160 / 974
7月15日 涼音の誕生日編
涼音のバースデーサプライズ☆にて
しおりを挟む
涼音を追って階段を下り、一階にやって来た頃。
「あら?」
「どうしたんですか?」
突如立ち止まった涼香に、涼音は怪訝な顔をする。
「忘れ物をしてしまったわ」
涼香はいつもスッカスカのリュックをポムポム叩いている。
「えぇ……」
「取りに戻るわ」
顔をしかめる涼音に背を向けて涼香は教室へ戻ろうとすると。
「しょうがないですね」
涼音が階段を駆け上がり、ほら早く、と涼香の手を引いて階段を上がっていく。
他の生徒とぶつからないように、転んでしまわないように、涼音は慎重に階段を上がっていく。
涼音は一刻も早く家へ帰りたかった。
今日は自分の誕生日、毎年涼香がお祝いしてくれるのだ。今日も朝から「誕生日プレゼントを用意しているわ。楽しみにしていなさい」と言っていた。
一年に一回の、誕生日という特別な日。それを一番大切な人に祝ってもらえる、過ごすことができる。だから涼音は早く帰りたかった。
やがて涼香のクラスが見えてきた。しかしいつもなら、終礼後はドアが開いていて中が見えるのだが、今日はドアが閉まっていた。
誰も残っていないのだろうか? いや、窓から中に人影が見える。誰もいないという訳ではなさそうだ。
「涼音ー!」
「急に大声出さないでくださいよ‼」
なぜか急に大声を出した涼香に、涼音も大きな声で返す。
歩を緩めた二人は教室の前へとやって来た。
「ドアを開ける権利をあげるわ!」
「なんでですか。自分で開ければいいでしょうに」
文句を言うが、なんやかんやで涼音がドアに手を掛ける。
「ほらほら、思いっきりドアを開けるのよ」
「なんでそんなに楽しそうなんですか……?」
そんなことを言いつつも、涼音は勢い良くドアを開くと。
パンっ――。
という音とともに、紙テープが舞い散る。
「えっ……⁉」
突然の出来事に固まる涼音。
教室の中では、涼香のクラスメイト達がクラッカーを持っていた。
「「「「涼音ちゃん、誕生日おめでとう!」」」」
パンっパンっ――と追加のクラッカーが発射される。
あまりの衝撃に未だに動くことができない涼音の両肩を涼香が持つ。
「涼音。改めて、誕生日おめでとう」
そう言って涼音を教室の中へと押していくのだった。
「あら?」
「どうしたんですか?」
突如立ち止まった涼香に、涼音は怪訝な顔をする。
「忘れ物をしてしまったわ」
涼香はいつもスッカスカのリュックをポムポム叩いている。
「えぇ……」
「取りに戻るわ」
顔をしかめる涼音に背を向けて涼香は教室へ戻ろうとすると。
「しょうがないですね」
涼音が階段を駆け上がり、ほら早く、と涼香の手を引いて階段を上がっていく。
他の生徒とぶつからないように、転んでしまわないように、涼音は慎重に階段を上がっていく。
涼音は一刻も早く家へ帰りたかった。
今日は自分の誕生日、毎年涼香がお祝いしてくれるのだ。今日も朝から「誕生日プレゼントを用意しているわ。楽しみにしていなさい」と言っていた。
一年に一回の、誕生日という特別な日。それを一番大切な人に祝ってもらえる、過ごすことができる。だから涼音は早く帰りたかった。
やがて涼香のクラスが見えてきた。しかしいつもなら、終礼後はドアが開いていて中が見えるのだが、今日はドアが閉まっていた。
誰も残っていないのだろうか? いや、窓から中に人影が見える。誰もいないという訳ではなさそうだ。
「涼音ー!」
「急に大声出さないでくださいよ‼」
なぜか急に大声を出した涼香に、涼音も大きな声で返す。
歩を緩めた二人は教室の前へとやって来た。
「ドアを開ける権利をあげるわ!」
「なんでですか。自分で開ければいいでしょうに」
文句を言うが、なんやかんやで涼音がドアに手を掛ける。
「ほらほら、思いっきりドアを開けるのよ」
「なんでそんなに楽しそうなんですか……?」
そんなことを言いつつも、涼音は勢い良くドアを開くと。
パンっ――。
という音とともに、紙テープが舞い散る。
「えっ……⁉」
突然の出来事に固まる涼音。
教室の中では、涼香のクラスメイト達がクラッカーを持っていた。
「「「「涼音ちゃん、誕生日おめでとう!」」」」
パンっパンっ――と追加のクラッカーが発射される。
あまりの衝撃に未だに動くことができない涼音の両肩を涼香が持つ。
「涼音。改めて、誕生日おめでとう」
そう言って涼音を教室の中へと押していくのだった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ほのぼの学園百合小説 キタコミ!
水原渉
青春
ごくごく普通の女子高生の帰り道。
帰宅部の仲良し3人+1人が織り成す、ほのぼの学園百合小説。
♪ 野阪 千紗都(のさか ちさと):一人称の主人公。帰宅部部長。
♪ 猪谷 涼夏(いのや すずか):帰宅部。雑貨屋でバイトをしている。
♪ 西畑 絢音(にしはた あやね):帰宅部。塾に行っていて成績優秀。
♪ 今澤 奈都(いまざわ なつ):バトン部。千紗都の中学からの親友。
※本小説は小説家になろう等、他サイトにも掲載しております。
★Kindle情報★
1巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B098XLYJG4
2巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B09L6RM9SP
3巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B09VTHS1W3
4巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B0BNQRN12P
5巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B0CHFX4THL
6巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B0D9KFRSLZ
7巻:https://www.amazon.co.jp/dp/B0F7FLTV8P
Chit-Chat!1:https://www.amazon.co.jp/dp/B0CTHQX88H
Chit-Chat!2:https://www.amazon.co.jp/dp/B0FP9YBQSL
★YouTube情報★
第1話『アイス』朗読
https://www.youtube.com/watch?v=8hEfRp8JWwE
番外編『帰宅部活動 1.ホームドア』朗読
https://www.youtube.com/watch?v=98vgjHO25XI
Chit-Chat!1
https://www.youtube.com/watch?v=cKZypuc0R34
イラスト:tojo様(@tojonatori)
百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
ゆりいろリレーション
楠富 つかさ
青春
中学の女子剣道部で部長を務める三崎七瀬は男子よりも強く勇ましい少女。ある日、同じクラスの美少女、早乙女卯月から呼び出しを受ける。
てっきり彼女にしつこく迫る男子を懲らしめて欲しいと思っていた七瀬だったが、卯月から恋人のフリをしてほしいと頼まれる。悩んだ末にその頼みを受け入れる七瀬だが、次第に卯月への思い入れが強まり……。
二人の少女のフリだけどフリじゃない恋人生活が始まります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる