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転生しました!

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宇宙のような透き通った星空。
水面には広がる青く透き通った湖。

気がつけば私はそこにいた。

「誰かいないの…?」
「…ここはどこ?」

ただ混乱していた私は誰かを探した。
何をすればいいのかも分からない状況で。

どれくらい経ったのだろうか。
水面は輝き、星々は照らすだけ。

すると、いつからいたのか分からないローブを羽織った人が古い長椅子に腰をかけてこちらを見ていた。

「すみません…!ここがどこかわかりますか…?!」

すると、女性だったのだろう。
目深までかけたローブの老女は隣に座るように手招きした。

「お主、どこから来たのじゃ?」

その問に、どう答えていいかのか。
「私は…、信じてもらえないかもしれませんが私はいつの間にかここにいたんです…!!
仕事から帰っている途中でした!!
そしたら急に目眩がして倒れた所までは覚えているんです!!」

すると、老女は
「混乱するのも無理はない。
ここは狭間。
世界と世界を隔つためにある空間じゃ。
迷い人が来るのもたまにある。」

「では、私はどう帰れば良いのですか…?」
私は冷静に聞いた。

以前の私は読書とゲームが好きだった。
仕事の合間でも、通勤中でも四六時中、本とゲームを漁った。

それ以外にやることなんて思いつかない人生だと理解していたから。

いや、むしろ好きなことをして人生を謳歌しないと生きている気がしないもの!

私のモットーは楽しんでこそ人生!!
とまあ、そんな私はさすがにいきなり知らないところに放り出されたらびっくりしますよ、と。

老女は静かに、こう言った。
「悪いが、一度世界の輪から抜ければ戻れぬ。しかし、別の世界には通れる。元に戻らぬものが元に戻ればそれは異な事。故に、お主は元の世界では事故死になっているであろう。」

「……ではどうすればいいのですか?!」

「別の世界に行きなさい。
新しい人生を進みなさい。
お主には新しい世界でもやって行けるように加護を与えよう、何が良い?」

まじですか?!
異世界転生来ましたよ…(汗)
でも、家族に会えないのは少し残念だなぁー…。

でも、もう二度とないかもしれないこのチャンス!!
手にして見せますよ!!

「…なんでもいいのですか?」

「良い。なりたいものを言いなさい。
この様な事態じゃ。一つや二つ構わん。」

「ありがとうございます。では、異世界で…
ーーーーーーーーーーーーーーーーになりたいです。」

「それがお主の願いとあらば叶えよう。
しかし、それでいいのかえ?
より、辛くなるかもしれぬぞ?」

「はい!!むしろそれがいいです!!
それにしてください!!」

「よかろう。
では、新たな世界で幸せにな!!」

「はい!!」

そして、光に包まれ、私は新たな世界に転生した。

その後の老女。

「彼奴には悪い事をしたな~。
わしが落とした筆で死なせるとは…。
悪いが、秘密にせぬとな…。」

笑いながらその老女は水晶を片手に彼女を見守ることとなった。
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