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【太聖サイド】
衝撃的な出会い①
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1995年3月
俺は星名太聖。
サッカー部の特待生として高校に入学することになった俺は、中学卒業後まもなくサッカー部寮へ引っ越し、春休みの間から顔合わせを交えて練習に加わることになっていた。
朝6時起床。朝練から始まり、朝飯、昼飯の時間を除いて常にサッカー三昧。晩飯の後はミーティングやビデオ研究などをして夜10時に就寝。
今までもこれからも「俺の人生=サッカー」だ。これほどまでにサッカー漬けの高校生活を送ることができると考えるだけで俺はめちゃくちゃ嬉しかった。
顔合わせから10日が経ち、だいぶチームメイトとも打ち解けた話を出来るようになってきた頃。
「明後日、新1年生はオリエンテーションがある。入学式前の顔合わせや手続き諸々だな。当日も朝練の後で登校してもらうが、クラス分けの発表の中から自分の名前を探すのはひと苦労なので、先にそれぞれのクラスを伝えとくぞ」とコーチ。
それ聞いたことあるぞ。何つってもこんだけバカでかい敷地の中、アホみたいに多人数の生徒がいるらしいからな。自分の名前探すの大変ってどんだけだよ...
「...と、星名はA3だな。大野はA5、アヅマはA1...」
俺のクラスはA3か。どんな奴らがいんのかな。つーか、ぶっちゃけ誰がいようが俺には関係ねぇし、どうせ関わることもほとんどねぇだろうしな...
星名のポジションはゴールキーパーで、フィールド上では皆の司令塔にあたる。そのせいもあってか、性格は落ち着いていて兄貴肌、視野を広く持とうと考えを巡らす無口なタイプであり、必要を感じない人間関係は極力持とうとしない性格だった。
あー、だりぃなぁ...そのオリエンテーションってやつ。
◇
オリエンテーション当日。
朝練から余裕持って抜けたのに、実際に校舎へ行ってみたが迷う迷う。シャワー浴びたのに汗だくじゃねーかよ...
「あ、俺の教室ここだわ。太聖、お先な!(笑)」
大野ちゃんの教室がここってことは、俺の教室は2つ隣だろうから、アッチか!うわ、隣1つしか教室ねーじゃんかよ!どうなってんだよ、このバカでかい校舎は!!
俺の教室は、大野ちゃんの教室から中庭を挟んだ対角線上にあった。やっと!着いた!!
「あーーー、間に合った~~!!」
散々迷った挙げ句に教室へ着いた俺は、まさにゴールしたマラソンランナーのような気分だった。
黒板に貼ってある座席表を確認して自分の机を探そうとするも、他の机は全部生徒が座っていた。そりゃそうか、ギリギリだしな。
ま、俺はサッカーやるためにこの学校入ったし、お前らとはクラスが同じってだけの関係だから特に仲良くするわけでもねぇんだけど......なっ!?
何だ......!?
俺は一瞬、思考が完全に停止した。
あれ、ここって男子校...だよな?
皆と同じブレザー着てるけど、下はスカート履いてるとかじゃねぇよな?
俺は斜め後ろの席に座る奴の注意を惹きたくなり、机の上に勢いよくカバンを下ろした。勢いよく置きすぎてデカイ音を立ててしまったが、教室中が静まりかえってみんな俺に注目していた。よし、結果オーライだ。
俺、コイツと仲良くなりてーな...
俺は星名太聖。
サッカー部の特待生として高校に入学することになった俺は、中学卒業後まもなくサッカー部寮へ引っ越し、春休みの間から顔合わせを交えて練習に加わることになっていた。
朝6時起床。朝練から始まり、朝飯、昼飯の時間を除いて常にサッカー三昧。晩飯の後はミーティングやビデオ研究などをして夜10時に就寝。
今までもこれからも「俺の人生=サッカー」だ。これほどまでにサッカー漬けの高校生活を送ることができると考えるだけで俺はめちゃくちゃ嬉しかった。
顔合わせから10日が経ち、だいぶチームメイトとも打ち解けた話を出来るようになってきた頃。
「明後日、新1年生はオリエンテーションがある。入学式前の顔合わせや手続き諸々だな。当日も朝練の後で登校してもらうが、クラス分けの発表の中から自分の名前を探すのはひと苦労なので、先にそれぞれのクラスを伝えとくぞ」とコーチ。
それ聞いたことあるぞ。何つってもこんだけバカでかい敷地の中、アホみたいに多人数の生徒がいるらしいからな。自分の名前探すの大変ってどんだけだよ...
「...と、星名はA3だな。大野はA5、アヅマはA1...」
俺のクラスはA3か。どんな奴らがいんのかな。つーか、ぶっちゃけ誰がいようが俺には関係ねぇし、どうせ関わることもほとんどねぇだろうしな...
星名のポジションはゴールキーパーで、フィールド上では皆の司令塔にあたる。そのせいもあってか、性格は落ち着いていて兄貴肌、視野を広く持とうと考えを巡らす無口なタイプであり、必要を感じない人間関係は極力持とうとしない性格だった。
あー、だりぃなぁ...そのオリエンテーションってやつ。
◇
オリエンテーション当日。
朝練から余裕持って抜けたのに、実際に校舎へ行ってみたが迷う迷う。シャワー浴びたのに汗だくじゃねーかよ...
「あ、俺の教室ここだわ。太聖、お先な!(笑)」
大野ちゃんの教室がここってことは、俺の教室は2つ隣だろうから、アッチか!うわ、隣1つしか教室ねーじゃんかよ!どうなってんだよ、このバカでかい校舎は!!
俺の教室は、大野ちゃんの教室から中庭を挟んだ対角線上にあった。やっと!着いた!!
「あーーー、間に合った~~!!」
散々迷った挙げ句に教室へ着いた俺は、まさにゴールしたマラソンランナーのような気分だった。
黒板に貼ってある座席表を確認して自分の机を探そうとするも、他の机は全部生徒が座っていた。そりゃそうか、ギリギリだしな。
ま、俺はサッカーやるためにこの学校入ったし、お前らとはクラスが同じってだけの関係だから特に仲良くするわけでもねぇんだけど......なっ!?
何だ......!?
俺は一瞬、思考が完全に停止した。
あれ、ここって男子校...だよな?
皆と同じブレザー着てるけど、下はスカート履いてるとかじゃねぇよな?
俺は斜め後ろの席に座る奴の注意を惹きたくなり、机の上に勢いよくカバンを下ろした。勢いよく置きすぎてデカイ音を立ててしまったが、教室中が静まりかえってみんな俺に注目していた。よし、結果オーライだ。
俺、コイツと仲良くなりてーな...
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