垢BANズ!!

幽零

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サメジマエリア編

10話

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「演算装置?」

「そうそう。うちとかパシャリさんなら使えるかもって話だね」

サメジマエリア内、朝食だか昼食だか夜食だかはわからないが、とにかく皆で集まって食事をしている。

「若~、そのカップ麺好きっすね。めっちゃ辛いやつ」

「辛いのが好きなんだ。辛党ってヤツだね」

「それ意味違うっすよ」

「え、そうなの?」

「ウチは何食べようかな~」

テーブルには職員カードで爆買いした飲食料が並んでいた。

「それで?演算装置ってなにかな」

カソケ殿が急に話しかけてくる。この人、興味ある事と無い事への反応の差がすごい。

「え~っと……確かSSS内にある……演算をする……装置?」

「ピーちゃん情報量増えてない」

「大丈夫かパシャー」

「……タフちゃん、頼む~。俺じゃ無理だわー……」

泣きつくと、毛先を触りながらタフちゃんが応じた。

「えっとね、SSSにある演算装置っていうのは、セキュリティの割り振り、システムの運用、資産管理、データ保存、職員の給与や有給、勤怠管理とか……まぁその、あらゆる物事を同時多発的に演算してる……言っちゃえばスパコンみたいなやつかな」

「そんなんあるんや!ほんまにSSSって何でもあるんやね!」

「無い物もあるよリアさん」

「え?それ何カソケ君、気になるやん」

「違法ツール」

「あ!確かにそうやん!」

「リアさん、若は平然と使ってますけど、アレ『違法ツール』ですからね。普通にあったらまずいでしょ」

「あ、確かにそうやん」

同じセリフでこうもテンションが違う。さすがリアさん、ツッコミのセンスがある。

「で、その演算装置で何かするんすか?俺らって確か、『データ転送システム』ってヤツ使ってユニオンラインに戻るってのが目的でしたよね?その為に最上階まで行ったんだし。もう後は転送システム使うだけっすよね?」

「あ、確かにそうやん」

ポロッと反応すると、リアさんが笑いながら肩を叩いてきた。

「も~パシャー!ウチの真似しないでよ~!」

「で、タフちゃん。確かにリュウのいった通り、私たちはあとデータ転送システムを使えば目的達成だよね?何か理由があるのかな?」

刀を触りつつ、穏やかに問うカソケ殿。

「えっとね、データ転送システムの目的地をSSSに再設定したら多分戻れるとは思う。だけど、それを演算装置を使ってより確実にしようかなって」

「それ、ちゃんと使えるんすか?」

「大丈夫、まだまだ現役の装置だから」

「あーなるほど!データ転送システムだけじゃなくて、演算装置にも補助してもらう事で、より確実に戻るってことね!」

「そうそう、パシャリさんの言った通り」

「まぁタフちゃんとパシャに今まで助けられてきたし!ウチは何でも付き合うで!カソケ君とリューもそうやろ?」

「そうだね~」

「そっすね~」

この二人、やる気があるのか無いのか分からないけど、協力はしてくれるんだよなぁ……



最深部に行く前に、マスターキーでロックを解除して演算装置のあるエリアへ向かう。

「そういえばさ、演算装置ってスパコンなんだよね?何か名前とかないの?」

「名前ですか?」

「そうそう、ほら『計算できるくん』とか『やる気ある子ちゃん』みたいな」

「……若、さすがに適当すぎません?」

「ウチもそんな手抜きな名前じゃあないと思う!」

「いや、『デキル子ちゃん』です」

「「「……ん?」」」

「あぁ、演算装置の名前ですよ。『デキル子ちゃん』っていうのよ」

俺が改めて説明しても、三人は微妙な顔になった。

「……私、ちょっと惜しかったな」

「若、ほとんど正解でしたね」

「ごめんカソケ君!!」



ぐだぐだと話ながら、『デキル子ちゃん』にたどり着いた。

「え~っと、これでうちが……アレ?」

タフちゃんが画面を操作するが、エラーの文字が浮かび上がっていた。

「……おかしい。マスターキー使ってるから弾かれる訳無い筈なんだけど……」

「どれどれ~、私がやってみようか」

ヌッと片手をつけて、何か操作を始めるカソケ殿。しかし、こちらもうまく行ったような表情ではなかった。

「……う~ん、流石に無理かぁ。この演算装置……あー、『出オチちゃん』だっけ?」

「『デキル子ちゃん』すよ、若」

「あーそれそれ、これってSSSでも結構大事な装置でしょ?セキュリティ硬いから、私でも難しいな」

「どうしようパシャリさん」

「ん~、俺が触ってもどうにもならないとおも……」

画面に触れた途端「ポーン」と心地よいアンロック音が流れた。

「あ、動いた」

「なんでよー」

「いや、本当になんでだ?」

「まぁ『シメサバエリア』だからじゃないかな!」

「『サメジマエリア』ですよリアさん」

画面をタフちゃんと交互に押してみるが、どうにも俺の操作にしか反応しないらしい。

「タフちゃんどうすれば良いか言ってー。俺が代わりに動かしますからー」

「分かったー」

数分で操作は終わり、演算装置の補助も確立できた。

「まさか画面いじるのに、生体認証までいるとは思わなかった」

「うちも思わなかった。ていうか、あんなのあったかな?」

「私が一回違法ツールで無理やり入ろうとしたからかなー」

「あー、それかも」





時間にしたら3日、4日程度のものだろうが、長い道のりだったように思える。



『データ転送システム』の部屋まで、もう少しだ。




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