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エレメント正邪激闘編
414話 一触即発
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「わたくし、あなたたち姉妹にだけは――絶対に負けませんわよっ!」
そう言い残し、セルビは泣きながら逃走した。
姉妹という括り、どうやら僕も――目の敵にされてしまったようだ。実はお兄ちゃんなんだよと訂正する間もない。
琴葉は特に気にした様子もなく、
「にぃに。テーブル壊しちゃったから、新しいの持って来たよ」
「あ、ありがとう」
「ソラ、お兄ちゃんなら怒りなさい。あなたが甘やかすから、自重しないモンスターが生まれてくるのよ」
ゴザルがため息を吐きながら言う。
「ゴザル、復活したんだ」
「剣聖様が好き勝手暴れてくれたおかげで目が覚めたわ」
「あ、負け犬さん。いたんだ、気付かなかったよ」
「は? 前の勝負は引き分けだったでしょ」
一難去ってまた一難、新たな火花が飛び散る。
琴葉とゴザル、会合の場で戦って以来基本的に仲が悪い。ゴザルの言う通り結果だけなら引き分けとなったが、琴葉が圧倒していたことは事実なのだ。
だが、続けていたらどうなっていたかはわからない。
ゴザルは身体の中心を貫かれても活動できるほど、勝利のためならば尋常ではない底力を発揮する。
琴葉、ゴザル、額を突き合わせながら、
「あのさぁ、わからないかなっ? 私が引き分けに――し、て、あ、げ、た、んだよ」
「あなたが強いことは認める。でも、極限の先を知らない未熟者の遠吠えね。結果は一瞬にして覆るのよ」
「へぇえ、ふぅん。だったら――あの時の続き、やる?」
「望むところだわ」
戦闘行為は即失格である。
現実的に、今ここで"Nightmares""Sisters"が消えるのは――まずい。
その他のギルドが優勝となった際、悪政を敷かれる危険性がある。
背に腹は代えられぬ、僕はこっそり触診を展開――2人に忍ばせる。
触診は対象に状態異常を付与することも可能、申しわけないが麻痺で身動きを取れなくするという作戦だ。
そう思い立った瞬間、僕の触診が――即座に斬られる。
「にぃに、無駄だよ」
「ソラ、邪魔しないで」
この2人に――通用するわけがなかった。
常にどんなレベルのアンテナを張り巡らせているのか――達人の域、どう足掻いても今の僕では対処不可能である。
それはナコ、ライカも同じくだろう。
「く、クーラ」
「うわわ。クーにぃ、どうしよう」
「正直に言おう。止める術がない」
僕は断言する。
せめて、マイラブがこの場に残っていてくれてたら――ゲーム時から変わらず、ここぞという時に限って逃げ足だけは抜群なのである。
他ギルドもいる中、言い逃れのできない状況――まさに、数秒遅かったら失格確定といった瞬間だった。
琴葉、ゴザルの頭上に――水球が出現する。
「水龍、頭冷やしてあげて」
2人は全身水浸し、唐突な出来事に硬直している。
達人の魔力感知を掻い潜り、的確に命中させた。
僕たちにはできないことを平然とやってのけた人物は言う。
「ふふふ、あはは。ソラちゃん、情けない顔してるなぁ。私がいないとなーんもできないんだから」
「ほ、ホムラぁっ!」
「よしよし。大丈夫、大丈夫だよ。弱々で雑魚雑魚なソラちゃん、ホムラちゃんが付いてるからね」
ホムラは僕を抱き締め、満面の笑みでそう口にするのであった。
そう言い残し、セルビは泣きながら逃走した。
姉妹という括り、どうやら僕も――目の敵にされてしまったようだ。実はお兄ちゃんなんだよと訂正する間もない。
琴葉は特に気にした様子もなく、
「にぃに。テーブル壊しちゃったから、新しいの持って来たよ」
「あ、ありがとう」
「ソラ、お兄ちゃんなら怒りなさい。あなたが甘やかすから、自重しないモンスターが生まれてくるのよ」
ゴザルがため息を吐きながら言う。
「ゴザル、復活したんだ」
「剣聖様が好き勝手暴れてくれたおかげで目が覚めたわ」
「あ、負け犬さん。いたんだ、気付かなかったよ」
「は? 前の勝負は引き分けだったでしょ」
一難去ってまた一難、新たな火花が飛び散る。
琴葉とゴザル、会合の場で戦って以来基本的に仲が悪い。ゴザルの言う通り結果だけなら引き分けとなったが、琴葉が圧倒していたことは事実なのだ。
だが、続けていたらどうなっていたかはわからない。
ゴザルは身体の中心を貫かれても活動できるほど、勝利のためならば尋常ではない底力を発揮する。
琴葉、ゴザル、額を突き合わせながら、
「あのさぁ、わからないかなっ? 私が引き分けに――し、て、あ、げ、た、んだよ」
「あなたが強いことは認める。でも、極限の先を知らない未熟者の遠吠えね。結果は一瞬にして覆るのよ」
「へぇえ、ふぅん。だったら――あの時の続き、やる?」
「望むところだわ」
戦闘行為は即失格である。
現実的に、今ここで"Nightmares""Sisters"が消えるのは――まずい。
その他のギルドが優勝となった際、悪政を敷かれる危険性がある。
背に腹は代えられぬ、僕はこっそり触診を展開――2人に忍ばせる。
触診は対象に状態異常を付与することも可能、申しわけないが麻痺で身動きを取れなくするという作戦だ。
そう思い立った瞬間、僕の触診が――即座に斬られる。
「にぃに、無駄だよ」
「ソラ、邪魔しないで」
この2人に――通用するわけがなかった。
常にどんなレベルのアンテナを張り巡らせているのか――達人の域、どう足掻いても今の僕では対処不可能である。
それはナコ、ライカも同じくだろう。
「く、クーラ」
「うわわ。クーにぃ、どうしよう」
「正直に言おう。止める術がない」
僕は断言する。
せめて、マイラブがこの場に残っていてくれてたら――ゲーム時から変わらず、ここぞという時に限って逃げ足だけは抜群なのである。
他ギルドもいる中、言い逃れのできない状況――まさに、数秒遅かったら失格確定といった瞬間だった。
琴葉、ゴザルの頭上に――水球が出現する。
「水龍、頭冷やしてあげて」
2人は全身水浸し、唐突な出来事に硬直している。
達人の魔力感知を掻い潜り、的確に命中させた。
僕たちにはできないことを平然とやってのけた人物は言う。
「ふふふ、あはは。ソラちゃん、情けない顔してるなぁ。私がいないとなーんもできないんだから」
「ほ、ホムラぁっ!」
「よしよし。大丈夫、大丈夫だよ。弱々で雑魚雑魚なソラちゃん、ホムラちゃんが付いてるからね」
ホムラは僕を抱き締め、満面の笑みでそう口にするのであった。
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