異世界無宿

ゆきねる

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第二十三章 独自の調査

第三百七十七話 何故バレている?

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数日後。
無事にヒュミトールへ戻って来たイズミ達を出迎えてくれたフラウリアは、そこそこにヤツレた顔をしていた。

「数日ぶりです…大分お疲れのようですね」

「美容クリームの生産計画が軌道に乗るまでは、まともな生活は送れないのよ。それはそうと」

手で口元を隠しながら欠伸をするフラウリアだったが、イズミに話を振った。

「叔母様がイズミさんから聞きたい事があるとか」

「私に?」

「天啓を受けたとか言ってましたよ」

「天啓」

イズミは嫌な予感を抱きつつも、到着した屋敷の馬車置き場へマスタングを停めると、その足でグラテミアの元へ向かった。

「大変だったですね」

「キマイラ討伐の事でしたら、確かに大変でした。ベリアが居なければ被害はもっと甚大でしたね」

イズミはキマイラとの戦闘について軽く説明をすると、グラテミアは黙って話を聞いてくれた。

「そこまで巨大になるとは…」

「私の武器でも、致命傷は与えきれませんでした」

「Sランクの魔物に手傷を負わせただけでも、誇って良い事ですわ」

そう言ったグラテミアが窓の外を眺めながら呟いた。

「イチゴのショートケーキ」

「はい?」

「火の女神様より天啓がありました。ショートケーキなる菓子を作れれば、外交の武器として更なるラミア族の発展に繋がると」

「…成る程」

ベリアが夢に現れたと言う女神様と同様に、グラテミアの所にも現れたのだ。

「私も一度食してみたいのですが」

「大丈夫ですよ、用意します。他にも話はありましたか?ベリアにも話が来ていたので」

「ベリアさんにもあったのですね…確かにありましたわ、調べて欲しい土地があると。手伝ってあげて欲しいと」

「やはりそうでしたか」

イズミは魔法通信をベリアに繋ぐと、グラテミアの部屋まで来て欲しいと頼む。
ベリアはこうなる事を予測していたのか、直ぐにやって来た。

「来たぞ」

「ありがとう、早速だが地図を見て欲しい」

グラテミアが机に広げた地図を見て、調べて欲しいと言う土地との位置関係を確かめる。

「此処だな」

ベリアが指さす場所を見たグラテミアは、露骨に嫌そうな表情をした。

「あぁ、厄介事を押し付けられたわね」

「そこはどんな場所なんです?」

「過去に何度も帝国に侵攻された場所で、今も共和国領だけど荒れ果てているわ」

グラテミアは大きなため息をつくと、2人にその土地の事を簡単に説明する。

「昔はオブリビアと呼ばれていた都市で、ダンジョンもあって発展していたのよ」

「ダンジョンがあるなら、今も都市機能はある筈では?」

「帝国の侵攻時にダンジョンが突如崩壊して、都市としての存在意義を失ったのよ。建物もある程度は残って居るけど、避難した民衆が戻る事は無かったわ」

「つまり、都市を廃棄したと」

「そうよ」

「そんな所に魔力溜まりが出来るのか?」

イズミが椅子に座り考え込むと、ベリアが向かい側の椅子に座る。

「だから、それを直接出向いて調べて欲しいって事だろ」

「だろうな。明日にでも冒険者ギルドで情報収集を頼めるか」

「分かった、ギルド長に聞いてみる」

打ち合わせは終わったので部屋から出ようとしたら、グラテミアに呼び止められる。

「ショートケーキ、お願いしますね」

「直ぐに持ってきますよ。作る事になる料理長の分も一緒に」

「助かります」

イズミはマスタングの居る馬車置き場に向かい、ショートケーキを実体化させる。

「ありがとうな」

マスタングのルーフを優しく撫でたイズミは、ケーキをショルダーバッグに収納し再度グラテミアの部屋へ向かった。

「これがイチゴ…ベリーのショートケーキです」

「綺麗なケーキですね」

部屋には既に料理長もおり、用意されていたテーブルにケーキを取り出した。

「ベリーがこれ程までに甘いとは、驚きです」

「他国に住む同胞に聞いてみましょう、確か似たような果物があった筈です」

グラテミアがレシピ本を取り出し、ページをめくっていくとショートケーキのレシピがある。

「レシピはありますから、素材を確認し作れるように手配しなさい」

「かしこまりました」

料理長は自分の分のケーキを食べ終えると、レシピ本を受取り厨房へと移動する。

イズミも挨拶をして部屋を出ると、背伸びをしながら与えられた部屋へと戻って行った。
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