、紹介するね。僕の妹、琴葉だよ」
「紹介タイミングヤバすぎっしょっ?!」
さすがのマイラブも引いた顔付きである。
そんな中、ナコが僕たちの隣に歩み寄って来る。なにを思ったのか、ズイッと僕と琴葉の間に割り込んで来た。
両膝、一つずつ――琴葉、ナコという位置付けとなる。
「あぁっ? あんた誰?」
「覚えていませんか? 以前、エアーでアクアニアスに同行した――ナコです。先日は助けていただいてありがとうございました」
「どうでもいい、お礼なんていらない。にぃにのついで、別にあんたが主体ってわけじゃないから」
琴葉は冷たく突き放し、
「にぃにとのラブラブタイム、邪魔しないでくれる? 用があるんだったら、私が満足した後にしてくれないかな」
「いやです」
「は?」
「混ざります」
「だから、にぃにとの時間」
「混ざります」
「な、なに? 謎の威圧感がある」
誰と比較したのか、琴葉が怯んでいる。
言葉通り、これと似た場面――僕もどこかで見た記憶がある。あぁ、以前にも琴葉とライカが言い争いしてたな。
その光景に――そっくりなんだ。
「私にもお姉ちゃんがいるんですよ」
「な、なにが言いたいの?」
「姉離れ――兄離れ」
「にぃに、私すっごくやな予感する」
ナコは冷静な顔付きで言い放つ。
「琴葉さん、でしたよね。見た目、私より年上――高校生くらいと思いますが、そこまで甘えるのは控えた方がいいですよ。大きい子供を見ているような、私はそんな印象です」
「わぐはぁっ」
琴葉が吐血、膝上から転げ落ちた。
いや、今のどこでそんな――血を吐くほどのダメージ受けたの? ディアゴと戦っていた時よりダメージありそうだよね。
琴葉は床に這いつくばって身悶えしながら、
「た、立てない。子供の言葉ってマジで純粋すぎて突き刺さる」
「毎度毎度、この手のダメージ受けすぎだろっ?!」
その時、琴葉の背中を優しく擦る人物が現れる。
「ナコちん、あんまり琴ねぇを虐めないであげてぇ」
「ライカ、私は自分の感想を言っただけですよ」
「大人になっていくとねぇ、時には自分自身を解放しないと、自我が保てないって人もいるんだよ」
ら、ライカさん?
誰かの受け売り――だよね。とてもじゃないが、小学生が語る内容とは思えない。お祖父ちゃんの言葉かな。
琴葉がライカに飛び付きながら、
「うわーん。ライちゃん、このクソ悪猫が暴言吐いてくるのっ」
「く、クソ悪猫っ?!」
ナコの顔が引き攣る。
こんな時だけ会話に参加しないマイラブ、僕たちのやり取りを観劇するかのように――静かに腹を抱えて笑っているのであった。
相変わらず、激しいスキンシップ――あまりのすりすりに、肌が着火しそうである。
引き剥がそうとするが――離れない。
ぐっ、うぉお、力が強すぎる。
もとの世界だったら簡単だったのに、今はなにをどう足掻こうと敵う気がしない。
僕は観念して――無防備、無抵抗となる。
「……琴葉、距離感保っておかないとって言ってなかった?」
「別に戦い合ってる場でもないんだし――今は関係ないよ。私がどれだけ甘えても問題なしってわけ。ふあぁあ、にぃに、にぃに、にぃに、めちゃくちゃ良い匂いする。いっぱいにぃに成分チャージしておかないと」
「ねぇ、皆も見てるし落ち着こうよ」
「好き好き好き好き、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、にぃに、好き好き好き好き」
「マイラブ、紹介するね。僕の妹、琴葉だよ」
「紹介タイミングヤバすぎっしょっ?!」
さすがのマイラブも引いた顔付きである。
そんな中、ナコが僕たちの隣に歩み寄って来る。なにを思ったのか、ズイッと僕と琴葉の間に割り込んで来た。
両膝、一つずつ――琴葉、ナコという位置付けとなる。
「あぁっ? あんた誰?」
「覚えていませんか? 以前、エアーでアクアニアスに同行した――ナコです。先日は助けていただいてありがとうございました」
「どうでもいい、お礼なんていらない。にぃにのついで、別にあんたが主体ってわけじゃないから」
琴葉は冷たく突き放し、
「にぃにとのラブラブタイム、邪魔しないでくれる? 用があるんだったら、私が満足した後にしてくれないかな」
「いやです」
「は?」
「混ざります」
「だから、にぃにとの時間」
「混ざります」
「な、なに? 謎の威圧感がある」
誰と比較したのか、琴葉が怯んでいる。
言葉通り、これと似た場面――僕もどこかで見た記憶がある。あぁ、以前にも琴葉とライカが言い争いしてたな。
その光景に――そっくりなんだ。
「私にもお姉ちゃんがいるんですよ」
「な、なにが言いたいの?」
「姉離れ――兄離れ」
「にぃに、私すっごくやな予感する」
ナコは冷静な顔付きで言い放つ。
「琴葉さん、でしたよね。見た目、私より年上――高校生くらいと思いますが、そこまで甘えるのは控えた方がいいですよ。大きい子供を見ているような、私はそんな印象です」
「わぐはぁっ」
琴葉が吐血、膝上から転げ落ちた。
いや、今のどこでそんな――血を吐くほどのダメージ受けたの? ディアゴと戦っていた時よりダメージありそうだよね。
琴葉は床に這いつくばって身悶えしながら、
「た、立てない。子供の言葉ってマジで純粋すぎて突き刺さる」
「毎度毎度、この手のダメージ受けすぎだろっ?!」
その時、琴葉の背中を優しく擦る人物が現れる。
「ナコちん、あんまり琴ねぇを虐めないであげてぇ」
「ライカ、私は自分の感想を言っただけですよ」
「大人になっていくとねぇ、時には自分自身を解放しないと、自我が保てないって人もいるんだよ」
ら、ライカさん?
誰かの受け売り――だよね。とてもじゃないが、小学生が語る内容とは思えない。お祖父ちゃんの言葉かな。
琴葉がライカに飛び付きながら、
「うわーん。ライちゃん、このクソ悪猫が暴言吐いてくるのっ」
「く、クソ悪猫っ?!」
ナコの顔が引き攣る。
こんな時だけ会話に参加しないマイラブ、僕たちのやり取りを観劇するかのように――静かに腹を抱えて笑っているのであった。
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