君のそのキラキラが嫌い

kyO

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少し前の話

黙ってな

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 ほんの数分このままの姿勢でいると離れたくなったのか楓さんはもぞもぞと動き出したのでそっと離れようとすると、急に楓さんは僕の腰部分に手を回してきた。
 そこから動く気配がないのでそのままでいると、あっという間に天井が真上にあった。

 ゆっくりと押し倒されていたみたいでまさかの出来事に固まってしまった。
 僕の心臓部分に楓さんの頭がある状態のため頭の重さのせいなのか心臓が強く鼓動しているように感じる。
 こんな密着しているのも初めてなので謎に心臓が早くなっていく。


「心臓早くなってる…びっくりした?」
「…へ?」


 そりゃあこんなに僕の心臓に耳を当ててる状態なので明らかに楓さんに聞こえてるのは分かってるはずなのにバレたみたいな感情になり恥ずかしくなってくる。

 ゆっくりと楓さんは上体を起こし僕の顔が見える位置まで移動してきた。
 いわゆる四つん這いのような格好で僕が離れられないような格好で楓さんの四肢に閉じ込められた。


「か、楓さん。あの…出られないのでどいてください。お、お腹空きませんか?!僕ご飯作りますよ!」

「別にさっき食べたからいい。お腹すいてないし、俺を太らせる気?」

「あ、そうだ食べたんだった。…すみません。」


 この今の状況に焦りすぎたせいでさっき夜ご飯を食べ終わったのにまた作ろうと提案してしまった。それほど今困惑している。
 何も言えずに目の前にいる楓さんを見つめる。

 こんな状態でも楓さんの顔を見ると美しくて見惚れてしまう。まさか下から見上げた時の顔さえ美しいとは、重力とはなんなのだ。
 
 じっと見つめる僕の顔をまた楓さんも見つめている。
 無表情だった楓さんはだんだんと口角が上がり僕にほほ笑みかけ、その表情を浴び僕は顔を真っ赤に染めた。
 昔から見てきた顔だとしても全く飽きない。美人は3日で飽きるなんて言葉はあるがそれは嘘だ。


「顔真っ赤じゃん。熱が出てきたのかなー?熱計らないとね。」
「え、ね熱とかないから!全然大丈夫だから!!」

「いいからいいから。黙ってな。」


 そんなわけ絶対ないのに僕をからかうようにくすくすと笑い、顔を近付けてきておでこで熱を測り始めてきた。

(今どきそんなので分かるわけないのに僕をからかいたいだけじゃんか!)

 こんな間近に楓さんの顔を見ることなんてできず目をぎゅっと瞑る。目を閉じてるせいか神経が研ぎ澄まされ感覚が鋭くなってる気がする。
 楓さんの呼吸の音と風を感じる。ち、近い。

 離れる気配がないためゆっくりと目を開けるとこちらをずっと見ていたのか楓さんとばっちりと目が合う。


「ちょ、ななんで見てるんですか!まさかずっと見てた?!」

「当たり前じゃん。目を閉じたらちゅーしちゃうけどいいの?それならまた目を閉じてくれれば喜んでちゅーしてあげるけど。ほら。」

「ち、違う!間違えました、そうじゃないです!!」
「そ、残念。」


 残念そうな表情でおでこを離した楓さんにやっとの思いで息を一つ吐く。無意識に息を止めてたようで空気をゆっくり吸う。

「うげ!!」

 息を吸うのに必死になっていた僕は楓さんがゆっくりと下の方に下がっていくのに気づいていなかった僕は急な痛みに変な声を出す。
 その原因に意識を向けると、なんと楓さんは僕の喉仏のある位置の首を軽く噛んでいた。



 (何してるんだこの人は!!)





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