プリンス様は下僕様

第２話 壊れてしまった日常

前半ー３―

「混ざり者を混ざり者と呼んで何が悪い？
いいから、さっさと退け、邪魔だ！！！」
　彼は退けと言いながら、ローズ・マリーを片手で払った。

　面倒くさい奴に召喚されたなと思いながら、折角、人間界に来たんだからひと暴れするのも一興か。
彼はそんな事に思いを巡らせた。

「確かに私はハーフ・エルフ。
でもそれはお母様とお父様が種族を超えて愛し合った証」

　彼に払われて床に倒れていたローズ。マリーは、強く自分の手を握った。

「私を”混ざり者”と言ったな、この悪魔！！
それは私だけではなく、お母様とお父様を侮辱する意味もある」
　戦慄きながらローズ・マリーは叫ぶ。
そんなローズ・マリーを見て、彼は言った。

「種族を超えた愛なんて下らない。
単なる熱病に掛かったのを恋に落ちたのと勘違いした愚か者どもだ」

　その言葉にローズ・マリーは怒り心頭に発した。


「お母様とお父様を愚弄することおは誰であっても、私が許さない！！！」