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6月
本屋にて
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ある日の放課後。涼香と涼音は本屋に来ていた。電車を途中下車して、ショッピングモールに入っている本屋に。
「今日はなにを買いに来たんですか?」
特に今日は漫画の新刊の発売日でもないし、本屋に来る用事は無かったはず。
そんなことを思いながら涼音が本屋の奥へと進む涼香についていく。
真新しい紙の香りが漂う静かな空間。中心を通る広い通路の横に涼音の背丈よりもはるかに高い書架が等間隔に並んでおり、数多くの細い道を作る。
平日の夕方の本屋には客の姿はほとんど無い。そんば広い通路を二人は進む。
「面白そうな漫画でも見つけたんですか?」
本屋の中は、入口に近い場所で話題になっている本、ドラマ化やアニメ化、大人気漫画の新刊などが陳列されてある。少し中に入ると、広い通路の両端にファッション誌や文芸誌などの書架がある。
二人はその通路を素通りして、本屋の一番奥にある漫画コーナーへと向かう。
「別に今日は漫画を買いに来たわけではないのよ」
そう言って涼香は立ち止まる。立ち止まったのは漫画コーナーの入口、新刊が積まれているテーブルの前だ。
「涼音、お腹が痛くなってきたかしら?」
「いえ別に」
急になに言ってるんですか? と首を捻る涼音の姿に、涼香は腕を組んで眉根を寄せている。
「本屋に来るとお腹が痛くなったりするでしょう?」
「確かに聞いたことありますね」
「あれには名前があるのよ」
「へー。どうでもいいです」
「冷たいわね」
「そう言う先輩はどうなんですか?」
涼音が投げやりに聞き返す。
「全く痛くならないわね」
「帰っていいですか?」
「そうね」
あっさりと頷いた涼香と共に本屋を後にする。
青木まりこ現象を確かめるために本屋へ涼音を連れてきた涼香、お腹が痛くならなければ、もう本屋に留まる理由は無い。
帰ろうとした涼音だったが、せっかく途中下車したのだからもう少しなにかしたかった。
「ゲームセンター寄りましょうよ」
そう涼音は提案する。多分涼香ならその提案に乗ってくれるであろう。
「もちろんよ」
こうしていつも通りの緩慢な放課後が過ぎていく。
「今日はなにを買いに来たんですか?」
特に今日は漫画の新刊の発売日でもないし、本屋に来る用事は無かったはず。
そんなことを思いながら涼音が本屋の奥へと進む涼香についていく。
真新しい紙の香りが漂う静かな空間。中心を通る広い通路の横に涼音の背丈よりもはるかに高い書架が等間隔に並んでおり、数多くの細い道を作る。
平日の夕方の本屋には客の姿はほとんど無い。そんば広い通路を二人は進む。
「面白そうな漫画でも見つけたんですか?」
本屋の中は、入口に近い場所で話題になっている本、ドラマ化やアニメ化、大人気漫画の新刊などが陳列されてある。少し中に入ると、広い通路の両端にファッション誌や文芸誌などの書架がある。
二人はその通路を素通りして、本屋の一番奥にある漫画コーナーへと向かう。
「別に今日は漫画を買いに来たわけではないのよ」
そう言って涼香は立ち止まる。立ち止まったのは漫画コーナーの入口、新刊が積まれているテーブルの前だ。
「涼音、お腹が痛くなってきたかしら?」
「いえ別に」
急になに言ってるんですか? と首を捻る涼音の姿に、涼香は腕を組んで眉根を寄せている。
「本屋に来るとお腹が痛くなったりするでしょう?」
「確かに聞いたことありますね」
「あれには名前があるのよ」
「へー。どうでもいいです」
「冷たいわね」
「そう言う先輩はどうなんですか?」
涼音が投げやりに聞き返す。
「全く痛くならないわね」
「帰っていいですか?」
「そうね」
あっさりと頷いた涼香と共に本屋を後にする。
青木まりこ現象を確かめるために本屋へ涼音を連れてきた涼香、お腹が痛くならなければ、もう本屋に留まる理由は無い。
帰ろうとした涼音だったが、せっかく途中下車したのだからもう少しなにかしたかった。
「ゲームセンター寄りましょうよ」
そう涼音は提案する。多分涼香ならその提案に乗ってくれるであろう。
「もちろんよ」
こうしていつも通りの緩慢な放課後が過ぎていく。
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