120 / 973
5月 体育祭編
借り物競争の後にて
しおりを挟む
借り物競争を終えた後、涼香はスポーツドリンクを持って、どこかで休んでるであろう涼音を探すことにした。
しかし、涼音を探そうと少し歩くと。
「水原先輩! 写真撮らせてください!」
――Ⅴサイン。
なかなか自由に動けなかった。
(涼音はどこにいるのかしら……?)
下級生の対応をしながら、涼音を探すが見当たらない。もしかすると人目のつかない場所にいるのではないか、そう思ったがやはり自由に動けない。
そんな涼香を見かねたのか。
「涼香ー、先生呼んでるよー」
クラスメイトの一人が涼香を呼ぶ声が聞こえた。
「ごめんなさい。呼ばれたみたい」
下級生には申し訳ないが呼び出しを無視する訳にはいかない。
道を開けてくれる下級生の間を通って、涼香は声のした方に向かう。
涼香がやってくるのを見たクラスメイトは、校舎を指で示す。
「涼音ちゃんあっちに行ったよ」
「やっぱり体調が悪いのかしら?」
既に先生に呼ばれた、ということを忘れている様子。まあ先生に呼ばれた、というのは嘘なのだから忘れていても問題は無い。
「もしなにかあったら呼んで」
クラスメイトはそう言って涼香のスマホを手渡す。
「ありがとう、行ってみるわ」
涼音は借り物競争の後、自分の学年の席にも、三年生の席にも行かずにグラウンドから離れていた。
グラウンドから身を隠すように、校舎の陰で腰を下ろしていた涼音はため息とともに言葉を漏らす。
「めっちゃ目立ったし……」
さっきの借り物競争、目立つのを承知で涼香を借りに行ったが、やはり慣れないことはしたくない。
しかも転びそうになって涼香に受け止めてもらったし、涼香に借りられたりしたしで、なおさら目立った。もう戻るのが嫌だった。絶対に話しかけられる。
そんなことを考えて意気消沈していると。
「こんな場所にいたのね」
「うわ、先輩だ」
三年生のフォローで上手く抜け出してきたのだろう涼香がいた。
「来たわよ。やっぱりしんどいの?」
涼音の隣に腰を下ろした涼香がスポーツドリンクを手渡す。
「ありがとうございます。しんどいってゆーか疲れましたね」
「私の方が疲れているわよ」
なぜか涼香は張り合ってくる。おまけにもたれてくる。
涼音は精神的に疲れているのだが、涼香はお構いなしだった。
「明日筋肉痛ですね」
「そこまで運動不足ではないわよ!」
「えぇ……」
体育祭の盛り上がった空気に影響されたのか、少しテンションが高めの涼香であった。
しかし、涼音を探そうと少し歩くと。
「水原先輩! 写真撮らせてください!」
――Ⅴサイン。
なかなか自由に動けなかった。
(涼音はどこにいるのかしら……?)
下級生の対応をしながら、涼音を探すが見当たらない。もしかすると人目のつかない場所にいるのではないか、そう思ったがやはり自由に動けない。
そんな涼香を見かねたのか。
「涼香ー、先生呼んでるよー」
クラスメイトの一人が涼香を呼ぶ声が聞こえた。
「ごめんなさい。呼ばれたみたい」
下級生には申し訳ないが呼び出しを無視する訳にはいかない。
道を開けてくれる下級生の間を通って、涼香は声のした方に向かう。
涼香がやってくるのを見たクラスメイトは、校舎を指で示す。
「涼音ちゃんあっちに行ったよ」
「やっぱり体調が悪いのかしら?」
既に先生に呼ばれた、ということを忘れている様子。まあ先生に呼ばれた、というのは嘘なのだから忘れていても問題は無い。
「もしなにかあったら呼んで」
クラスメイトはそう言って涼香のスマホを手渡す。
「ありがとう、行ってみるわ」
涼音は借り物競争の後、自分の学年の席にも、三年生の席にも行かずにグラウンドから離れていた。
グラウンドから身を隠すように、校舎の陰で腰を下ろしていた涼音はため息とともに言葉を漏らす。
「めっちゃ目立ったし……」
さっきの借り物競争、目立つのを承知で涼香を借りに行ったが、やはり慣れないことはしたくない。
しかも転びそうになって涼香に受け止めてもらったし、涼香に借りられたりしたしで、なおさら目立った。もう戻るのが嫌だった。絶対に話しかけられる。
そんなことを考えて意気消沈していると。
「こんな場所にいたのね」
「うわ、先輩だ」
三年生のフォローで上手く抜け出してきたのだろう涼香がいた。
「来たわよ。やっぱりしんどいの?」
涼音の隣に腰を下ろした涼香がスポーツドリンクを手渡す。
「ありがとうございます。しんどいってゆーか疲れましたね」
「私の方が疲れているわよ」
なぜか涼香は張り合ってくる。おまけにもたれてくる。
涼音は精神的に疲れているのだが、涼香はお構いなしだった。
「明日筋肉痛ですね」
「そこまで運動不足ではないわよ!」
「えぇ……」
体育祭の盛り上がった空気に影響されたのか、少しテンションが高めの涼香であった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ほのぼの学園百合小説 キタコミ!
水原渉
青春
ごくごく普通の女子高生の帰り道。
帰宅部の仲良し3人+1人が織り成す、ほのぼの学園百合小説。
♪ 野阪 千紗都(のさか ちさと):一人称の主人公。帰宅部部長。
♪ 猪谷 涼夏(いのや すずか):帰宅部。雑貨屋でバイトをしている。
♪ 西畑 絢音(にしはた あやね):帰宅部。塾に行っていて成績優秀。
♪ 今澤 奈都(いまざわ なつ):バトン部。千紗都の中学からの親友。
※本小説は小説家になろう等、他サイトにも掲載しております。
★Kindle情報★
1巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B098XLYJG4
2巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B09L6RM9SP
3巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B09VTHS1W3
4巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B0BNQRN12P
5巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B0CHFX4THL
6巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B0D9KFRSLZ
7巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B0F7FLTV8P
Chit-Chat!1:https://www.amazon.co.jp/dp/B0CTHQX88H
Chit-Chat!2:https://www.amazon.co.jp/dp/B0FP9YBQSL
★YouTube情報★
第1話『アイス』朗読
https://www.youtube.com/watch?v=8hEfRp8JWwE
番外編『帰宅部活動 1.ホームドア』朗読
https://www.youtube.com/watch?v=98vgjHO25XI
Chit-Chat!1
https://www.youtube.com/watch?v=cKZypuc0R34
イラスト:tojo様(@tojonatori)
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる