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第二十二章 一斉捜査
第三百四十七話 予定確認
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重苦しい空気の中、イズミが口を開いた。
「ソフィアの兄さんが関与した犯罪は、具体的に何処まで把握済みなんだ?」
「年の差のある異母兄妹の兄よ。帝国へ貴族の顧客の斡旋、犯罪組織への拠点提供、犯罪行為の揉み消し、他多数」
他多数がどれ程あるのかは分からないが、随分手広くやっているようだ。
それが出来る立場の人間が兄と言う事は、目の前にいるソフィアもかなりの身分なのだろう。
イズミはあえてその点を確認する事はしなかった。
ソフィアが自ら言うまでは、今まで通りの関係性の方が都合が良い気がしたのだ。
「家族の問題もありますが、何より元老院に関与する貴族への断罪は、元老院として行わなければ示しがつきません。断罪後に必ず身柄を引き渡しますので、それで思い留まっては頂けないでしょうか」
ソフィアはグラテミアに対し大きく頭を下げると、グラテミアから発されていた圧が消えた。
「…ヨランは良い男よ。特にガーベラの家系とは良好な関係だったと記憶しているわ」
「犯罪組織はその点を利用し、ピーターを取り込んだと思われます」
「ヨランにはこの話を?」
「いえ。情報漏洩を防ぐ為、直前まで伏せられます」
しばしの沈黙の後、ソフィアは今後の計画を説明する。
「今回確保する相手は、ピーター・ベルトルードと他領のドッケン・ミレイヤー子爵の2名と、子爵領内にある犯罪組織の拠点です。私がピーター・ベルトルードを、父上が子爵と犯罪組織の拠点を担当します」
「お兄さんは?」
「父上の発案で、あえて摘発の場に同席させます」
ソフィアの父は証拠を確認した際に激怒し、直ぐにでも断罪せんと動こうとした所を、ソフィアが何とか抑え込んだと教えてくれた。
「兄上の関与はかなり手広かったので、まだ余罪が無いか現在も調査中なのです。なので今回の摘発に同席させて、その後の動向を確かめたいと言う意味もあります」
「泳がせるのか。それだと、ソフィアの父さんが危険じゃないか?」
「それに関してはご心配無く。父上は50を過ぎても剣術の腕は確かで、兄上は1度も勝てておりませんから」
「自分の身は守れると言う訳ね…俺はどう動けば良い?」
イズミは少し前のめりになり、自分の役割を確認する。
援護依頼をするって事はつまり、戦う可能性が高いと言う事だ。
「頼みたいのは、私の部隊の支援よ。戦闘や対象の身柄拘束及び連行は私の部隊がやるけど、緊急時の切り札として貴方の力を借りたいの」
「ピーターってのは、俺達と何かしらの因縁はあるのか?」
「子供達の口封じを直接指示したのがピーターで、そう指示するように仄めかしたのが私の兄上よ」
「ならピーターは俺の敵だな。刺客のせいで痛い目に遭ったからな、殺さずともお返しはしないと」
イズミの言葉を聞いたベリアの視線が、何かツッコミを入れたそうにしているが無視しておく。
「話は分かりました。ですが条件があります」
グラテミアはソフィアに対して、フラウリアを見てから話を続ける。
「イズミ様は現在、我々ラミア族の賓客です。その摘発の場にラミア族の見届人を連れて行く事。よろしいですね」
「はい」
ソフィアの返事を聞いたグラテミアは、フラウリアに指示を出した。
「フラウリア、イズミ様と一緒に行動しなさい。何かあったら、分かりますね?」
「…分かりましたわ」
緊張した声で返事をしたフラウリアは、姿勢を正して椅子に座り直した。
「父上は現在移動中で、到着したら魔法通信で連絡が来ます。到着予定は4日後です」
「ベルトルード公爵の所へは?」
「部隊は先行で移動しています。明日の朝から移動すれば、私達は5日後には公爵領へ入領出来ます。部隊と合流後に元老院から魔法通信で公爵家と子爵家に緊急の連絡を入れて貰い、直後に摘発に入る流れです」
フラウリアが地図を取り出すと、ヒュミトールとベルトルード公爵領の位置関係を教えてくれた。
「この距離なら…マスタングで2日も要らないな。乗ってくか?」
マスタングの移動速度であれば余裕で到着出来ると伝えると、グラテミアからも説得が入った。
「ソフィア、イズミ様のお言葉に甘えても良いと思うわ。移動疲れもあるでしょうし、少しこの屋敷で休んだ方が良いわよ」
「…お心遣い、感謝致します」
打ち合わせが終わるとフラウリアが魔法を解き、この場は解散となった。
イズミは部屋に戻ると、椅子に身体を預けてため息をついた。
「ソフィアの兄さんが関与した犯罪は、具体的に何処まで把握済みなんだ?」
「年の差のある異母兄妹の兄よ。帝国へ貴族の顧客の斡旋、犯罪組織への拠点提供、犯罪行為の揉み消し、他多数」
他多数がどれ程あるのかは分からないが、随分手広くやっているようだ。
それが出来る立場の人間が兄と言う事は、目の前にいるソフィアもかなりの身分なのだろう。
イズミはあえてその点を確認する事はしなかった。
ソフィアが自ら言うまでは、今まで通りの関係性の方が都合が良い気がしたのだ。
「家族の問題もありますが、何より元老院に関与する貴族への断罪は、元老院として行わなければ示しがつきません。断罪後に必ず身柄を引き渡しますので、それで思い留まっては頂けないでしょうか」
ソフィアはグラテミアに対し大きく頭を下げると、グラテミアから発されていた圧が消えた。
「…ヨランは良い男よ。特にガーベラの家系とは良好な関係だったと記憶しているわ」
「犯罪組織はその点を利用し、ピーターを取り込んだと思われます」
「ヨランにはこの話を?」
「いえ。情報漏洩を防ぐ為、直前まで伏せられます」
しばしの沈黙の後、ソフィアは今後の計画を説明する。
「今回確保する相手は、ピーター・ベルトルードと他領のドッケン・ミレイヤー子爵の2名と、子爵領内にある犯罪組織の拠点です。私がピーター・ベルトルードを、父上が子爵と犯罪組織の拠点を担当します」
「お兄さんは?」
「父上の発案で、あえて摘発の場に同席させます」
ソフィアの父は証拠を確認した際に激怒し、直ぐにでも断罪せんと動こうとした所を、ソフィアが何とか抑え込んだと教えてくれた。
「兄上の関与はかなり手広かったので、まだ余罪が無いか現在も調査中なのです。なので今回の摘発に同席させて、その後の動向を確かめたいと言う意味もあります」
「泳がせるのか。それだと、ソフィアの父さんが危険じゃないか?」
「それに関してはご心配無く。父上は50を過ぎても剣術の腕は確かで、兄上は1度も勝てておりませんから」
「自分の身は守れると言う訳ね…俺はどう動けば良い?」
イズミは少し前のめりになり、自分の役割を確認する。
援護依頼をするって事はつまり、戦う可能性が高いと言う事だ。
「頼みたいのは、私の部隊の支援よ。戦闘や対象の身柄拘束及び連行は私の部隊がやるけど、緊急時の切り札として貴方の力を借りたいの」
「ピーターってのは、俺達と何かしらの因縁はあるのか?」
「子供達の口封じを直接指示したのがピーターで、そう指示するように仄めかしたのが私の兄上よ」
「ならピーターは俺の敵だな。刺客のせいで痛い目に遭ったからな、殺さずともお返しはしないと」
イズミの言葉を聞いたベリアの視線が、何かツッコミを入れたそうにしているが無視しておく。
「話は分かりました。ですが条件があります」
グラテミアはソフィアに対して、フラウリアを見てから話を続ける。
「イズミ様は現在、我々ラミア族の賓客です。その摘発の場にラミア族の見届人を連れて行く事。よろしいですね」
「はい」
ソフィアの返事を聞いたグラテミアは、フラウリアに指示を出した。
「フラウリア、イズミ様と一緒に行動しなさい。何かあったら、分かりますね?」
「…分かりましたわ」
緊張した声で返事をしたフラウリアは、姿勢を正して椅子に座り直した。
「父上は現在移動中で、到着したら魔法通信で連絡が来ます。到着予定は4日後です」
「ベルトルード公爵の所へは?」
「部隊は先行で移動しています。明日の朝から移動すれば、私達は5日後には公爵領へ入領出来ます。部隊と合流後に元老院から魔法通信で公爵家と子爵家に緊急の連絡を入れて貰い、直後に摘発に入る流れです」
フラウリアが地図を取り出すと、ヒュミトールとベルトルード公爵領の位置関係を教えてくれた。
「この距離なら…マスタングで2日も要らないな。乗ってくか?」
マスタングの移動速度であれば余裕で到着出来ると伝えると、グラテミアからも説得が入った。
「ソフィア、イズミ様のお言葉に甘えても良いと思うわ。移動疲れもあるでしょうし、少しこの屋敷で休んだ方が良いわよ」
「…お心遣い、感謝致します」
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