自称病弱の姉に婚約者を奪われたけど、もう気にしない

蒼葉

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第2章

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 お父様の体が空く時間がないので昼食を取る時にお話をされる事となりました。
 王家と公爵家との会話ですから、申し訳ないけれどウィリアムは客室で取ってもらう事になりました。

 殿下とお父様と私とで食事を終えると、直ぐにセバスチャンが食後のお茶を用意してくれます。
 喉を潤すと、殿下がいきなり爆弾を投下されました。

「公爵、リリアローズと婚約を進めたい」

「・・・は?」

「だから、リリアローズを私の婚約・・・」

「お待ちください。一体、何のお話ですか?」

「私とリリアローズの婚約の話だよ」

「いつからその様な話が出たのでしょう?」

「生まれる前からだ。ティアラローズ夫人から何も聞いていないのか?」

「えーっと・・・」

 ん~・・・?とお父様は記憶を呼び起こしておられます。
 私は初耳なので驚いて固まってしまっています。

「聞いた様な、聞かなかった様な・・・」

「聞いた筈だ。母上は心待ちにしていたのだからな」

「心待ち・・・」

「それをスラット子息と婚約を結んで・・・。当時、母上は激怒なさって、手がつけられなかったそうだ」

「え?は?」

「で?どうなんだ?駄目なのか?」

「あ、いえ。リリアローズは婚約を破棄したばかりですので、すぐという訳には・・・」

「後に婚約を結んでも、問題はないのだな?」

「リリアローズの気持ちが第一です。無理強いでの婚約は許可できません」

 我に返られたお父様は力強く断言して下さいました。

「リリアローズ。この件が終わったら、改めて申し込む。心算こころづもりはしておいて欲しい」

「あ・・・はい」

 急展開に『はい』としか言えず、殿下は至極嬉しそうに私を見つめていらっしゃいます。
 コマッタ。

「で。今回の件を収束早く婚約する為に、父上が王家主催の夜会を開かれる事になった」

「夜会ですか?」

「そう。父上が開くのだから、並大抵の理由がなければほぼ強制参加。貴族が一箇所に集まれば一気に解呪出来るのではないか、との魔術師長の意見だ。但し、これには魔術師全員でやらないと無理だが」

 確かに、殿下のおっしゃっている方法だとウィリアムの様に重症化していない限り一回で解呪できるかもしれません。

「それに、炙り出せるかもしれないし」

 商会長子息様ですね。
 貴族ではないので高位貴族が参加する夜会をなどには参加していないそうなので、一気に解呪するとなると阻止する為に潜り込む可能性があります。

「媒体は判明したのですか?」

「公爵も見ているはずだが?」

「私が?」

「あの女達がいつも身に付けていたものは何だった?」

「装飾品ですか?」

「そう。石は水晶。ターシャはネックレス。ターミアはブレスレットにして身につけている。小さな石らしいから他の装飾品と共に飾ればそれ程目にはつかない」

 あ。確かに、二人は同じ様なネックレスとブレスレットをしていました。

「それらに呪術を込めて発動するのだそうだ。ただ、玉の数だけしか使用回数がない故、その都度つど呪力を込める必要がある」

「では、あちら側にも術者がいると?」

「可能性は大きい。それに・・・」

 コクリと温くなった紅茶を一口口に入れ、殿下の目は先程と違い真剣な目をなさっておられます。

「その術者は、帝国の者のようだ」

 蓋を開ければ次々と新しい事実が飛び出てくるびっくり箱の様な話に、開いた口が塞がりませんでした。
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