異世界無宿

ゆきねる

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第十一章 新たな相棒

第百四十五話 魔改造

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町の武器屋を見つけたイズミは、早速ショートソードを物色し始めた。

「らっしゃい!何が欲しいんだ?」

「ショートソードかな…装飾の無い、上質で頑丈なのが良い」

声をかけてきたのは、ドワーフ族の男だった。

「どんな相手に使うつもりだ」

「…完全武装の騎士から、ドラゴンまで?」

「ショートソードで?だいぶ狂ってやがるな…流石にそこまでは難しいが、俺が仕立てたコイツなら騎士の攻撃でも折れないし、Aランクの魔物の攻撃も受けきれるぞ」

そう言いながら渡されたショートソードを確認する。

「では、コレにしよう」

「金貨2枚で砥石とベルト付きだ…まいどあり!」

さっさと購入したついでに、魔石を取り扱っている店を教えてもらうと、足早に向かった。

「いらっしゃい。何をお探しですか?」

「魔石が欲しくてな…」

「大小様々な魔石がありますよ」

見せて貰った魔石から、子供の拳サイズのを3つ、小さいものを8つ購入した。

その帰りにベリア用のブラシと爪研ぎを購入するのも忘れない。

ベリアの案内で入った店は町の中でも綺麗な建物だった。
そこでベリアが尻尾を振りながら食い入るように見ていたブラシと、店員おすすめの爪研ぎを購入してマスタングへと戻って行った。

「それにしても、ブラシってのは高いんだな」

ブラシ1つ金貨8枚と、店員に申し訳無さそうに言われた時は、思わず笑ってしまったが購入したのだ。

「あのブラシは特別品で、希少な魔物の毛を惜しげも無く使った最高級品なんだ!」

「そうかい」

イズミは興味無さげにベリアの話を流しつつ、マスタングのトランクを開けて魔改造の準備を整えた。

「マスタング。久し振りのカスタムだからな…盛大にやらかしてくれて良いぞ」

「かしこまりました」

ベリアのナイフ?と購入して来たショートソードと魔石、あとドラゴンの爪を入れてトランクを閉めた。

前回のカスタムでかなり不安になる音が出た事を思い出したイズミは、町の外れまで移動してから改造を始めさせた。


ガガガガ…ゴン!
チュイーン!
ドゴン!
バキバキッ!
ボンッボンッ!
グォォォ!

およそ車から発せられる音とは思えない音が、トランク内から聞こえてくる。

「おいイズミ…本当に大丈夫なのか?」

「…多分」

ベリアもイズミも不安になりつつ、マスタングを見守っている事およそ10分。

「マスター。完了しました」

トランクが開いたので、中から武器を取り出す。

持ち手部分がドラゴンの爪に変わり、握りやすいように加工した上で滑り止めとして革が巻かれている。

形はククリナイフみたいなままだが、ショートソードに使われていた金属にグレードアップしているようだ。

加工して残ったドラゴンの爪と魔石は、ナイフの強化と属性付与に使われている…らしい。

「ほいよ」

イズミがナイフを鞘に納めてから、ベリアへ手渡した。

「ありがと…うぉぉ!?」

ベリアがナイフを抜くと、ナイフが蒼白く光っているように見える。

何度か振って構えてをベリアが繰り返していると、光っていた蒼白さが治まった気がする。

「重量バランスも凄く良い!」

イズミがマスタングのモニターを確認すると、ナイフの説明が出て来たので、ベリアに確認させた。

「…アタイの魔力を使うと、ナイフから炎魔法と風魔法が出せるみたいだ」

「これで旅の途中で戦闘になっても大丈夫だな」

「どうしてこんな事が出来るんだ?」

疑いの眼差しを向けられたイズミは、素直に答えた。

「分からん。マスタングが特別なんだ…他言無用で頼む」

トランクを閉めたイズミは、昨夜の失敗…マグナムの発砲音対策として、念の為にサブマシンガンを実体化出来るようにだけしておく。

威力不足は分かっているので使う場面は限られるけれども、今回みたいな二次被害のリスクは減らせるのだ。

備えておいた方が利口だろう。
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