君のそのキラキラが嫌い

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こういうこと

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「キミのそのキラキラ嫌いかも」

「…え?」



 突然言われたその言葉が何を指しているのか分からなかったが、恐らく良い意味でないことだけはわかった。

 その嫌いはどのことを言っているのか聞きたいところだが彼のその美しい笑顔に言葉が出ず、固まっている僕を尻目に部屋を出て行ってしまった。


 彼は僕の家の隣に住む近所のお兄さんこと立花楓たちばな かえで。僕より6つ年上の社会人だ。


 学校が夏休みのため久しぶりに都会から実家に帰って一息ついてたところ、母親が楓さんはお仕事がお休みだから面倒見てこいとうるさいので来てみたらこのざまだ。

 小さい頃からのご近所さんでかわいがってくれてると思っていたのだがとんだ勘違いだったのであろうか…


 昔から楓さんはだらしがなく部屋を散らかしご飯も適当で生活がままならないので、僕が時折家政婦のようなことをしている。
   
 背も高くスラッとしていてモデルを仕事にするぐらいとても美人なのに身の回りに対しては雑というか…そこだけが唯一弱点でもったいないといつも思う。



 (…掃除しなきゃ)



 ふと目的を思い出し太陽を浴びたキラキラな海が遠くに見える縁側の引き戸を開け換気をする。
  
 都会とは違う草木や海の匂い、虫や風の音を感じ地元に帰ってきたんだなと自然と笑顔になる。都会は都会で夜景や建物など新鮮なものはあるが地元が1番だ。



 (キラキラが嫌いって海のこと言ってたのかな?…でも僕のこと言ってたし、違うか)



 未だに少しキリキリと落ち込む言葉にがっかりしながら考えてみたが全く分からない。
 後で聞いてみるかと今は掃除に集中することにし部屋に戻ることにした。




「ねぇ、楓さん」
「…なに?」


「さっきのキラキラが嫌いって、なんのこと?」





 やっと散らばった洋服や小物、溜まった埃の掃除が終わり縁側に避難してた楓さんの隣に座った僕はさっきの言葉の意味を聞いてみた。

 遠くの海をじっと見つめていた楓さんがその言葉を聞いた瞬間ゆっくりと僕の方を振り向き首を傾げる。

 クリーム色に近い金髪は生ぬるい風に吹かれて少し長い前髪の隙間から綺麗な瞳がスっと細くなる。
 綺麗だな…とぼーっと眺めてた僕に近づく楓さんは本当に綺麗で、じっと見つめていた僕は咄嗟に避けることができなかった。



「痛っ!」

「…こういうこと」




 今日2度目の驚きに動揺を隠せなかった。にこにこと微笑む楓さんは僕の耳を何故か噛んだのだ。


 楓さんの「はは」という小さな笑い声と外で泣いている蝉の声だけが少しの間響いていた。




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