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第十九章 暴力の嵐
第二百七十三話 やっちまった
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イズミ達が宿屋に到着すると、ロビーに当たる広間に複数の冒険者パーティーがたむろしていた。
マスタングを馬車置き場に停めて合流する為に宿屋に入ると、ベリアが冒険者達に絡まれていた。
イズミは右手でマグナム直ぐに撃てるように準備をしてから、ベリアに声を掛ける。
「どうしたベリア?」
「すまんイズミ、ちょっとな」
ベリアがそう言うと、絡んでいた冒険者がイズミへと顔を向ける。
その顔はその人物を信頼するに値しない、賊と変わり無い卑しい顔だった。
「アイツがアンタの仲間か。偉く弱そうな奴だな、ああ言うのが好みなのか?」
どうやらベリアがAランク冒険者だと知って、良からぬ事でも考えたのだろう。
「あんな男相手なら、剣を使うまでもなく勝てるぜ」
…どうやら腕自慢でもしたいようだ。
馬鹿にされたままなのも癪ではあるが、変に刺激するとより面倒になる気がする。
「パーティー組んでた時でBランク止まりだったのに、ソロになってからAランクに上がるなんて滅多に無いんだ。色々と話を聞きたいのは当然だろ?」
リーダーらしき男が現れると、ベリアのナイフをジッと見つめる。
「良いナイフだな」
「やめときな、只の人間では扱いきれない代物だ」
イズミはベリアが答える前に言い切ると、ベリアとパーティーの間に入って距離を取った。
「そう言うなよ、もっと気になるじゃねえか」
男がニヤリと笑いイズミを退かしベリアの肩を掴むと、無理矢理ナイフを奪い取る。
鞘からナイフを抜こうとした瞬間、男の右手が肩の付け根まで微塵切りになった。
マスタングが魔改造した時に仕掛けていたセイフティが発動したのだ。
「ギャァァァァァァ!?」
「ほら、言わんこっちゃない」
イズミは床に落ちたナイフを持つと、男の血を綺麗に拭き取る。
「良い武器は持ち主を選ぶ。アンタみたいな人間には過ぎた代物なのさ」
ナイフをベリアに返した所で、騒ぎを聞きつけた冒険者ギルドの職員がやって来た。
「ガルベスさん、また絡んでいるのですか!いい加減に…」
「腕が…俺の腕がぁ!」
右腕が無くなった男…名はガルベスらしい…が左手で必死に止血をしていると、仲間が包帯やら色々と持って来て応急処置を始めた。
「誰か、この状況を説明して頂けますか?」
「その右腕が無くなった馬鹿が絡んできて、ベリアのナイフを無理矢理奪い取った。そしたらナイフの能力で男の腕が微塵切りになった」
イズミが要点を掻い摘んで職員へ教えた。
一応忠告はしたとまで伝えると、ギルドの職員は魔術師を呼び出し腕の再生が出来るかどうかを確かめる。
魔術師は首を横に振ると、職員が声のトーンを落として告げた。
「…ガルベスさん、右腕は諦めて下さい。本部にいる魔術師を全員かき集めても治せません」
「そんな!」
「その目で現実を見て下さい!ガルベスさんの右腕は肉も骨も判別が困難な程に斬り刻まれています。再構成自体が不可能です。可能性があるとすればエリクサーしかありませんが、ガルベスさんは入手出来ますか?」
ガルベスは顔を真っ青になりながら、仲間の顔を見た。
誰もが諦めている表情なのが分かると、鋭い視線がイズミへと向いた。
「そこの軟弱野郎!どうしてくれるんだ?」
「自業自得だろ、忠告もしてたし。介錯して欲しいならそう言え」
「ふざけろ!」
ガルベスは立ち上がると、目をガン開きにしてイズミへと近付く。
仲間が押さえてはいたが、ズンズンと近寄って来た。
「テメェの手足を斬り落としてやる、でなきゃ俺の気が収まらねぇ!」
「それは御免被る」
イズミはマグナムを抜くと、一切の躊躇無くガルベスの左腕を吹き飛ばした。
轟音に驚き、それを見ていた者達の動きが止まる。
ガルベスは悲鳴を上げて再度床へ沈む。
仲間達も突然の事に武器を構える事すら出来ていなかった。
「もう剣は握れそうにないな。これで一安心」
マグナムをホルスターに仕舞うと、イズミは茫然としている冒険者ギルドの職員に声を掛けた。
「ガルベスって奴が私に恐喝をして来たので、ついやってしまった」
「状況は見ていましたので、分かっていますが…」
「後始末を頼みます」
それだけ言うとイズミは職員にそっと金貨を2枚握らせる。
その後ベリアと共に宿屋のチェックインの手続きをする為に受付へと歩いて行く。
「そうだ。復讐に来るのは自由だが、その時はもっと悲惨な事になる。覚えておくと良い」
ガルベスの仲間達へと忠告として、冷たい表情のイズミが振り返ってから言い放った。
マスタングを馬車置き場に停めて合流する為に宿屋に入ると、ベリアが冒険者達に絡まれていた。
イズミは右手でマグナム直ぐに撃てるように準備をしてから、ベリアに声を掛ける。
「どうしたベリア?」
「すまんイズミ、ちょっとな」
ベリアがそう言うと、絡んでいた冒険者がイズミへと顔を向ける。
その顔はその人物を信頼するに値しない、賊と変わり無い卑しい顔だった。
「アイツがアンタの仲間か。偉く弱そうな奴だな、ああ言うのが好みなのか?」
どうやらベリアがAランク冒険者だと知って、良からぬ事でも考えたのだろう。
「あんな男相手なら、剣を使うまでもなく勝てるぜ」
…どうやら腕自慢でもしたいようだ。
馬鹿にされたままなのも癪ではあるが、変に刺激するとより面倒になる気がする。
「パーティー組んでた時でBランク止まりだったのに、ソロになってからAランクに上がるなんて滅多に無いんだ。色々と話を聞きたいのは当然だろ?」
リーダーらしき男が現れると、ベリアのナイフをジッと見つめる。
「良いナイフだな」
「やめときな、只の人間では扱いきれない代物だ」
イズミはベリアが答える前に言い切ると、ベリアとパーティーの間に入って距離を取った。
「そう言うなよ、もっと気になるじゃねえか」
男がニヤリと笑いイズミを退かしベリアの肩を掴むと、無理矢理ナイフを奪い取る。
鞘からナイフを抜こうとした瞬間、男の右手が肩の付け根まで微塵切りになった。
マスタングが魔改造した時に仕掛けていたセイフティが発動したのだ。
「ギャァァァァァァ!?」
「ほら、言わんこっちゃない」
イズミは床に落ちたナイフを持つと、男の血を綺麗に拭き取る。
「良い武器は持ち主を選ぶ。アンタみたいな人間には過ぎた代物なのさ」
ナイフをベリアに返した所で、騒ぎを聞きつけた冒険者ギルドの職員がやって来た。
「ガルベスさん、また絡んでいるのですか!いい加減に…」
「腕が…俺の腕がぁ!」
右腕が無くなった男…名はガルベスらしい…が左手で必死に止血をしていると、仲間が包帯やら色々と持って来て応急処置を始めた。
「誰か、この状況を説明して頂けますか?」
「その右腕が無くなった馬鹿が絡んできて、ベリアのナイフを無理矢理奪い取った。そしたらナイフの能力で男の腕が微塵切りになった」
イズミが要点を掻い摘んで職員へ教えた。
一応忠告はしたとまで伝えると、ギルドの職員は魔術師を呼び出し腕の再生が出来るかどうかを確かめる。
魔術師は首を横に振ると、職員が声のトーンを落として告げた。
「…ガルベスさん、右腕は諦めて下さい。本部にいる魔術師を全員かき集めても治せません」
「そんな!」
「その目で現実を見て下さい!ガルベスさんの右腕は肉も骨も判別が困難な程に斬り刻まれています。再構成自体が不可能です。可能性があるとすればエリクサーしかありませんが、ガルベスさんは入手出来ますか?」
ガルベスは顔を真っ青になりながら、仲間の顔を見た。
誰もが諦めている表情なのが分かると、鋭い視線がイズミへと向いた。
「そこの軟弱野郎!どうしてくれるんだ?」
「自業自得だろ、忠告もしてたし。介錯して欲しいならそう言え」
「ふざけろ!」
ガルベスは立ち上がると、目をガン開きにしてイズミへと近付く。
仲間が押さえてはいたが、ズンズンと近寄って来た。
「テメェの手足を斬り落としてやる、でなきゃ俺の気が収まらねぇ!」
「それは御免被る」
イズミはマグナムを抜くと、一切の躊躇無くガルベスの左腕を吹き飛ばした。
轟音に驚き、それを見ていた者達の動きが止まる。
ガルベスは悲鳴を上げて再度床へ沈む。
仲間達も突然の事に武器を構える事すら出来ていなかった。
「もう剣は握れそうにないな。これで一安心」
マグナムをホルスターに仕舞うと、イズミは茫然としている冒険者ギルドの職員に声を掛けた。
「ガルベスって奴が私に恐喝をして来たので、ついやってしまった」
「状況は見ていましたので、分かっていますが…」
「後始末を頼みます」
それだけ言うとイズミは職員にそっと金貨を2枚握らせる。
その後ベリアと共に宿屋のチェックインの手続きをする為に受付へと歩いて行く。
「そうだ。復讐に来るのは自由だが、その時はもっと悲惨な事になる。覚えておくと良い」
ガルベスの仲間達へと忠告として、冷たい表情のイズミが振り返ってから言い放った。
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