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サメジマエリア編
13話
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「えーっとつまり……?」
ジュキト室長が頭をポリポリ、話をまとめる。
「あの『デキル子ちゃん』が暴走して?『High-Formパシャリ』という最強ボスが誕生して?データ転送システムの制御権の奪い合いがあって?」
「その後に私たちが落ちたきた……という訳ですか」
「僕らタイミング良いんだか悪いんだかねー」
収容監視官のマグさんがチラリとヒーホーとカソケ・リュウの二人組を見る。
「あ、あの指名手配犯ども、こんな所に」
「ん?うわ、収容監視官だ」
「あ、マジっすね。こわー」
《我を相手に余所見とは……随分甘く見られたものだ》
「あのロボット喋るんか!?うわー……スタイリッシュでめっちゃカッコよ……ワシあれ欲しい」
「言ってる場合ですか。というかこの歌って……」
ハネルさんと言うらしい半分サイボーグな彼が、その音の主を探す。見つけた途端、その目が嬉しそうに笑った。
「やっぱり。本当に、どこでも……どこにいても、歌うのが好きな人ですね」
《な、な……なん……》
デキル子ちゃんはワナワナと震える。
《何か増えたー!!?》
「えっとぉ……ジュキトさん?」
説明して……と言わんばかりの表情を浮かべるタフちゃん。
「あーっと、『フォレストバック』っていう何でも屋に協力してもらって……」
「え、フォレストバックって……あの、たぬさや教授!?」
「せやで」
「彼に三回も協力してもらったんだよねー」
「転送事故二回も失敗しましたけどね」
「その都度ワシの財布からもマネーが転送事故したけど……」
《フォレストバック理論……?まさか、あの、教授が、いる……!?》
急に動揺し始めるデキル子ちゃん。
「ん?あー、そうか。すまん。ワシ余計な事言ったわ」
「え、なんです?」
「デキル子ちゃんにとって、『フォレストバック理論』って結構地雷なのよ」
「えー、なんでそんな事がわかるんです?」
「ワシが製作に携わったから」
「「マジ??」」
《トッパー君集合!奴らを捕まえろ!》
デキル子ちゃんの号令で、トッパー君がNTR絶対殺すマンみたいな状態で次々集まってきた。
《抹殺執行、抹殺執行》
《抹殺執行、抹殺執行》
《抹茶最高、抹茶最高》
《抹殺執行、抹殺執行》
「……なんか一人だけ違うこと言ってね?」
「抹茶美味しいもんね」
「せやな。ほら、一人だけレーザーガンじゃなくて、タピオカミルクティー持ってる。ワシも欲しいな」
「あーっと、僕が設置したトッパー君が裏目に出ちゃったなぁ……」
「裏目どころか、ここに来て最初にやられる所でしたよ……」
「え?そうなのー?何したのー」
「NTRジャンルのアダルトビデオ見せたらブチ切れて……」
「そりゃそうだろ」
「あの、さっきジュキトさん達が転送された影響で、再出力まで時間がかかります……ですから……!!」
「ん?あぁ、安心して」
「ん?え!?」
さっきまで俺の隣に居た筈のマグさんは、トッパー君を持ち上げていた……それも片手で……あぁ、指がめり込んでる。
「トッパーくーん!?!?」
「僕はねー、こう見えて強いんだよね」
《抹殺執行、抹殺執行》
《抹殺執行、抹殺執行》
「あぁー、でも数が多いなぁ。僕あっちのデカいの何とかして来るから、こっちはハネルさん頼むねー」
「え?あの……えぇ……」
二の句を待たず、マグさんはトッパー君の頭を踏みつけてヒーホーの方へ跳んでいった。
残されたハネルさんは、目の前のトッパー君軍団を眺める。
「……あー、これ私がやるしかないのか」
「ハネルさん、結構落ち着いてますなぁ」
「落ち着いてるってよりは、どちらかと言えば、私が鈍いだけな気がしますけどねー」
いうや否や、ハネルさんは片腕を変形させて、ガシャン!!と何かをピストンする。前方のトッパー君が軽く吹っ飛んだ。
「なんか……ボウリングみたい」
「ピンが殺しにかかってくるボウリングとか行きたくないなぁ……」
「まぁ、僕はあっちの……なんでしたっけ?『マイホームパシャリ』?」
「夢は日当たり良好二階建て!」
《High-Formパシャリ!!》
デキル子ちゃんがムキになってツッコむ。
「あ、そうそれ。この腕でもアレには絶対効かないし、多分私はすぐにやられる。勝てる自信がない事に自信があるよ」
「そのカッコ良い腕でも?」
「普通のサイボーグならともかく、アレは普通じゃ無い。戦闘とか戦争とか、もうそういう次元にいないですよ。……何であの人たち戦えてるの?」
答えは単純、あの人たちが普通じゃないからです。
「若ー、そろそろ疲れてきたんすけど……」
「ん~、でもねぇ。私の刀も効かないんだよね」
「おーい、指名手配犯ども」
「うわっ」
「うおっ」
《……新手か》
「あー、どうもー。収容監視官やらしてもーてますー。マグでーす」
「何でここにいるんすか。暇なの?」
「一応人命救助とー、君ら見たいなのを放置できないでしょーが。永久凍結指定組」
「どうせ当分執行されないでしょー?」
「そっすよ。だから俺ら大人しく待ってたのに」
「君らみたいなワザと捕まってたような奴らが、大人しく待つものかよ」
「「バレてーら」」
《漫才は済んだか?》
ゴッと迫るヒーホーの拳を、両腕をバッテンにして受け止めるマグ。受け止めたまま、数十メートル吹っ飛んだ。
「イッタァ……あ、これ無理だな。腕が痺れるなんて何年ぶりだろう。多分もう1回受けたら折れるね。これ」
《我の拳を、正面から受け止めたか》
「いやもう次は無理かなーって」
《ならば、我が武の前に潰えよ》
しかし、ヒーホーはグッと構えを取った後、どこか不思議そうに手を眺めた。
《……?我が武が……鈍い……?》
「すいません!ようやく今、デキル子ちゃんのデータを遡れました!ヒーホーを弱体化していきます!」
《…………》
弱体化宣言をしたタフちゃんの方へ無言で向き直るヒーホー。しかし、そのメタリックな身体にガクンと慣性がかかった。
「尻尾掴んだりー」
《背後を取られた……だと……》
「いやぁ、僕はこう見えて結構強いんだよねー。焦り過ぎでしょ」
マグさんがニンマリ笑う。
「おーい、そこの指名手配犯2人組。手伝えー」
すると、カソケとリュウは微妙な笑い方で答える。
「「えー、どうしようっかなー」」
「おーおー、そうかー。僕がこの場で死刑執行してやっても良いんだぞー」
「「お手伝いしまーす」」
……流石に命は惜しかったらしい。
ジュキト室長が頭をポリポリ、話をまとめる。
「あの『デキル子ちゃん』が暴走して?『High-Formパシャリ』という最強ボスが誕生して?データ転送システムの制御権の奪い合いがあって?」
「その後に私たちが落ちたきた……という訳ですか」
「僕らタイミング良いんだか悪いんだかねー」
収容監視官のマグさんがチラリとヒーホーとカソケ・リュウの二人組を見る。
「あ、あの指名手配犯ども、こんな所に」
「ん?うわ、収容監視官だ」
「あ、マジっすね。こわー」
《我を相手に余所見とは……随分甘く見られたものだ》
「あのロボット喋るんか!?うわー……スタイリッシュでめっちゃカッコよ……ワシあれ欲しい」
「言ってる場合ですか。というかこの歌って……」
ハネルさんと言うらしい半分サイボーグな彼が、その音の主を探す。見つけた途端、その目が嬉しそうに笑った。
「やっぱり。本当に、どこでも……どこにいても、歌うのが好きな人ですね」
《な、な……なん……》
デキル子ちゃんはワナワナと震える。
《何か増えたー!!?》
「えっとぉ……ジュキトさん?」
説明して……と言わんばかりの表情を浮かべるタフちゃん。
「あーっと、『フォレストバック』っていう何でも屋に協力してもらって……」
「え、フォレストバックって……あの、たぬさや教授!?」
「せやで」
「彼に三回も協力してもらったんだよねー」
「転送事故二回も失敗しましたけどね」
「その都度ワシの財布からもマネーが転送事故したけど……」
《フォレストバック理論……?まさか、あの、教授が、いる……!?》
急に動揺し始めるデキル子ちゃん。
「ん?あー、そうか。すまん。ワシ余計な事言ったわ」
「え、なんです?」
「デキル子ちゃんにとって、『フォレストバック理論』って結構地雷なのよ」
「えー、なんでそんな事がわかるんです?」
「ワシが製作に携わったから」
「「マジ??」」
《トッパー君集合!奴らを捕まえろ!》
デキル子ちゃんの号令で、トッパー君がNTR絶対殺すマンみたいな状態で次々集まってきた。
《抹殺執行、抹殺執行》
《抹殺執行、抹殺執行》
《抹茶最高、抹茶最高》
《抹殺執行、抹殺執行》
「……なんか一人だけ違うこと言ってね?」
「抹茶美味しいもんね」
「せやな。ほら、一人だけレーザーガンじゃなくて、タピオカミルクティー持ってる。ワシも欲しいな」
「あーっと、僕が設置したトッパー君が裏目に出ちゃったなぁ……」
「裏目どころか、ここに来て最初にやられる所でしたよ……」
「え?そうなのー?何したのー」
「NTRジャンルのアダルトビデオ見せたらブチ切れて……」
「そりゃそうだろ」
「あの、さっきジュキトさん達が転送された影響で、再出力まで時間がかかります……ですから……!!」
「ん?あぁ、安心して」
「ん?え!?」
さっきまで俺の隣に居た筈のマグさんは、トッパー君を持ち上げていた……それも片手で……あぁ、指がめり込んでる。
「トッパーくーん!?!?」
「僕はねー、こう見えて強いんだよね」
《抹殺執行、抹殺執行》
《抹殺執行、抹殺執行》
「あぁー、でも数が多いなぁ。僕あっちのデカいの何とかして来るから、こっちはハネルさん頼むねー」
「え?あの……えぇ……」
二の句を待たず、マグさんはトッパー君の頭を踏みつけてヒーホーの方へ跳んでいった。
残されたハネルさんは、目の前のトッパー君軍団を眺める。
「……あー、これ私がやるしかないのか」
「ハネルさん、結構落ち着いてますなぁ」
「落ち着いてるってよりは、どちらかと言えば、私が鈍いだけな気がしますけどねー」
いうや否や、ハネルさんは片腕を変形させて、ガシャン!!と何かをピストンする。前方のトッパー君が軽く吹っ飛んだ。
「なんか……ボウリングみたい」
「ピンが殺しにかかってくるボウリングとか行きたくないなぁ……」
「まぁ、僕はあっちの……なんでしたっけ?『マイホームパシャリ』?」
「夢は日当たり良好二階建て!」
《High-Formパシャリ!!》
デキル子ちゃんがムキになってツッコむ。
「あ、そうそれ。この腕でもアレには絶対効かないし、多分私はすぐにやられる。勝てる自信がない事に自信があるよ」
「そのカッコ良い腕でも?」
「普通のサイボーグならともかく、アレは普通じゃ無い。戦闘とか戦争とか、もうそういう次元にいないですよ。……何であの人たち戦えてるの?」
答えは単純、あの人たちが普通じゃないからです。
「若ー、そろそろ疲れてきたんすけど……」
「ん~、でもねぇ。私の刀も効かないんだよね」
「おーい、指名手配犯ども」
「うわっ」
「うおっ」
《……新手か》
「あー、どうもー。収容監視官やらしてもーてますー。マグでーす」
「何でここにいるんすか。暇なの?」
「一応人命救助とー、君ら見たいなのを放置できないでしょーが。永久凍結指定組」
「どうせ当分執行されないでしょー?」
「そっすよ。だから俺ら大人しく待ってたのに」
「君らみたいなワザと捕まってたような奴らが、大人しく待つものかよ」
「「バレてーら」」
《漫才は済んだか?》
ゴッと迫るヒーホーの拳を、両腕をバッテンにして受け止めるマグ。受け止めたまま、数十メートル吹っ飛んだ。
「イッタァ……あ、これ無理だな。腕が痺れるなんて何年ぶりだろう。多分もう1回受けたら折れるね。これ」
《我の拳を、正面から受け止めたか》
「いやもう次は無理かなーって」
《ならば、我が武の前に潰えよ》
しかし、ヒーホーはグッと構えを取った後、どこか不思議そうに手を眺めた。
《……?我が武が……鈍い……?》
「すいません!ようやく今、デキル子ちゃんのデータを遡れました!ヒーホーを弱体化していきます!」
《…………》
弱体化宣言をしたタフちゃんの方へ無言で向き直るヒーホー。しかし、そのメタリックな身体にガクンと慣性がかかった。
「尻尾掴んだりー」
《背後を取られた……だと……》
「いやぁ、僕はこう見えて結構強いんだよねー。焦り過ぎでしょ」
マグさんがニンマリ笑う。
「おーい、そこの指名手配犯2人組。手伝えー」
すると、カソケとリュウは微妙な笑い方で答える。
「「えー、どうしようっかなー」」
「おーおー、そうかー。僕がこの場で死刑執行してやっても良いんだぞー」
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