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第1章 転生
探る者たち(後)
しおりを挟むトン トトトン
ノックに続けてするりと入室する男が1人。
「マシュー、そっちはどうじゃった?」
「印はどこにもなかったわ」
「やはりの」
「そっちはどうじゃ?お館様の死因は?」
「ノクマリ草の毒じゃ」
「そうか…」
「あたしはこれからお館様の腹を持ってサイラスの元へ行く」
「わかった」
厩の爺マシューの言葉に続いて、モンデール神父が苦々しく呟いた。
「マシューの話が本当になったな。だがなんとしてもショーン様だけは助けるぞ!」
「「もちろんじゃ」」
深くうなづき合う3人であった。
「ではお館様、失礼しますぞ」
「お館様、すぐに済みますからの」
遺体を前にモンデール神父が何かを呟く。
浮遊魔法にて宙に浮かぶアレックス・ヴィンサンダー伯爵の体。
薬師ルキアが血で汚れないよう服を剥ぎ、慣れた手つきで腹を裂いた。
毒物が入っていると思われる胃を瓶に収納し、腹を元に戻す。
痕跡は残らない。
北の辺境伯アレックス・ヴィンサンダーの遺体を前に。
3人の初老の男女がいる。
厩の爺こと、斥候マシュー。
タンクにして聖魔法使いのモンデール神父。
薬師の婆さんこと、近接戦闘支援のルキア。
王都のサイラスなる人物を含めて。
アレックス・ヴィンサンダー辺境伯若かりし頃。
冒険者として、また、武人としてのイロハを叩き込んだ先達冒険者チーム「鷹の爪」。
20数年前。王国中に名を馳せたA級冒険者チームである。
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