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7月
休み時間の三年生の教室にて 7
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ある日のこと。
「もうすぐで涼音の誕生日よ」
いつぞや休み時間のように、練度の高い連携で涼香の話を聞く体勢になるクラスメイト。一人のクラスメイトはドアを閉めて、またある生徒はカーテンを閉める。これは極秘会議なのだ。
悠然と教卓へと歩いて行く涼香。その姿にクラスメイト達は背筋を伸ばす。
バンっ――と教卓を叩いて、涼香は大事なことなので二回言う。
「もうすぐで! 涼音の! 誕生日よ!」
無言で頷くクラスメイト達。その中の若菜が手を挙げる。
「発言を許可するわ」
「私たちはなにをすればいいの」
若菜はなんとなくの雰囲気でそれっぽいことを言えるという特技を持っている。
今の言葉も教室内を満たすなんとなくの雰囲気で発した言葉だった。
「いい質問ね」
涼香はふっと笑う。
「サプライズよ!」
カッカッカッと黒板に『涼音のバースデーサプライズ☆』と書く。
「バースデー?」「サプライズ⁉」
クラスメイト達もそれっぽく乗っかってみる。
「そう、サプライズ。来たる七月十五日、涼音の誕生日。放課後、この教室でサプライズしようと思うの」
いつになく真剣な表情の涼香にクラスメイト達は戸惑ってしまう。
「それに力を貸してほしいの。お願い」
真剣な表情の涼香が頭を下げるとクラスメイト達が騒めく。
「明日隕石が落ちるんだ……」「恐怖の大魔王が降臨するの⁉」「天変地異が起きる!」「あばばばば」「本物の涼香はどこよ‼」
「ちょっと待ちなさい。私に失礼ではないかしら?」
「いやだって、水原が頭を下げることなんてドジった時ぐらいだし……」
「まったく。あなたたちは私のことをなんだと思っているのよ」
「「「「「「「問題児」」」」」」」
満場一致であった。
「その話は前に決着がついたはずよ。問題児はあなたたちの方よ」
涼香は髪を払うと話を戻す。
「涼音のサプライズ。みんな快く引き受けてくれるみたいだし、少し盛大にやりたいの」
クラスメイト達はなにが快くだよ、と涼香に尖った鉛筆をぶん投げたい衝動に駆られたが、涼音のためだということでその気持ちをグッとこらえる。
「詳しいことは資料を作ってきたわ。それを見なさい」
そう言うと涼香はスマホをタップ。クラスのグループにデータを送る。
「もしなにか分からないことがあれば個人で聞きに来なさい。涼音の誕生日過去十六年分のデータと交えて教えてあげるわ」
これにて終了と、涼香は教卓を後にする。それは授業開始のチャイムが鳴る寸前だった。
「もうすぐで涼音の誕生日よ」
いつぞや休み時間のように、練度の高い連携で涼香の話を聞く体勢になるクラスメイト。一人のクラスメイトはドアを閉めて、またある生徒はカーテンを閉める。これは極秘会議なのだ。
悠然と教卓へと歩いて行く涼香。その姿にクラスメイト達は背筋を伸ばす。
バンっ――と教卓を叩いて、涼香は大事なことなので二回言う。
「もうすぐで! 涼音の! 誕生日よ!」
無言で頷くクラスメイト達。その中の若菜が手を挙げる。
「発言を許可するわ」
「私たちはなにをすればいいの」
若菜はなんとなくの雰囲気でそれっぽいことを言えるという特技を持っている。
今の言葉も教室内を満たすなんとなくの雰囲気で発した言葉だった。
「いい質問ね」
涼香はふっと笑う。
「サプライズよ!」
カッカッカッと黒板に『涼音のバースデーサプライズ☆』と書く。
「バースデー?」「サプライズ⁉」
クラスメイト達もそれっぽく乗っかってみる。
「そう、サプライズ。来たる七月十五日、涼音の誕生日。放課後、この教室でサプライズしようと思うの」
いつになく真剣な表情の涼香にクラスメイト達は戸惑ってしまう。
「それに力を貸してほしいの。お願い」
真剣な表情の涼香が頭を下げるとクラスメイト達が騒めく。
「明日隕石が落ちるんだ……」「恐怖の大魔王が降臨するの⁉」「天変地異が起きる!」「あばばばば」「本物の涼香はどこよ‼」
「ちょっと待ちなさい。私に失礼ではないかしら?」
「いやだって、水原が頭を下げることなんてドジった時ぐらいだし……」
「まったく。あなたたちは私のことをなんだと思っているのよ」
「「「「「「「問題児」」」」」」」
満場一致であった。
「その話は前に決着がついたはずよ。問題児はあなたたちの方よ」
涼香は髪を払うと話を戻す。
「涼音のサプライズ。みんな快く引き受けてくれるみたいだし、少し盛大にやりたいの」
クラスメイト達はなにが快くだよ、と涼香に尖った鉛筆をぶん投げたい衝動に駆られたが、涼音のためだということでその気持ちをグッとこらえる。
「詳しいことは資料を作ってきたわ。それを見なさい」
そう言うと涼香はスマホをタップ。クラスのグループにデータを送る。
「もしなにか分からないことがあれば個人で聞きに来なさい。涼音の誕生日過去十六年分のデータと交えて教えてあげるわ」
これにて終了と、涼香は教卓を後にする。それは授業開始のチャイムが鳴る寸前だった。
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