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第二十章 火山地帯で小休止
第二百九十七話 リコとの追いかけっこ
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翌朝。
ガーベラは部下を通じてスタンピードに関する調査と警戒を指示し、ベリアはそれとなく冒険者ギルドにスタンピードに関する情報を聞きに向かった。
イズミはと言うと。
「…苦いな」
あいも変わらずマスタングの近くでコーヒーを作っていた。
あれこれと試し始めて数ヶ月、未だに納得のいく焙煎や淹れ方が出来ずにいる。
これはこれで好きではあるが、苦味と酸味のバランスが良いコーヒーも飲みたいのである。
屋敷の庭へ目をやると、朝にもかかわらずリコがカーネリアと追いかけっこをしていた。
屋外だとハーピーの姿で追えるからか、昨日よりは楽に追えているように見えるが、捕まえきれないようだ。
「あ!」
リコがイズミの存在に気付き立ち止まると、カーネリアがリコを捕まえて追いかけっこが終わったようだ。
「おはようお二方」
「おはようイズミ、何を飲んでるの?」
「コーヒーだ、物凄く苦いけど飲んでみるか?」
「苦いなら止めとく」
カーネリアにもコーヒーを勧めてみるが、即答で断られてしまった。
リコは興味深げにコーヒーを見ていたが、流石に飲ませるには年齢的に早すぎると思い渡さなかった。
「光ってるのはなぁに?」
リコがイズミのポケットを指さして聞いてきたので、ポケットに仕舞っていた魔石を取り出してリコの小さな手に乗せる。
「綺麗にカットされた魔石だ」
「おぉ!ピカピカ」
子供の好奇心をくすぐったのか、太陽に透かしてみたりしているリコを2人で見ていたら、ガーベラがやって来た。
「リコ?こっちにいらっしゃい」
「はぁい」
素直に頷いたリコはガーベラに抱き着くと、持っていた魔石をガーベラに見せつける。
「どう?」
「綺麗な魔石ね…?」
優しい目をしていたガーベラだったが、突然魔石を凝視して動かない。
「イズミさん、この魔石は昨日のですよね?」
「ええ、つい先程リコに渡しました。ガーベラさんが来るほんの少し前の事です」
渡したタイミングを言うと、それを見ていたカーネリアも頷く。
「間違い無いです」
「…魔石に蓄えられていた魔力が空になっているのですが」
ガーベラはリコから受け取った魔石を持って近付くと、イズミとカーネリアに魔石を見せる。
「…さっきはこんな色じゃなかったはず」
カーネリアの呟きを、イズミは黙って聞いていた。
リコに渡した時は鮮やかな赤紫色だったが、今は形はそのままに石英のような見た目をしていたのだ。
「意味が分かりませんね…マスタング、何か原因は分かるか?」
「…魔石に込められた魔力は、リコ様の中にある魔剣とリコ様自体に吸収されたようです」
マスタングの回答を聞いた3人は、ジッとリコを見つめる。
リコは良く分からないのか、魔力の抜けた魔石をガーベラの手から取ると、ヒョイと口へ運び飲み込んでしまった。
ギョッとした目でリコを見つめるイズミとカーネリアだったが、ガーベラが補足で説明をしてくれた。
「ラミア族は魔石を体内に取り込んで魔力を吸収したり、魔石の消化は出来ますが…まだリコには教えていない筈。そうじゃありませんわ、リコ!他人の物を許可なく食べたりしてはいけません。大変申し訳御座いません…ほら、リコもイズミ様に謝りなさい」
「イズミさん、ごめんなさい」
ガーベラとリコからの謝罪を受け入れたイズミは、大丈夫だと言ってリコの頭を優しく撫でる。
「カーネリア、イズミ、追いかけっこしよう!」
リコはそう言うと、2人を置いて走り出した。
その移動速度は、既に子供のそれでは無い。
「リコ待って!もう…イズミ、私は空から追うからイズミは普通に追いかけて!」
「俺もか?」
「当然!」
そう言うとカーネリアは空へ飛び上がり、リコを追跡の準備を始める。
イズミはため息をつくとショルダーバッグをマスタングの助手席に置き、追いかける準備をする。
「マスターは運動不足ですので、ちょうど良い運動になるかと」
「身体のあちこちを攣らないと良いのだが」
軽い柔軟運動をしていると、遠くからリコが首をかしげてイズミを見ていた。
「何してるの?」
「運動不足だからな、身体を解さないと後で筋肉痛で大変な事になるのさ」
準備が整ったのを確認したリコが、元気良く走り出した。
イズミとカーネリアが本気で追いかけるも、すばしっこいリコは中々捕まえられない。
「こりゃ無理だな!トレット、援護してくれ」
「え、またですか!?」
結局はトレットも途中参加でリコを追いかける事になり、最終的にはベリアにも応援を頼む事になった。
イズミの全身が筋肉痛になった事は、言うまでもない。
ガーベラは部下を通じてスタンピードに関する調査と警戒を指示し、ベリアはそれとなく冒険者ギルドにスタンピードに関する情報を聞きに向かった。
イズミはと言うと。
「…苦いな」
あいも変わらずマスタングの近くでコーヒーを作っていた。
あれこれと試し始めて数ヶ月、未だに納得のいく焙煎や淹れ方が出来ずにいる。
これはこれで好きではあるが、苦味と酸味のバランスが良いコーヒーも飲みたいのである。
屋敷の庭へ目をやると、朝にもかかわらずリコがカーネリアと追いかけっこをしていた。
屋外だとハーピーの姿で追えるからか、昨日よりは楽に追えているように見えるが、捕まえきれないようだ。
「あ!」
リコがイズミの存在に気付き立ち止まると、カーネリアがリコを捕まえて追いかけっこが終わったようだ。
「おはようお二方」
「おはようイズミ、何を飲んでるの?」
「コーヒーだ、物凄く苦いけど飲んでみるか?」
「苦いなら止めとく」
カーネリアにもコーヒーを勧めてみるが、即答で断られてしまった。
リコは興味深げにコーヒーを見ていたが、流石に飲ませるには年齢的に早すぎると思い渡さなかった。
「光ってるのはなぁに?」
リコがイズミのポケットを指さして聞いてきたので、ポケットに仕舞っていた魔石を取り出してリコの小さな手に乗せる。
「綺麗にカットされた魔石だ」
「おぉ!ピカピカ」
子供の好奇心をくすぐったのか、太陽に透かしてみたりしているリコを2人で見ていたら、ガーベラがやって来た。
「リコ?こっちにいらっしゃい」
「はぁい」
素直に頷いたリコはガーベラに抱き着くと、持っていた魔石をガーベラに見せつける。
「どう?」
「綺麗な魔石ね…?」
優しい目をしていたガーベラだったが、突然魔石を凝視して動かない。
「イズミさん、この魔石は昨日のですよね?」
「ええ、つい先程リコに渡しました。ガーベラさんが来るほんの少し前の事です」
渡したタイミングを言うと、それを見ていたカーネリアも頷く。
「間違い無いです」
「…魔石に蓄えられていた魔力が空になっているのですが」
ガーベラはリコから受け取った魔石を持って近付くと、イズミとカーネリアに魔石を見せる。
「…さっきはこんな色じゃなかったはず」
カーネリアの呟きを、イズミは黙って聞いていた。
リコに渡した時は鮮やかな赤紫色だったが、今は形はそのままに石英のような見た目をしていたのだ。
「意味が分かりませんね…マスタング、何か原因は分かるか?」
「…魔石に込められた魔力は、リコ様の中にある魔剣とリコ様自体に吸収されたようです」
マスタングの回答を聞いた3人は、ジッとリコを見つめる。
リコは良く分からないのか、魔力の抜けた魔石をガーベラの手から取ると、ヒョイと口へ運び飲み込んでしまった。
ギョッとした目でリコを見つめるイズミとカーネリアだったが、ガーベラが補足で説明をしてくれた。
「ラミア族は魔石を体内に取り込んで魔力を吸収したり、魔石の消化は出来ますが…まだリコには教えていない筈。そうじゃありませんわ、リコ!他人の物を許可なく食べたりしてはいけません。大変申し訳御座いません…ほら、リコもイズミ様に謝りなさい」
「イズミさん、ごめんなさい」
ガーベラとリコからの謝罪を受け入れたイズミは、大丈夫だと言ってリコの頭を優しく撫でる。
「カーネリア、イズミ、追いかけっこしよう!」
リコはそう言うと、2人を置いて走り出した。
その移動速度は、既に子供のそれでは無い。
「リコ待って!もう…イズミ、私は空から追うからイズミは普通に追いかけて!」
「俺もか?」
「当然!」
そう言うとカーネリアは空へ飛び上がり、リコを追跡の準備を始める。
イズミはため息をつくとショルダーバッグをマスタングの助手席に置き、追いかける準備をする。
「マスターは運動不足ですので、ちょうど良い運動になるかと」
「身体のあちこちを攣らないと良いのだが」
軽い柔軟運動をしていると、遠くからリコが首をかしげてイズミを見ていた。
「何してるの?」
「運動不足だからな、身体を解さないと後で筋肉痛で大変な事になるのさ」
準備が整ったのを確認したリコが、元気良く走り出した。
イズミとカーネリアが本気で追いかけるも、すばしっこいリコは中々捕まえられない。
「こりゃ無理だな!トレット、援護してくれ」
「え、またですか!?」
結局はトレットも途中参加でリコを追いかける事になり、最終的にはベリアにも応援を頼む事になった。
イズミの全身が筋肉痛になった事は、言うまでもない。
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