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エレメント正邪激闘編
413話 美・少女隊のリーダー
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琴葉はさて置き、本戦の話題に入る。
僕もトーナメント表は確認してきたのだけれど"Kingly""Nightmares""Sisters"、バラけていたのは幸運としか言いようがなかった。
AブロックBブロック、"Kingly"以外はAブロックとなっており、全て順当に行けば決勝でのぶつかり合い、どちらが勝利してもいい構図となる。
そう、3勝すれば――優勝である。
「ライカたちはねぇ、1回戦は"美・少女隊"だったかなぁ」
「ライちゃんは私が守るね」
「琴ねぇ、1対1の形式だから難しいよ」
「大丈夫。私が先鋒で全員ぶっ殺すから」
の、脳筋思考すぎる。
しかし、琴葉なら――やりかねない、遂行してしまいそうだ。
大胆不敵な一言、それを裏付けるだけの実力を兼ね備えている。
"Sisters"か、僕は気になる点を質問してみる。
「ライカのお祖父ちゃん、この世界に来てたんだね」
「いるかなって思ってたけど、探してみたら本当にいたんだぁ。ライカと一緒によくプレイしてたからねぇ」
「……ちなみに、お祖父ちゃんのレベルは?」
「んんー、数字は覚えてないけど――超越者ではあるよ」
ま、孫に付き合ってどんだけプレイしてたんだ。
なんやかんやで、僕の周囲が超越者のバーゲンセールである。ゲーム時では考えられない状態、超越者でない方が少数という狂ったバランスになっていた。
僕とナコは、いつ超えることができるのか。
むしろ、ナコは案外早く――その領域に達する予感があった。
このままでは、僕だけ置いてけぼり確定である。
「ぶっ殺すとは、穏便ではありませんわね」
一人の女の子が、僕たちに歩み寄って来る。
ミントグリーンの瞳、同色の巻き髪、喋り口調も相まって――なんともお嬢様気質な印象を感じさせる。
その女の子は深々と一礼しながら、
「皆様方、お初にお目にかかります。わたくしの名前はセルビ――"美・少女隊"のリーダーを務めていますわ」
セルビと名乗った少女は言う。
「あなたが"Sisters"のリーダーですわね」
「……」
「先ほどの一言、宣戦布告と受け取りますわよ」
「……」
「き、聞いておりますの?」
「……」
琴葉、ガン無視である。
僕の妹、自分の好きな人以外に対しての振る舞い――ヤバいよね。どこでどうこうなってしまったのか、お兄ちゃんなにか間違えちゃったかなぁ。
琴葉の塩対応、セルビは涙目で詰め寄り、
「むきーっ! なにか言ったらどうですのっ!?」
「失せろ、雑魚」
「ざ、ざざ、雑魚ですってっ?!」
「何度も言わせんなっつーの」
バゴぉんと、琴葉はテーブルを拳で粉砕しながら、
「私さぁ、にぃにとの時間――邪魔されるの大っ嫌いなんだよっ!」
「ひぅぅ、ごめんなさいですの」
セルビが泣き崩れる。
あまりの突発的な行動に、皆真顔になっているのがわかる。
マイラブにいたっては、すでに面倒事は勘弁とばかりに姿を消している。
ごめんね、僕の妹なんだ。
「セルビさん、かな。泣かせてしまって申しわけない。ちょっと色々あって、今気が立ってるんだ」
「えっ? にぃに、私いつも通りだよ」
「琴葉、少し黙っててね」
僕はセルビの手を取り――身体を起こす。
幼さの残る顔付き、ライカと琴葉――その中間くらいの年代だろうか。"美・少女隊"のリーダーとのことだが、現実となった今この若さで舵を切り、本戦出場まで行くとは称賛の一言に尽きる。
セルビは僕の手を振り払うことなく、
「あ、ありがとうございますわ」
「すごいね。君みたいな若い子が――主導で本戦まで来るなんて」
「……あなた、わたくしを何歳だと思っていますの?」
「えっ? 中学生、くらいだよね」
言葉に釣られ、僕はセルビの全身――下から上を見てしまう。
ゴスロリ風味の黒い服装、慎ましく控えめなスタイル、まだまだ成長過程といった感じだったが――違ったのか?
僕の視線の意味に気付いたのか、
「むきーっ! とっくに成人していますわよっ!!」
兄妹、揃ってやらかしてしまうのであった。
僕もトーナメント表は確認してきたのだけれど"Kingly""Nightmares""Sisters"、バラけていたのは幸運としか言いようがなかった。
AブロックBブロック、"Kingly"以外はAブロックとなっており、全て順当に行けば決勝でのぶつかり合い、どちらが勝利してもいい構図となる。
そう、3勝すれば――優勝である。
「ライカたちはねぇ、1回戦は"美・少女隊"だったかなぁ」
「ライちゃんは私が守るね」
「琴ねぇ、1対1の形式だから難しいよ」
「大丈夫。私が先鋒で全員ぶっ殺すから」
の、脳筋思考すぎる。
しかし、琴葉なら――やりかねない、遂行してしまいそうだ。
大胆不敵な一言、それを裏付けるだけの実力を兼ね備えている。
"Sisters"か、僕は気になる点を質問してみる。
「ライカのお祖父ちゃん、この世界に来てたんだね」
「いるかなって思ってたけど、探してみたら本当にいたんだぁ。ライカと一緒によくプレイしてたからねぇ」
「……ちなみに、お祖父ちゃんのレベルは?」
「んんー、数字は覚えてないけど――超越者ではあるよ」
ま、孫に付き合ってどんだけプレイしてたんだ。
なんやかんやで、僕の周囲が超越者のバーゲンセールである。ゲーム時では考えられない状態、超越者でない方が少数という狂ったバランスになっていた。
僕とナコは、いつ超えることができるのか。
むしろ、ナコは案外早く――その領域に達する予感があった。
このままでは、僕だけ置いてけぼり確定である。
「ぶっ殺すとは、穏便ではありませんわね」
一人の女の子が、僕たちに歩み寄って来る。
ミントグリーンの瞳、同色の巻き髪、喋り口調も相まって――なんともお嬢様気質な印象を感じさせる。
その女の子は深々と一礼しながら、
「皆様方、お初にお目にかかります。わたくしの名前はセルビ――"美・少女隊"のリーダーを務めていますわ」
セルビと名乗った少女は言う。
「あなたが"Sisters"のリーダーですわね」
「……」
「先ほどの一言、宣戦布告と受け取りますわよ」
「……」
「き、聞いておりますの?」
「……」
琴葉、ガン無視である。
僕の妹、自分の好きな人以外に対しての振る舞い――ヤバいよね。どこでどうこうなってしまったのか、お兄ちゃんなにか間違えちゃったかなぁ。
琴葉の塩対応、セルビは涙目で詰め寄り、
「むきーっ! なにか言ったらどうですのっ!?」
「失せろ、雑魚」
「ざ、ざざ、雑魚ですってっ?!」
「何度も言わせんなっつーの」
バゴぉんと、琴葉はテーブルを拳で粉砕しながら、
「私さぁ、にぃにとの時間――邪魔されるの大っ嫌いなんだよっ!」
「ひぅぅ、ごめんなさいですの」
セルビが泣き崩れる。
あまりの突発的な行動に、皆真顔になっているのがわかる。
マイラブにいたっては、すでに面倒事は勘弁とばかりに姿を消している。
ごめんね、僕の妹なんだ。
「セルビさん、かな。泣かせてしまって申しわけない。ちょっと色々あって、今気が立ってるんだ」
「えっ? にぃに、私いつも通りだよ」
「琴葉、少し黙っててね」
僕はセルビの手を取り――身体を起こす。
幼さの残る顔付き、ライカと琴葉――その中間くらいの年代だろうか。"美・少女隊"のリーダーとのことだが、現実となった今この若さで舵を切り、本戦出場まで行くとは称賛の一言に尽きる。
セルビは僕の手を振り払うことなく、
「あ、ありがとうございますわ」
「すごいね。君みたいな若い子が――主導で本戦まで来るなんて」
「……あなた、わたくしを何歳だと思っていますの?」
「えっ? 中学生、くらいだよね」
言葉に釣られ、僕はセルビの全身――下から上を見てしまう。
ゴスロリ風味の黒い服装、慎ましく控えめなスタイル、まだまだ成長過程といった感じだったが――違ったのか?
僕の視線の意味に気付いたのか、
「むきーっ! とっくに成人していますわよっ!!」
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