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第二十五章 オブリビアダンジョン
第四百五十六話 まずはお試しで
オルドリンの目が鋭くなり、御子達は不安そうな表情をする。
いきなり御子の戦闘を想定した話をし始めたのだから、仕方の無い事ではあるが。
「御子様の武器は特別製だ。そう簡単に用意出来る物ではないし、教会ですら用意するのに数年は要する代物だ」
「ご心配無く。用意は出来ますので」
「何故そこまでする?お主は教会の人間では無いと言うのに」
「此方にも色々と事情がありまして。今回はやらずに後悔するより、やれるだけやって後悔する道を選んだだけです」
オルドリンの目をしっかりと見据えて、イズミは迷いなく言い切った。
「事情か…話せる限りで構わない、話してくれないか」
「少しぼかした表現にはなりますが。何も見ていなければこうして行動はしなかったでしょう。見てしまったら最期、それを防ぐ為に行動せざるをえません…ほんの少し、未来の景色を見させられたようなものです」
「未来視か!」
「私が直接見た訳ではありませんが、とても酷いものでした。なので悪足掻きをしようと思い立ったのですよ」
テント内が静まり返る。
新情報が多数出て来たので、理解に時間がかかっているのかもしれない。
「にわかには信じ難いが、武器は直ぐに用意出来る自信があるようだな」
「どのような武器を主に使用しているのか、確認をしてからにはなりますがね」
「その口振りでは、既存品では無いと聞こえるが」
「今回ばかりは私も総力戦を覚悟しているので、手段は尽くしますよ」
イズミは少し時間を貰うとテントを出て、マスタングに乗って戻る。
途中でベリアと合流したので、助手席に乗ってもらうと同時に情報共有をしておく。
「…何かスゲェ話しになってないか?」
「だよな、正直に言って現実味が無さ過ぎる。協力してくれるか?」
イズミは教会のテントの側にマスタングを停めると、降りる前にベリアに確認を取った。
「当然に決まってるだろ!そんな未来を見させられたってのに、行動しないなんて選択は出来ない」
「規模感がおかし過ぎて、俺も心の余裕が無くなってきてるんだ。隣に居てくれると助かる」
「っ!任せてくれ!」
耳と尻尾をピンと立たせたベリアが、胸を張って任されてくれた。
女神様の裏工作があったのかは分からないが、ベリアと出会い旅が出来ている事は、自分にとってかなりの幸運なのかもしれない。
情報共有が出来たのでオルドリンの待つテントへ入ると、ヴィラードも待機していた。
「何を始めるんだ?」
「始める前に1つだけお願いが。これから起きる全ての出来事は、各々が墓場まで持ってゆく秘密にして欲しいのです」
「誰にも死ぬ迄話す事無く、口を閉ざせと?」
オルドリンの疑問も当然ではあるが、これからやろうとしている事が広まると、自分の気楽な旅がままならなくなってしまうのだ。
「オルドリンさん、見張り塔で見せてくれた武器を、此方に入れて下さい。カスタムします」
「これは儂が先代の司祭から受け継いだ武器だ、下手に弄られるのは御免被る」
「見た目や使い勝手は変わりませんよ。能力を向上させるだけです」
全く信じてもらえず、ヴィラードの剣で試す事になった。
「ヴィラードはこの剣より、この前使ってた剣の方が良いのか?」
「そうだな…あの剣の方が使い慣れているが、用意に時間がかかってな」
剣を受け取ったイズミは、マスタングにヴィラードと剣のスキャンをしてもらう。
「どうだ?」
「確かにヴィラード氏はレイピアの方が適性があるようです。この剣の練度は他と比較すると若干低めです」
「ではレイピアで実体化をしよう、ダンジョンの激戦でも刃毀れ1つしないよつな、タフなのが良いかな」
剣をマスタングのトランクへ収納すると、イズミは周囲に遮音魔法をかけるように頼んだ。
カスタムをする際は、かなりの音がするからだ。
約2分後、マスタングのレイピア実体化が完了した。
「魔石と微量のアダマンタイト、ドワーフ特製高耐久合金を使いました」
「…高耐久合金?」
「出処は今は言えません」
買った覚えの無い素材だったので思わず聞き返したが、今はこれ以上の説明は出来ないと判断したようだ。
「完成だ」
「…なんだこの剣は。まるでドワーフの名工の逸品のようだ」
鞘から抜かれたレイピアは、白銀の輝きを月明かりの下に見せつけ、月とヴィラードを刀身に映した。
「付与効果は使用魔法の魔力消費50%カット、使用魔法の威力50%アップです。剣自体は上位のドラゴンの一撃を受けた程度では、折れる事は無いでしょう」
マスタングの簡単な説明を聞いた皆は、愕然としていた。
ヴィラードは試しに剣に魔力を込めてみるが、思っていた以上に魔力の流れ込みが良いのか素振りを始めている。
「この剣であれば、今まで以上の戦い方も出来そうだ」
満足の行く仕上がりのようなので、本題である御子達の武器について確認をする事にしよう。
イズミはヴィラードの事はそっとしておいて、テレジア達の方へ顔を向けた。
いきなり御子の戦闘を想定した話をし始めたのだから、仕方の無い事ではあるが。
「御子様の武器は特別製だ。そう簡単に用意出来る物ではないし、教会ですら用意するのに数年は要する代物だ」
「ご心配無く。用意は出来ますので」
「何故そこまでする?お主は教会の人間では無いと言うのに」
「此方にも色々と事情がありまして。今回はやらずに後悔するより、やれるだけやって後悔する道を選んだだけです」
オルドリンの目をしっかりと見据えて、イズミは迷いなく言い切った。
「事情か…話せる限りで構わない、話してくれないか」
「少しぼかした表現にはなりますが。何も見ていなければこうして行動はしなかったでしょう。見てしまったら最期、それを防ぐ為に行動せざるをえません…ほんの少し、未来の景色を見させられたようなものです」
「未来視か!」
「私が直接見た訳ではありませんが、とても酷いものでした。なので悪足掻きをしようと思い立ったのですよ」
テント内が静まり返る。
新情報が多数出て来たので、理解に時間がかかっているのかもしれない。
「にわかには信じ難いが、武器は直ぐに用意出来る自信があるようだな」
「どのような武器を主に使用しているのか、確認をしてからにはなりますがね」
「その口振りでは、既存品では無いと聞こえるが」
「今回ばかりは私も総力戦を覚悟しているので、手段は尽くしますよ」
イズミは少し時間を貰うとテントを出て、マスタングに乗って戻る。
途中でベリアと合流したので、助手席に乗ってもらうと同時に情報共有をしておく。
「…何かスゲェ話しになってないか?」
「だよな、正直に言って現実味が無さ過ぎる。協力してくれるか?」
イズミは教会のテントの側にマスタングを停めると、降りる前にベリアに確認を取った。
「当然に決まってるだろ!そんな未来を見させられたってのに、行動しないなんて選択は出来ない」
「規模感がおかし過ぎて、俺も心の余裕が無くなってきてるんだ。隣に居てくれると助かる」
「っ!任せてくれ!」
耳と尻尾をピンと立たせたベリアが、胸を張って任されてくれた。
女神様の裏工作があったのかは分からないが、ベリアと出会い旅が出来ている事は、自分にとってかなりの幸運なのかもしれない。
情報共有が出来たのでオルドリンの待つテントへ入ると、ヴィラードも待機していた。
「何を始めるんだ?」
「始める前に1つだけお願いが。これから起きる全ての出来事は、各々が墓場まで持ってゆく秘密にして欲しいのです」
「誰にも死ぬ迄話す事無く、口を閉ざせと?」
オルドリンの疑問も当然ではあるが、これからやろうとしている事が広まると、自分の気楽な旅がままならなくなってしまうのだ。
「オルドリンさん、見張り塔で見せてくれた武器を、此方に入れて下さい。カスタムします」
「これは儂が先代の司祭から受け継いだ武器だ、下手に弄られるのは御免被る」
「見た目や使い勝手は変わりませんよ。能力を向上させるだけです」
全く信じてもらえず、ヴィラードの剣で試す事になった。
「ヴィラードはこの剣より、この前使ってた剣の方が良いのか?」
「そうだな…あの剣の方が使い慣れているが、用意に時間がかかってな」
剣を受け取ったイズミは、マスタングにヴィラードと剣のスキャンをしてもらう。
「どうだ?」
「確かにヴィラード氏はレイピアの方が適性があるようです。この剣の練度は他と比較すると若干低めです」
「ではレイピアで実体化をしよう、ダンジョンの激戦でも刃毀れ1つしないよつな、タフなのが良いかな」
剣をマスタングのトランクへ収納すると、イズミは周囲に遮音魔法をかけるように頼んだ。
カスタムをする際は、かなりの音がするからだ。
約2分後、マスタングのレイピア実体化が完了した。
「魔石と微量のアダマンタイト、ドワーフ特製高耐久合金を使いました」
「…高耐久合金?」
「出処は今は言えません」
買った覚えの無い素材だったので思わず聞き返したが、今はこれ以上の説明は出来ないと判断したようだ。
「完成だ」
「…なんだこの剣は。まるでドワーフの名工の逸品のようだ」
鞘から抜かれたレイピアは、白銀の輝きを月明かりの下に見せつけ、月とヴィラードを刀身に映した。
「付与効果は使用魔法の魔力消費50%カット、使用魔法の威力50%アップです。剣自体は上位のドラゴンの一撃を受けた程度では、折れる事は無いでしょう」
マスタングの簡単な説明を聞いた皆は、愕然としていた。
ヴィラードは試しに剣に魔力を込めてみるが、思っていた以上に魔力の流れ込みが良いのか素振りを始めている。
「この剣であれば、今まで以上の戦い方も出来そうだ」
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