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第十九章 暴力の嵐
閑話 装備開発依頼
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夜中に大規模な戦闘が発生したとの報告を部下から聞いた時、真っ先に知り合いの顔が浮かんで来たので魔法通信で確認をした。
面倒事の予感をひしひしと感じてはいたが今に始まった事では無いが。
しばし間を置くと案の定、面倒事に微妙に関与しているようであった。
今まであった連絡とは多少違うのが気にはなったが。
「ミレニア?ソフィアよ…急務で頼めるか知りたいの」
ソフィアが言うには、イズミなる男が真夜中だが派手に暴れたようだ。
イズミ…私がその存在自体に違和感を持った男…が教会も元老院も監視対象としている犯罪組織の1拠点を強襲、壊滅させたらしい。
「で、保護した4名の回収と、入手した証拠品の回収を頼みたいの」
「あの組織が証拠を抹消しないとは思えないのだけど」
「それは、イズミが手配した友人が何とかしてくれたって」
「友人ねぇ…分かったわ、私の部下を派遣するわ」
その後生け捕り…確保された…貴族1名も追加で回収した日の昼過ぎ。
「お嬢様、戦闘報告を上げた監視者から装備開発の依頼が届きました」
「装備?どんなものかしら」
渡された資料は手書きではあるが、要点はしっかりとまとめられていた。
「…金属製の筐体に魔石を収納し、使用者の魔力を流し込み発光する道具、らしいわね」
イズミへと接近した監視者は、目印として使っていた戦闘用のライトの有用性に気付いたのだ。
「短時間しか見てない代物を、ここ迄調べきるのね」
「それが監視者達の使命ですので」
資料を持ってお抱えのドワーフ族の職人の元へ向かう。
「んお!お嬢様じゃないか、今度はどんな道具を作って欲しいんだ?」
「資料はあるけど、コレだけなの」
「ふーむ…金属の筒の中に魔石を仕込むのか。完全一体型では作れそうに無いな」
「どうして?」
ミレニアの疑問に対してドワーフが地面に木の棒で落書きを始める。
「この資料だと、光を出す方が魔石を仕込む筒よりも大きく描かれている。これはつまり、この大きさの違いで光に何かをしてるんだ。一体型では複雑な作りは出来ないんだ」
「補足資料では、光は遠くまで飛んでいるように見えたって」
「なら、この部分が肝って事か。取り敢えずやれるだけやってみよう」
それだけ言うと、ドワーフは自らの工房へ戻って行った。
数日後。
「ほいお嬢様、試作品だ」
目の下に大きなクマを作ったドワーフが試作品をテーブルへと置いた。
置かれた試作品は全体的にノッペリとしており、底部には魔石が覗いている。
「魔石は全部で3種類使ってる。使用者の魔力を吸収するヤツ、魔石間の繋ぎに使うヤツ、最後に吸収された魔力を消費して光るヤツだ」
ミレニアが手に取ると、魔石に触れて光を付ける。
部屋を暗くして配光を確かめると、皆が思っていたよりも照らした先にあった花瓶が明るく見えた。
「苦労したぞ…ただ光っただけでは光は飛んでいかないんだ。そこで、薄くした金属を円錐状に加工した後でアホみたいに磨きを入れたんだ」
魔石から指を離したミレニアは、光を放っていたヘッド部分を覗き込む。
「磨き込んだ金属に触れると光の飛びってのが弱まったから、触れないように薄く均一に作ったガラスをはめ込んでみた。難点は…色々ある」
「例えば?」
「魔石に触れていないと光らせる事が出来ないとか、磨き込みに恐ろしく手間がかかるとか、今のままじゃ汗で手を滑らせる可能性が高いとか、他にもあるぞ」
「…監視者達からの反応は?」
「概ね良好だ。既に改良依頼も来てる」
ドワーフは紙を1枚取り出すと、ミレニアに渡した。
「素手で構えても汗で滑らない加工処理と、暗闇で道具が月明りに反射しない様に塗装、光の点滅で信号を送る為の脱着可能な蓋だとさ」
「蓋は簡単そうじゃない?」
「意図しない時に光が漏れない為の蓋なら簡単だが、光を使って連絡をするなら何度も蓋の脱着をする必要がある。それは手間だろ?」
「それはそうね」
「敵に悟られない程度の光にしないといかんが、光の明るさの調整を出来る魔石なんて儂は知らんしな」
ミレニアは布でライトを覆うと、再度点灯させる。
その後、布に小さな穴を開けて光を出す。
「私が出せる案は、コレくらいね」
「ほう…これなら魔物の革なら光の漏れも減らせそうだが、要調整だな」
イズミが目印替わりに何気なく使ったライトは、現物が手元にないままであっても研究され、暫く後でミレニアの部下である監視者達の標準装備になる。
魔法通信が困難な環境下で活用され、独自の信号が考案され運用が始まると運用法の実績が蓄積されていくが、元々の戦闘用として運用に注目されるのは、もう少し未来の話である。
面倒事の予感をひしひしと感じてはいたが今に始まった事では無いが。
しばし間を置くと案の定、面倒事に微妙に関与しているようであった。
今まであった連絡とは多少違うのが気にはなったが。
「ミレニア?ソフィアよ…急務で頼めるか知りたいの」
ソフィアが言うには、イズミなる男が真夜中だが派手に暴れたようだ。
イズミ…私がその存在自体に違和感を持った男…が教会も元老院も監視対象としている犯罪組織の1拠点を強襲、壊滅させたらしい。
「で、保護した4名の回収と、入手した証拠品の回収を頼みたいの」
「あの組織が証拠を抹消しないとは思えないのだけど」
「それは、イズミが手配した友人が何とかしてくれたって」
「友人ねぇ…分かったわ、私の部下を派遣するわ」
その後生け捕り…確保された…貴族1名も追加で回収した日の昼過ぎ。
「お嬢様、戦闘報告を上げた監視者から装備開発の依頼が届きました」
「装備?どんなものかしら」
渡された資料は手書きではあるが、要点はしっかりとまとめられていた。
「…金属製の筐体に魔石を収納し、使用者の魔力を流し込み発光する道具、らしいわね」
イズミへと接近した監視者は、目印として使っていた戦闘用のライトの有用性に気付いたのだ。
「短時間しか見てない代物を、ここ迄調べきるのね」
「それが監視者達の使命ですので」
資料を持ってお抱えのドワーフ族の職人の元へ向かう。
「んお!お嬢様じゃないか、今度はどんな道具を作って欲しいんだ?」
「資料はあるけど、コレだけなの」
「ふーむ…金属の筒の中に魔石を仕込むのか。完全一体型では作れそうに無いな」
「どうして?」
ミレニアの疑問に対してドワーフが地面に木の棒で落書きを始める。
「この資料だと、光を出す方が魔石を仕込む筒よりも大きく描かれている。これはつまり、この大きさの違いで光に何かをしてるんだ。一体型では複雑な作りは出来ないんだ」
「補足資料では、光は遠くまで飛んでいるように見えたって」
「なら、この部分が肝って事か。取り敢えずやれるだけやってみよう」
それだけ言うと、ドワーフは自らの工房へ戻って行った。
数日後。
「ほいお嬢様、試作品だ」
目の下に大きなクマを作ったドワーフが試作品をテーブルへと置いた。
置かれた試作品は全体的にノッペリとしており、底部には魔石が覗いている。
「魔石は全部で3種類使ってる。使用者の魔力を吸収するヤツ、魔石間の繋ぎに使うヤツ、最後に吸収された魔力を消費して光るヤツだ」
ミレニアが手に取ると、魔石に触れて光を付ける。
部屋を暗くして配光を確かめると、皆が思っていたよりも照らした先にあった花瓶が明るく見えた。
「苦労したぞ…ただ光っただけでは光は飛んでいかないんだ。そこで、薄くした金属を円錐状に加工した後でアホみたいに磨きを入れたんだ」
魔石から指を離したミレニアは、光を放っていたヘッド部分を覗き込む。
「磨き込んだ金属に触れると光の飛びってのが弱まったから、触れないように薄く均一に作ったガラスをはめ込んでみた。難点は…色々ある」
「例えば?」
「魔石に触れていないと光らせる事が出来ないとか、磨き込みに恐ろしく手間がかかるとか、今のままじゃ汗で手を滑らせる可能性が高いとか、他にもあるぞ」
「…監視者達からの反応は?」
「概ね良好だ。既に改良依頼も来てる」
ドワーフは紙を1枚取り出すと、ミレニアに渡した。
「素手で構えても汗で滑らない加工処理と、暗闇で道具が月明りに反射しない様に塗装、光の点滅で信号を送る為の脱着可能な蓋だとさ」
「蓋は簡単そうじゃない?」
「意図しない時に光が漏れない為の蓋なら簡単だが、光を使って連絡をするなら何度も蓋の脱着をする必要がある。それは手間だろ?」
「それはそうね」
「敵に悟られない程度の光にしないといかんが、光の明るさの調整を出来る魔石なんて儂は知らんしな」
ミレニアは布でライトを覆うと、再度点灯させる。
その後、布に小さな穴を開けて光を出す。
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「ほう…これなら魔物の革なら光の漏れも減らせそうだが、要調整だな」
イズミが目印替わりに何気なく使ったライトは、現物が手元にないままであっても研究され、暫く後でミレニアの部下である監視者達の標準装備になる。
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