自称病弱の姉に婚約者を奪われたけど、もう気にしない

蒼葉

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第2章

9

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 結果的に、学園長は学園内におられませんでした。
 これは他の先生方にも確認いたしました。

「どうなさいます?」

 始終無言だったマリオが私に問います。

「勿論、お父様に報告をします」

「では、手配を致します」

 懐から何かを取り出して咥えると、息を吹き込む・・・マリオは少し滑稽でした。

「何をしているのです?」

「・・・影を呼んでいるのですよ」

 あ、影を呼ぶ魔道具アイテムだったのですね。

「リリアローズ様・・・」

 半目で見ないで下さい。無知でした。御免なさい。

「いつも持ち歩いているのですか?」

「当然です。護衛の任に就く者には支給されます。主人の側から離れられませんからね」

 あ、そうでした。
 マリオは私の護衛をしているのですね。
 お父様に外していただく様お願い・・・

「外れませんからね」

 ・・・出来ませんね。





 帰宅後。お父様がウィリアムの話を詳しく聞きたい、と執務室に呼ばれました。

「又聞きの様になるかもしれませんが・・・」

「構わない。聞いた内容だけ話してくれるか?」

「はい。実は・・・」

 一連の流れと話をし終えた後、お父様は少し考える風でした。

「引きこもりは最近の事なのだろうか、それともあの日の後からなのか?」

 あの日とは、婚約破棄をした日でしょうか?

「そこまでは詳しく存じません。ただ、学園長が何かご存知かもしれません」

「そうだな。学園長か・・・話を聞くしかあるまい。今回の件が絡んでいる可能性も否定できないからな」

 確かに。
 ウィリアムは姉の第一犠牲者ですからね。
 お父様はセバスチャンに学園長に面会許可の手紙を託します。
 一礼をして出て行くセバスチャンを横目に、お父様は私に顔を向けます。

「学園では、あれからどうだ?」

「変わりありません」

「そ、そうか・・・。まだこんな事件に関わらせてしまって申し訳ないと思っている」

「お父様の所為ではありません。実を言うと、先日から少し怒りがメラメラと・・・」

「り、リリアローズ・・・⁉︎」

「あ、お父様にではありませんよ?どちらかと言えば、あのお二人にです」

 事件の重要参考人の義母と姉。

「呪術玉を使ったとは言え、お義母様はお父様と愛を育んだ筈なのに今回の裏切り。お姉様に至っては、病自体が嘘だったのでしょう?お父様があれ程心配なさっていてのに・・・」

 お父様の愛情と心配を無碍にした。
 かなり苛立ちます。

 一人でプンプン憤慨していると、お父様が抱きつく勢いで横に飛んでこられました。
 飛翔魔法でも獲得なさっているのですか?

「リリアローズはなんて優しいのだろう・・・さすが愛しいティアラローズと私の娘だっ‼︎」

 いえ。優しさというより嫉妬ですね。
 と、お父様に言いませんが。
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