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キューピッドと歩兵銃
愛の神に起こされる
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「そう。『そんな風には思ってもいなかった』って。何なのよあの思わせぶりな態度は!!」
麻美は全く納得していなかった。高畠翔は思わせぶりな態度をとったのではなく、誰に対しても優しい男だったのだ。ここにきて麻美もうすうすそれに気が付きだしていたが、それを認めたくはなかった。
収まった怒りがまたふつふつとこみ上げてきそうになった。
麻美はその怒りは抑えて、キューピッドにこれまでの高畠翔との間にあった出来事を思いつくままに語りだした。
キューピッドはそれを嫌な顔一つせずに、黙ってうなずいて聞いていた。
たまに麻美の気持ちを確認するかのように何度か麻美に「本当に彼で良いんだな?」と聞いてきた。
そのたびに麻美は頷いていた。
気が付いたらもう少しで夜が明ける時間だった。
「少しは寝た方が良いよ」
「だって……」
「大丈夫。ちゃんと起こしてあげるから」
キューピッドはそういうと麻美をベッドに寝かせた。そして麻美の頭を軽く撫でて
「ゆっくりと、深く深く眠りにつきなさい。夜の神ニュクスが君を優しく迎え入れてくれることだろう。良い夢が君に訪れん事を……」
と耳元で囁いた。
その声を聴きながら麻美は深い眠りに落ちた。
「麻美、麻美……起きて」
夢の中で麻美は頭を撫でられていた。誰に撫でられているかは判らなかったがとっても気持ちい夢だった。
頭を撫でられながら耳元で自分の名前を優しく呼ばれた気がした。
麻美は目が覚めた。目の前にはイケメンのキューピッドが優しく微笑んでいた。
カーテンの切れ間から朝日が差し込んで部屋の中はほんのりと明るかった。
愛の神に微笑みながら起こされるなんて……まるで天国に来たよう……と麻美は寝ぼけた頭でそう感じていた。
「やっぱり神様に起こされると目覚めもさわやかね」
麻美はゆっくりと体を起こした。
キューピッドはその背中に優しく手を差し伸べて
「そう?まあ。夜の神ニュクスが麻美を眠りの世界に導いてくれたからね。さ。出かける用意をしておいで。ご飯もちゃんと食べてくるんだよ。僕はここで待っているから」
と言った。
「うん。分かった。顔洗ってからご飯食べる」
そういうと麻美はベッドから抜け出すと部屋を出て行った。
部屋の扉の前で
「すぐに戻ってくるから」
と言ったがキューピッドは
「時間はあるから慌てなくていいよ」
と笑いながら応えた。
その笑顔を見ると麻美は本当に穏やかな気持ちになれた。
こんな気持ちのいい目覚めは初めてかもしれない。そう思いながら麻美は扉を静かに閉めた。
麻美の家を出た二人は並んで歩いていた。
「なんかこんなイケメンと歩くなんてちょっと恥ずかしいな」
と麻美がキューピッドを見上げて言った。
「大丈夫だよ。他の人間には僕の姿は見えないから」
「え?そうなの?なぁ~んだ。それは少し残念」
「これから愛の矢を……いや、愛の弾丸を撃ちに行くのにそんな姿を見られるわけにはいかないだろう?」
「まあ、そうねえ。でも歩いているだけだったら単なるイケメンとしか誰も思わないわよ」
「ふむ。それもそうか……」
そういうとキューピッドは姿を現した。麻美は最初から見えているのでその変化は分からなかったが、歩いて数分で後悔し始めた。
行き交う人やすれ違う人が、みな全てキューピッドをしげしげと見るのだった。
やはり愛の神様のような殿上人の姿は常人離れした美しさだった。すれ違う人々は彼の顔、姿を見てため息交じりに感心し、そのあと横を一緒に歩いている麻美を見て落胆したような表情をした。
麻美は全く納得していなかった。高畠翔は思わせぶりな態度をとったのではなく、誰に対しても優しい男だったのだ。ここにきて麻美もうすうすそれに気が付きだしていたが、それを認めたくはなかった。
収まった怒りがまたふつふつとこみ上げてきそうになった。
麻美はその怒りは抑えて、キューピッドにこれまでの高畠翔との間にあった出来事を思いつくままに語りだした。
キューピッドはそれを嫌な顔一つせずに、黙ってうなずいて聞いていた。
たまに麻美の気持ちを確認するかのように何度か麻美に「本当に彼で良いんだな?」と聞いてきた。
そのたびに麻美は頷いていた。
気が付いたらもう少しで夜が明ける時間だった。
「少しは寝た方が良いよ」
「だって……」
「大丈夫。ちゃんと起こしてあげるから」
キューピッドはそういうと麻美をベッドに寝かせた。そして麻美の頭を軽く撫でて
「ゆっくりと、深く深く眠りにつきなさい。夜の神ニュクスが君を優しく迎え入れてくれることだろう。良い夢が君に訪れん事を……」
と耳元で囁いた。
その声を聴きながら麻美は深い眠りに落ちた。
「麻美、麻美……起きて」
夢の中で麻美は頭を撫でられていた。誰に撫でられているかは判らなかったがとっても気持ちい夢だった。
頭を撫でられながら耳元で自分の名前を優しく呼ばれた気がした。
麻美は目が覚めた。目の前にはイケメンのキューピッドが優しく微笑んでいた。
カーテンの切れ間から朝日が差し込んで部屋の中はほんのりと明るかった。
愛の神に微笑みながら起こされるなんて……まるで天国に来たよう……と麻美は寝ぼけた頭でそう感じていた。
「やっぱり神様に起こされると目覚めもさわやかね」
麻美はゆっくりと体を起こした。
キューピッドはその背中に優しく手を差し伸べて
「そう?まあ。夜の神ニュクスが麻美を眠りの世界に導いてくれたからね。さ。出かける用意をしておいで。ご飯もちゃんと食べてくるんだよ。僕はここで待っているから」
と言った。
「うん。分かった。顔洗ってからご飯食べる」
そういうと麻美はベッドから抜け出すと部屋を出て行った。
部屋の扉の前で
「すぐに戻ってくるから」
と言ったがキューピッドは
「時間はあるから慌てなくていいよ」
と笑いながら応えた。
その笑顔を見ると麻美は本当に穏やかな気持ちになれた。
こんな気持ちのいい目覚めは初めてかもしれない。そう思いながら麻美は扉を静かに閉めた。
麻美の家を出た二人は並んで歩いていた。
「なんかこんなイケメンと歩くなんてちょっと恥ずかしいな」
と麻美がキューピッドを見上げて言った。
「大丈夫だよ。他の人間には僕の姿は見えないから」
「え?そうなの?なぁ~んだ。それは少し残念」
「これから愛の矢を……いや、愛の弾丸を撃ちに行くのにそんな姿を見られるわけにはいかないだろう?」
「まあ、そうねえ。でも歩いているだけだったら単なるイケメンとしか誰も思わないわよ」
「ふむ。それもそうか……」
そういうとキューピッドは姿を現した。麻美は最初から見えているのでその変化は分からなかったが、歩いて数分で後悔し始めた。
行き交う人やすれ違う人が、みな全てキューピッドをしげしげと見るのだった。
やはり愛の神様のような殿上人の姿は常人離れした美しさだった。すれ違う人々は彼の顔、姿を見てため息交じりに感心し、そのあと横を一緒に歩いている麻美を見て落胆したような表情をした。
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