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第二章 旅の始まり
第十五話 退避と休息
戦闘をした場所付近で一晩を過ごすのは気が引けたので、マスタングにベベロ以外で休息を取れる場所を検索させた。
結果としては、魔獣の森が最適だと言われた。
あの長老達の村からは結構な距離があり、近くに別の村もないから一時的な休息程度なら取れるだろうとの判断だった。
それに…俺はこの世界の金を持っていない。
マスタングのモニターに小さく表示されていた、所持金と言う項目がゼロだったし。
「ここに長居するのは良くないだろう、俺は一旦森まで移動して休息をとるよ」
…俺は町の宿に泊まる金も無いしな。と力無く笑ってみせた。
アーリアは少し声を潜めて、悪知恵を与えてくれた。
「1番後ろの馬車の中に、食料の他に銀貨や銅貨が入っているわね…あまり気乗りはしないでしょうけど」
ショットガンをぶっ放して賊を殺め、2人を保護した直後に金目の物を物色って…
「アーリアよ…お主もワルよのぅ」
…アーリアに脇腹を抓られた。
俺は正に小悪党よろしく、最後尾の馬車を物色する。
馬車内には主に食料が保管してあったが、ショットガンを撃ちまくったせいで箱が破壊されていていた。
食料も散弾の餌食になっていたか…
床に散らばった食料の他に銀貨や銅貨が確認出来たので、気乗りしないが回収させて貰う。
物色の結果、食料の大半は諦める事になったが、結構な数の子銀貨と銅貨が手に入った。
嬉しい誤算だが、魔術師だったヤツのポケットから金貨が一枚見つかった。
丁寧に物色する気力が湧いてこなかったので、そこで切り上げた。
有り難い事に穴の空いていない革袋があったので、それを拝借して銀貨達をしまった。
金貨はジャケットに隠した。
アーリア達の元へ戻ると、俺は魔獣の森へ移動すべくマスタングに声をかける。
「移動するぞマスタング」
音声での応答は無いが、返事とばかりにエンジンが唸り声をあげた。
「アーリア…2人の事は任せた。そこに転がってる魔術師もな」
アーリアにそう告げて、俺はマスタングに乗り込んで少しの食料と銀貨の袋を助手席に置いた。
律儀にもシートベルトを装着して、アクセルを踏んで出発した。
マスタングは快調そのもので、魔獣の森までは日が傾く前に到着した。
マスタングから少しだけ離れた所で、火が燃え移りしないような場所を見つけ焚火の準備をする。
太陽が沈む前に焚火を安定をさせる事が出来た。
魔法が使えなくても、ライターがあれば火には困らない。
オイルや石の問題はついて回るが…
パンを炙って食べるだけでも、疲れた身体には有り難い。
欲を言えばコーヒーが飲みたいし、コーンスープとかあればパンを浸して食べたい。
そんな贅沢な考えを頭の隅へと追いやり、これからの予定を練る。
まずは何処かの町か村のに行ってみたい。
そこで水や食料の調達だ。
次に金を稼ぐ手段の確立だ。
今回はやむを得ず拝借したが、今後は正規の取引にしておきたい。
俺は蛮族では無いのだから。
昼間に使った銃のメンテナンスをしようと思い立ち、マスタングの元へ行きトランクを開ける。
ショットガンを取り出して弾抜きをする。
抜いた弾はジャケットのポケットに仕舞い、安全確認をした後に銃口を覗き込む。
…綺麗には見えるが、念の為。
「マスタング、今からイメージする物を実体化してくれ」
メンテナンスツールをイメージする。
映画で銃の分解組立やメンテナンスをするシーンは、いつ見ても格好良いものだ。
程なくして実体化が開始された。
グローブボックスにて実体化をするらしい。
…トランクを開けたままだと、トランクからの実体化は出来ないようだ。
実体化したメンテナンスツールにて、銃のバレルだけ綺麗にする。
それ以上の事を森で行うのは、余り得策に思えなかったからだ。
綺麗にし終えた俺はツールをトランクに入れ込み、焚火の前へ移動した。
焚火の音や火の揺らめきは、心を落ち着かせてくれる。
俺は少しだけ穏やかな気分になりつつ、銃に弾込めをした。
薬室に弾を装填したら、安全装置をオンにして肩にかける。
気ままな一人旅か…
そんな事を思ったが、ここは日本では無い。
料理もほとんど出来ないし、こちら側の食材も料理の勝手も分かっていない。
現状では何処かの組織に所属もいていなければ、手続が出来る場所も知らない。
今の俺では、この世界でソロはかなり非現実的なのではなかろうか?
旅のパートナーが欲しい。
では、どうやってパートナーを探すのか。
あるのか知らないが冒険者ギルドとか、そういった類いの組織に登録して探してもらうのが良いのだろうか。
今日はもう疲れた。
焚火も消えかけている。
俺は消えかけの焚火の上に土を被せてから車中泊を決め込み、車へ乗り込んだ。
結果としては、魔獣の森が最適だと言われた。
あの長老達の村からは結構な距離があり、近くに別の村もないから一時的な休息程度なら取れるだろうとの判断だった。
それに…俺はこの世界の金を持っていない。
マスタングのモニターに小さく表示されていた、所持金と言う項目がゼロだったし。
「ここに長居するのは良くないだろう、俺は一旦森まで移動して休息をとるよ」
…俺は町の宿に泊まる金も無いしな。と力無く笑ってみせた。
アーリアは少し声を潜めて、悪知恵を与えてくれた。
「1番後ろの馬車の中に、食料の他に銀貨や銅貨が入っているわね…あまり気乗りはしないでしょうけど」
ショットガンをぶっ放して賊を殺め、2人を保護した直後に金目の物を物色って…
「アーリアよ…お主もワルよのぅ」
…アーリアに脇腹を抓られた。
俺は正に小悪党よろしく、最後尾の馬車を物色する。
馬車内には主に食料が保管してあったが、ショットガンを撃ちまくったせいで箱が破壊されていていた。
食料も散弾の餌食になっていたか…
床に散らばった食料の他に銀貨や銅貨が確認出来たので、気乗りしないが回収させて貰う。
物色の結果、食料の大半は諦める事になったが、結構な数の子銀貨と銅貨が手に入った。
嬉しい誤算だが、魔術師だったヤツのポケットから金貨が一枚見つかった。
丁寧に物色する気力が湧いてこなかったので、そこで切り上げた。
有り難い事に穴の空いていない革袋があったので、それを拝借して銀貨達をしまった。
金貨はジャケットに隠した。
アーリア達の元へ戻ると、俺は魔獣の森へ移動すべくマスタングに声をかける。
「移動するぞマスタング」
音声での応答は無いが、返事とばかりにエンジンが唸り声をあげた。
「アーリア…2人の事は任せた。そこに転がってる魔術師もな」
アーリアにそう告げて、俺はマスタングに乗り込んで少しの食料と銀貨の袋を助手席に置いた。
律儀にもシートベルトを装着して、アクセルを踏んで出発した。
マスタングは快調そのもので、魔獣の森までは日が傾く前に到着した。
マスタングから少しだけ離れた所で、火が燃え移りしないような場所を見つけ焚火の準備をする。
太陽が沈む前に焚火を安定をさせる事が出来た。
魔法が使えなくても、ライターがあれば火には困らない。
オイルや石の問題はついて回るが…
パンを炙って食べるだけでも、疲れた身体には有り難い。
欲を言えばコーヒーが飲みたいし、コーンスープとかあればパンを浸して食べたい。
そんな贅沢な考えを頭の隅へと追いやり、これからの予定を練る。
まずは何処かの町か村のに行ってみたい。
そこで水や食料の調達だ。
次に金を稼ぐ手段の確立だ。
今回はやむを得ず拝借したが、今後は正規の取引にしておきたい。
俺は蛮族では無いのだから。
昼間に使った銃のメンテナンスをしようと思い立ち、マスタングの元へ行きトランクを開ける。
ショットガンを取り出して弾抜きをする。
抜いた弾はジャケットのポケットに仕舞い、安全確認をした後に銃口を覗き込む。
…綺麗には見えるが、念の為。
「マスタング、今からイメージする物を実体化してくれ」
メンテナンスツールをイメージする。
映画で銃の分解組立やメンテナンスをするシーンは、いつ見ても格好良いものだ。
程なくして実体化が開始された。
グローブボックスにて実体化をするらしい。
…トランクを開けたままだと、トランクからの実体化は出来ないようだ。
実体化したメンテナンスツールにて、銃のバレルだけ綺麗にする。
それ以上の事を森で行うのは、余り得策に思えなかったからだ。
綺麗にし終えた俺はツールをトランクに入れ込み、焚火の前へ移動した。
焚火の音や火の揺らめきは、心を落ち着かせてくれる。
俺は少しだけ穏やかな気分になりつつ、銃に弾込めをした。
薬室に弾を装填したら、安全装置をオンにして肩にかける。
気ままな一人旅か…
そんな事を思ったが、ここは日本では無い。
料理もほとんど出来ないし、こちら側の食材も料理の勝手も分かっていない。
現状では何処かの組織に所属もいていなければ、手続が出来る場所も知らない。
今の俺では、この世界でソロはかなり非現実的なのではなかろうか?
旅のパートナーが欲しい。
では、どうやってパートナーを探すのか。
あるのか知らないが冒険者ギルドとか、そういった類いの組織に登録して探してもらうのが良いのだろうか。
今日はもう疲れた。
焚火も消えかけている。
俺は消えかけの焚火の上に土を被せてから車中泊を決め込み、車へ乗り込んだ。
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