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第2章
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大変・・・気まずいです。
殿下とウィリアムが向かい合う間に私が座っています。
お父様はウィリアムの施術が終わると同時に仕事に向かわれたので、ここにいらっしゃいません。
お茶は王家御用達のものらしいので、大変美味しいです・・・が、殿下の威圧とウィリアムの困惑が私を疲弊させます。
「スラット子息は・・・」
「は、はい」
「リリアローズと婚約を解消したんだよね?」
「・・・そう、ですね」
「なら、遠慮はいらないか」
最後の呟きは小さ過ぎて聞こえませんでした。
聞き返すのも礼儀に反するので問いかける事はしません。
ウィリアムも同じです。
「リリアローズ、後で公爵と話があるんだけど・・・公爵はいつ時間が空いているかな?」
「聞いて来ましょうか?」
「お願い出来る?」
「では、少し席を外す事をお許しください」
「急がなくていいからね」
「はい」
お父様は執務室にいらっしゃるはずです。
そちらに向かう為に応接室を出ます。
扉を開けてくれたマリオがウィリアムに気の毒そうな目線を一瞬だけ見せ、私の後に付き従いました。
「何を言われるやら」
「何がです?」
「いえ。接点のないお二人はどの様な会話をされるのだろうか、と」
マリオの言葉に、思わず遠い目をしてしまいました。
応接室には重苦しい空気が漂う・・・と感じるのはウィリアムだけ。
王太子は王家特有の笑みを浮かべながらカップを傾けていた。
微かな茶器の音がすれば、いつの間にかソーサーに戻されたカップ。
順々に目線を辿れば視線が合ってしまった。
「も、申し訳ございません・・・」
王族と目線を合わす事は禁忌。
顔を凝視する事も許されていない。
一瞬で目線を合わせてしまったウィリアムの顔はサッと青に変わる。
「構わないよ。今は私達だけだし」
「は、はい」
今は、と言う事は今だけ許されたのだ。
「でね。今言っておこうか悩んでいたんだけど・・・」
ニコリと笑うも、目が威圧を放っている。
それを感じたウィリアムの体が震えはじめた。
「私はリリアローズを婚約者にするつもりだ。勿論、父上も母上も賛成している。あ、母上は大賛成か。婚約すっ飛ばして婚姻させようかとか言ってるくらいだし」
いや、それは無理でしょう。と萎縮していながらも、ウィリアムは内心突っ込む。
「で、殿下は既に婚約者が居られるのでは?」
「それ、嫌味?居るわけないだろ?元々私達王家はリリアローズを婚約者にするつもりだったんだから」
「は?」
「初めは学生時代の母上とティアラローズ夫人との間で交わされた他愛無い約束だったらしいが、母上は生まれたばかりのリリアローズを見て本気になったんだ」
「・・・」
「未だに赤子のリリアローズを思い浮かべて可愛いを連発しているよ。最近なんか孫の教育のシミュレーションまで始めているくらいだ」
「孫⁉︎」
婚姻どころか婚約すらしていないのに、気が早すぎる王妃。
呆れビックリな感情は、どうしたらいいのだろうとウィリアムは戸惑いをみせる。
「リリアローズとの子供なら、きっと可愛い子が生まれるだろうね」
「き、気が早いのでは・・・?」
「そうかな。頓挫した計画がまた浮上したからね・・・邪魔されたくはないんだよ」
すっと細められた瞳。
無くならない威圧でウィリアムの体が硬直する。
「幼馴染というだけで婚約者になった君を、殺してやろうかと思ったくらいには憎々しかったけど・・・解消されてよかったよ。あ、君はターミアとかいう女がいいんだろう?一緒になれる様取り図ろうか?」
「い、いいえ・・・結構です・・・」
「そう?気が変わったら教えて?いつでも協力するから」
無邪気に恐ろしい事を提案する王太子。
恐怖で早くリリアローズが帰ってくる事をウィリアムは強く願った。
殿下とウィリアムが向かい合う間に私が座っています。
お父様はウィリアムの施術が終わると同時に仕事に向かわれたので、ここにいらっしゃいません。
お茶は王家御用達のものらしいので、大変美味しいです・・・が、殿下の威圧とウィリアムの困惑が私を疲弊させます。
「スラット子息は・・・」
「は、はい」
「リリアローズと婚約を解消したんだよね?」
「・・・そう、ですね」
「なら、遠慮はいらないか」
最後の呟きは小さ過ぎて聞こえませんでした。
聞き返すのも礼儀に反するので問いかける事はしません。
ウィリアムも同じです。
「リリアローズ、後で公爵と話があるんだけど・・・公爵はいつ時間が空いているかな?」
「聞いて来ましょうか?」
「お願い出来る?」
「では、少し席を外す事をお許しください」
「急がなくていいからね」
「はい」
お父様は執務室にいらっしゃるはずです。
そちらに向かう為に応接室を出ます。
扉を開けてくれたマリオがウィリアムに気の毒そうな目線を一瞬だけ見せ、私の後に付き従いました。
「何を言われるやら」
「何がです?」
「いえ。接点のないお二人はどの様な会話をされるのだろうか、と」
マリオの言葉に、思わず遠い目をしてしまいました。
応接室には重苦しい空気が漂う・・・と感じるのはウィリアムだけ。
王太子は王家特有の笑みを浮かべながらカップを傾けていた。
微かな茶器の音がすれば、いつの間にかソーサーに戻されたカップ。
順々に目線を辿れば視線が合ってしまった。
「も、申し訳ございません・・・」
王族と目線を合わす事は禁忌。
顔を凝視する事も許されていない。
一瞬で目線を合わせてしまったウィリアムの顔はサッと青に変わる。
「構わないよ。今は私達だけだし」
「は、はい」
今は、と言う事は今だけ許されたのだ。
「でね。今言っておこうか悩んでいたんだけど・・・」
ニコリと笑うも、目が威圧を放っている。
それを感じたウィリアムの体が震えはじめた。
「私はリリアローズを婚約者にするつもりだ。勿論、父上も母上も賛成している。あ、母上は大賛成か。婚約すっ飛ばして婚姻させようかとか言ってるくらいだし」
いや、それは無理でしょう。と萎縮していながらも、ウィリアムは内心突っ込む。
「で、殿下は既に婚約者が居られるのでは?」
「それ、嫌味?居るわけないだろ?元々私達王家はリリアローズを婚約者にするつもりだったんだから」
「は?」
「初めは学生時代の母上とティアラローズ夫人との間で交わされた他愛無い約束だったらしいが、母上は生まれたばかりのリリアローズを見て本気になったんだ」
「・・・」
「未だに赤子のリリアローズを思い浮かべて可愛いを連発しているよ。最近なんか孫の教育のシミュレーションまで始めているくらいだ」
「孫⁉︎」
婚姻どころか婚約すらしていないのに、気が早すぎる王妃。
呆れビックリな感情は、どうしたらいいのだろうとウィリアムは戸惑いをみせる。
「リリアローズとの子供なら、きっと可愛い子が生まれるだろうね」
「き、気が早いのでは・・・?」
「そうかな。頓挫した計画がまた浮上したからね・・・邪魔されたくはないんだよ」
すっと細められた瞳。
無くならない威圧でウィリアムの体が硬直する。
「幼馴染というだけで婚約者になった君を、殺してやろうかと思ったくらいには憎々しかったけど・・・解消されてよかったよ。あ、君はターミアとかいう女がいいんだろう?一緒になれる様取り図ろうか?」
「い、いいえ・・・結構です・・・」
「そう?気が変わったら教えて?いつでも協力するから」
無邪気に恐ろしい事を提案する王太子。
恐怖で早くリリアローズが帰ってくる事をウィリアムは強く願った。
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