性奴隷『性』活が始まったので逆らわずに生きていこうと思った……んだけれど思ったより気持ち良い『性』活が送れそうなので頑張りたいです。

冬生羚那

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プロローグ

買われちゃった

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「シーナ、こちらにおいで」
「は、はい……ゴシュジンサマ……」

 でっかいお屋敷をぽかーんと見上げていたら『御主人様』がくすくすと笑いながらわたしを呼んだ。
 わたし……奴隷として買われてしまいました……!

 まず、意識を取り戻したわたしは、牢屋のような所にいた。
 突然の展開に驚いて叫んでしまったのだが、そこに居た商人に怒られそうになった時、わたしを買ってくれるという人が現れた。
 それが『御主人様』である。

 御主人様は鼻血ものの美形でした。
 くっきり二重にすっと通った鼻筋、少し薄い唇は紅くて色っぽい。
 身長も高かいのか、わたしが並ぶと御主人様の肩ぐらいまでしか届かない。
 わたしの身長がわかんないけど。
 細身に見えるけれど、肩幅もあるし、手足は長い。
 腰までの長さの蒼い髪を全て上げて、首の後ろで1つに結んでいる。
 きりっとした瞳は碧色だ。

 わたしの見た目?
 実はわからないんです。
 鏡見てないから……!
 ただ、胸元まである髪の毛は黒色で真っ直ぐなストレートなのは見えた。
 なんだか埃っぽいけれど。
 肌も白くて指も細い。
 汚れてるけど。
 自分の身体を見下ろせば、多少は膨らんでいる乳。
 腰は括れているけれど、お尻も薄い。
 これは自分で触って確認しました。
 脚も細くて、はたから見たらスレンダーか、栄養の足りていない子だろう。
 そして思う。

 この身体誰のだろうね!?

 だって柊椎奈の髪は、長さは同じぐらいだけどブリーチしてて茶色っぽい色だったし、パーマかけててウェーブかかってたし、肌もこんなに白くなかった。
 乳はまあ……もう少しはあったけど、ウエストだってお尻だってお察し物件だったもん。

 …………くっ、泣いてないから。

 そんなわたしを買った御主人様は、どうやらお金持ちらしく、商人はしきりに違う奴隷を奨めていた。
 そんな商人の声を無視してわたしを買った理由はまだわかりません。
 ……わからないことが多すぎてどうしたものか……。
 せめて状況の一部分でもわかれば……とか思ったけれど、今このお屋敷に着くまでに馬車だったり、そこかしこに剣を腰に下げた人だったり、けもみみが見えたりしたのでオーバーヒート起こしてます。

 部屋から牢屋に移動してたし、ここどう見ても日本じゃないしでもうどうしようもないですね。
 解決方法がわたしには一切思い浮かびません。

 考えるだけ無駄な気がしてきた。
 とりあえず、わたしは奴隷である。
 御主人様に逆らえば、捨てられる売られる殺される、という可能性がある。
 …………り、理不尽な要求をしてくる人じゃありませんように!!!
 全力で神頼みをしておく。

 とりあえず今の所生きていたいと思ってるんです!
 やっとブラック企業から脱出出来て、少しでも楽しい人生を送りたいと思っているんです!
 せめて、せめて命の危険はありませんように!

 御主人様の後ろから屋敷に入ると二人のメイドさん。
 ……メイドさんなんだけど……それはいいんだけど……何か違和感を感じるのは気の所為だろうか。
 首を傾げそうになるのを堪え、二人に頭を下げる。
 にっこりと微笑んでくれるんだけど、ね。
 一体何が違和感を感じる原因なのかはわからない。
 答えが出ないまま御主人様から代わって、メイドさんの1人──名前はジェイというらしい──につれられて、お風呂場に移動しました。
 脱衣場でおどおどし始めるわたしからスポーンと衣服や下着を剥ぎ取ったその手腕は見事だと言わざるを得ない。
 いや、呆然としていたわたしから脱がすのは簡単だったかも?
 ……いやいや、どうやってパンツ脱がしたの?
 もう脱がされた後だからあれだけど。
 そして放り込まれた風呂場にぽつーんと佇んでいます。

 いや、佇んでいる暇はない。
 風呂場に連れてこられたということは、体を綺麗にしろということだろう。
 確かに自分で見た感じでも薄汚れていると思う。
 御主人様がどんな性格か、とかわからない内は神経を逆撫でするようなことは控え、従順でいるべきだろう。

 風呂場を見渡せば、はっきり言って豪華の一言だと思う。
 剣を持った人や、けもみみという『現代日本』とはかけ離れた世界であるみたいだが、風呂場は明かりが点っていて明るく──ランプシェードは花の形をしていて、台座は細かい飾りが彫り込まれていた──白い石が敷き詰められた洗い場は広く、数人が一緒に並んで体を洗ってもお互いがぶつからなさそうだ。

 そして何かマットレスみたいなものがあって、それが異質に感じる。
 いやだって、洗い場にマットレス置いてあるんだよ?
 何に使うの?
 ここで横になるの?
 そう一瞬考えて、過去に読んだマンガの内容が浮かんだ。
 ラブホテルの風呂場にこんなマットレスがあって、ぬるぬるプレイを愉しむ内容だった。
 ……わたしが使うんじゃないから!

 なんだかありえない事態が続いたせいで混乱しているのか、否定したくなって頭を左右に振り、思考を切り替える。
 そして視線を向けた壁際に置かれた棚には、幾つもの瓶が並んでいてカラフルだ。
 その棚には花瓶で花も飾られている。
 花ってお風呂場でも大丈夫なのかな?
 瓶を手に持ってみるとガラス製でそれぞれに色づいている。
 中身はとろっとした液体だったりさらさらした液体だったりした。
 流石に中身が何かわからない状態で出す訳にいかない──勿体無い──から、瓶を軽く振って確かめただけだ。

 そして湯気で若干見にくい浴槽は、近付いて見ると床と同じ石で出来ているようだった。
 等間隔で、浴槽の周りにも花が飾られている。
 浴槽の中のお湯が少し濁っていて、底まではよく見えなかった。
 だが、浴槽の広さはわかった。
 どう見てもデカすぎる。
 わたしの住んでた部屋のお風呂が、洗い場も含めて5つ以上分はある。
 ちょっと贅沢過ぎる風呂場に考えるのが怖くなってきた。
 値段的な意味でね。

「そうだ、体洗わないと……」

 そうして洗い場の壁にあるシャワーを浴びて全身を濡らした所で気が付いた。
 あのメイドさん、ゲームのオープニングに出てたシルエットに似てるんじゃない?
 シルエットだったけど、メイドさんを真っ黒にしたらほぼ一致するよ。

 そうか、違和感じゃなくて既視感だったのか。
 いやぁ、勘違い勘違い、てへぺろー。

 とか考えていたらジェイさんが入ってきて、全身洗われるハメになった。
 必死に抵抗したんだけど、にっこり微笑むジェイさんに逆らい切れませんでした。
 ジェイさんは色々持ち込んで来て、わたしをつま先から頭の天辺までをピッカピカに磨き上げてくれた。
 埃っぽかった髪はツヤツヤのさらさらで、かさついていた肌はしっとりモチモチになったのだ。
 洗われた後に色々塗り込まれたんですよ、はい。
 マンガとかで見たことある『高貴な人のマッサージ付きお風呂タイム』のシーンを思い出した。
 わたし奴隷だけどね。
 もう2度とこんな贅沢なお風呂は味わえないんだろうな……。
 あ、マッサージは2度と味わいたくないです、はい。
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