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第七章 貴族と冒険者ギルド
第八十九話 振り回される
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豪華な馬車の後ろにある、純粋に内装が広そうな馬車へ案内されたイズミだったが、白髪の老人から止められた。
「入室の前に、武器をお預かりさせて戴きます」
イズミはゆっくりとした動作でナイフを取り出すと、老人が持っている丸いトレーのような物に乗せた。
「他にもありますかな?」
「あるが、それは誰にも預けられないな」
老人の目つきが鋭くなったが、こればかりは譲れない。
一時的であっても、このマグナムを手放す訳にはいかない。
「無宿人なりの処世術ってやつです」
「…少々お待ちを」
老人がトレーを近くにいた者へ渡すと、馬車へと入っていった。
「持ち込みを許可するとの事です…どうぞこちらへ」
イズミは馬車へと入り込んだ。
馬車であっても、内装は豪華だった。
素人目でも作りが良いと分かる革張りの椅子に、木目と色合いが美しいテーブル。
自分が場違いな気がしてしまうような空気感があった。
「貴殿がイズミか」
「はい」
老人に促されるままに座った先にいた男は、魔法通信で見た顔では無かった。
「活躍は聞いている。行く先ざきで大変そうだな」
「どうも厄介事の方が私の事を好いているようでして」
そう答えると、先代侯爵のランドールは笑いながら話を続けた。
「そうかそうか…戦いの風に愛されているとは、難儀な男よ」
「恐縮です」
イズミはそう言って頭を下げる。
ランドールはイズミの動きを見ながら、ゆっくりと息を吐いた。
「儂は息子に職を受け継がせたのでね、一線は退いておる。もう少し気楽に話してくれて構わん」
「ありがとうございます」
ランドールの動きを読み切れないイズミは、テーブルの下で右手を動かす。
どうも緊張で落ち着けないのだ。
「儂が現職であれば、お主の抱え込みに各所に根回しをするが…もう息子に任せておるからな、儂からは何もせんので安心してくれ」
余生の楽しく満喫するには、現役を退くのが一番早いのだ。
そう笑うランドールにどう返事をすれば良いのか分からず、微笑んでおいた。
「お祖父様?」
馬車の外から子供の声が聞こえた。
ランドールの表情から険しさが消えたように見える。
「失敬…おぉヘンリエッタ!おじいちゃんは此処だよ」
話も途中な気がしたが、ランドールは子供の声がした方へと行ってしまった。
「話は終わりと言う認識で良いのですか?」
取り残されたイズミは気まずくなって、近くに待機していた白髪の老人へ確認を取った。
「…お手数をおかけしました」
老人が馬車の扉を開けてくれたので、イズミはそそくさと降りた。
預けていたナイフを返して貰おうとしたが、それはまだらしい。
馬車を降りると、騎士隊がダンジョンのある階段周辺の警備をすべく、測量作業を行っていた。
「ここはダンジョンの入口であり、古き寺院の跡地でもある。過去の痕跡もあると認識し、細心の注意を払って作業をするように」
「はっ!」
騎士隊の動きは素早く、無駄も無いように見えた。
戦ってきた賊と比較するのも悪いが、相手になったら強敵だろう。
「おや、イズミ殿ではありませんか!」
「これはこれは…」
騎士隊の指揮をしていた男が近付いて来た。
残念な貴族の坊やの一件でお世話になった老騎士、ヴァーランデルであった。
「入室の前に、武器をお預かりさせて戴きます」
イズミはゆっくりとした動作でナイフを取り出すと、老人が持っている丸いトレーのような物に乗せた。
「他にもありますかな?」
「あるが、それは誰にも預けられないな」
老人の目つきが鋭くなったが、こればかりは譲れない。
一時的であっても、このマグナムを手放す訳にはいかない。
「無宿人なりの処世術ってやつです」
「…少々お待ちを」
老人がトレーを近くにいた者へ渡すと、馬車へと入っていった。
「持ち込みを許可するとの事です…どうぞこちらへ」
イズミは馬車へと入り込んだ。
馬車であっても、内装は豪華だった。
素人目でも作りが良いと分かる革張りの椅子に、木目と色合いが美しいテーブル。
自分が場違いな気がしてしまうような空気感があった。
「貴殿がイズミか」
「はい」
老人に促されるままに座った先にいた男は、魔法通信で見た顔では無かった。
「活躍は聞いている。行く先ざきで大変そうだな」
「どうも厄介事の方が私の事を好いているようでして」
そう答えると、先代侯爵のランドールは笑いながら話を続けた。
「そうかそうか…戦いの風に愛されているとは、難儀な男よ」
「恐縮です」
イズミはそう言って頭を下げる。
ランドールはイズミの動きを見ながら、ゆっくりと息を吐いた。
「儂は息子に職を受け継がせたのでね、一線は退いておる。もう少し気楽に話してくれて構わん」
「ありがとうございます」
ランドールの動きを読み切れないイズミは、テーブルの下で右手を動かす。
どうも緊張で落ち着けないのだ。
「儂が現職であれば、お主の抱え込みに各所に根回しをするが…もう息子に任せておるからな、儂からは何もせんので安心してくれ」
余生の楽しく満喫するには、現役を退くのが一番早いのだ。
そう笑うランドールにどう返事をすれば良いのか分からず、微笑んでおいた。
「お祖父様?」
馬車の外から子供の声が聞こえた。
ランドールの表情から険しさが消えたように見える。
「失敬…おぉヘンリエッタ!おじいちゃんは此処だよ」
話も途中な気がしたが、ランドールは子供の声がした方へと行ってしまった。
「話は終わりと言う認識で良いのですか?」
取り残されたイズミは気まずくなって、近くに待機していた白髪の老人へ確認を取った。
「…お手数をおかけしました」
老人が馬車の扉を開けてくれたので、イズミはそそくさと降りた。
預けていたナイフを返して貰おうとしたが、それはまだらしい。
馬車を降りると、騎士隊がダンジョンのある階段周辺の警備をすべく、測量作業を行っていた。
「ここはダンジョンの入口であり、古き寺院の跡地でもある。過去の痕跡もあると認識し、細心の注意を払って作業をするように」
「はっ!」
騎士隊の動きは素早く、無駄も無いように見えた。
戦ってきた賊と比較するのも悪いが、相手になったら強敵だろう。
「おや、イズミ殿ではありませんか!」
「これはこれは…」
騎士隊の指揮をしていた男が近付いて来た。
残念な貴族の坊やの一件でお世話になった老騎士、ヴァーランデルであった。
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