百合の一幕 涼香と涼音の緩い日常

坂餅

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夏休み編 7月

スーパーマーケットにて 2

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 両開きの自動ドアが開くと、冷たい空気が駆け抜けて汗で濡れた身体を冷やしていく。

「タオルを持ってくるべきだったわね」

 涼香りょうかは溢れ出る汗を拭いながら、足早に店内に入る。

「ああ~涼しい~」

 涼音すずねもその後に続く。

 涼香は真っ先に鮮魚コーナーへと向かう。冷蔵庫の冷気で更に涼もうという考えだ。

「それで、なに買うんですか?」

 とりあえず鮮魚コーナーまでやってきた涼音は、服の裾をパタパタしながら涼香に聞く。

「言ったでしょう? 夏を感じたいだけだって」

 まだ汗の引かない涼香は、汗が落ちないようにしながら、並ぶ魚達を眺めている。

「言いましたけど、たまには豪華な昼飯――とか言ってませんでした?」
「……確かに言ったわね」

 今まで忘れていたらしい、涼香は目を丸くして答える。

「はあ、じゃあさっさと買って帰りましょうよ」

 また暑い中歩くのは嫌だが、いつまでもスーパーでいる訳にもいかない。それにこのままの状態でいると、身体が冷えて風邪をひいてしまうかもしれない。涼香はひかないだろうが涼音は別だ、早く帰ってシャワーを浴びたい。

「そのことだけどね、涼音。よく聞きなさい」

 そう言われた涼音は、気まずそうに立つ涼香を見る。

「ああ、財布忘れたんですね」

 実は涼香だけでなく涼音も手ぶらできている。

「さすが私検定準一級ね!」
「帰りましょうか」
「そうね! 第一目標の『夏を感じる』は達成できた訳だし」
「昼飯は昨日の残り物がありますから。それに、なにか冷蔵庫にある物で作りますよ」
「それは豪華なお昼ご飯ね!」
「じゃあ、さっさと帰ってシャワー浴びましょう」

 そう言って二人は、煮えたぎる真夏の真昼間、家まで走って帰るのだった。
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