狂った世界に中指を立てて笑う

キセイ

文字の大きさ
88 / 401
第四章 雨はお好きですか?

14

しおりを挟む


僕は急いで未だに言い争っている二人の頭を殴り、このことを話した。
すると委員長は嬉しそうに口元を歪め、瞳に加虐の色をチラつかせる。


「ほぉ、それはそれは.....よくやった一条」

「いえ.....なんで今まで気づかなかったんですかね?」

「......まず第一に、日々の業務に追われて特定の事件に構ってる暇がねぇ。第二に情報の統制がなっていなかった。第三に、まず首吊り死体が自殺ではなく異名持ちの仕業という考えが俺達にはなかった」

「嘘でしょう?普通一日に二体の首吊り死体は見つかりませんし、日をそこまで置かずまた首吊り死体が見つかるのはおかしいことと考えるはずです」

「そんなこないっすよ?この学園はある日突然腕が五本見つかったり、また次の日に脚が複数見つかったりするとこっす。首吊り死体が何体も続いて出ることなんて疑問に思わないっすよ。それに古参組でも精神やられて首吊る奴がいるンスからエスカレーター組や外部生の首吊り死体を見てもただ耐えられなかったんだなぁくらいしか思わないっす」

「.....ならなんで『吊るす男ハングマン』という異名持ちが名簿に?どこからそんな異名持ちがいると情報が来たんです?」

「.......俺様は知らねぇな。吊るす男なんて異名持ちがいることは」

「は?っなら誰かが風紀の資料を改竄したということですか!?」

「そうなるな」


そうなるな!?
なにを呑気に言ってるの!?


「重要な書類をしまう為の金庫買いましょう。今回はその変な改竄資料のおかげで犯人への手がかりを得られましたが、本来こんな真実か怪しい情報をあてにするなんてもってのほかです。本当にありえない........」


でも、あの腐海の棚に放り投げられていた情報を信じてしまった僕も悪い。あんな杜撰な情報管理じゃどうぞ好きなように情報を見てください、扱ってくださいと言っているようなものだ。


ん?.......ということはまた色んな資料を引っ張り出して情報の照合をしなければならないという――ひょぇ

......うん、僕は気づかなかった。
情報の改竄?知らないよ僕は。


そう内心見て見ぬふりをしようとした。
したんだけど.......


結局困るのは僕なんだよなぁ。
本当に誰だ。情報を改竄したのは。



「まぁいいじゃねぇか。結局はその吊るす男が本当に居たんだから」

「僕は......なんだか誘導されてるようで腹が立ちますよ。この資料を紛れ込ませた人間に」

「癪っすけどオイラも委員長と同じ意見っす。いちいちそんなことを気にしてたら解決できる事件も解決できないっすよ。こういうのはラッキーって思いながら頭の片隅に置いとくっすね。......オイラは多分忘れちゃうっすけど」

「おいコラ。俺様と同じが癪ってどういうことだよ!」

「( ᐙ )」

「テメェっ~~!!!!」


......田噛君の言葉も一理あるね。
今回は例え誰かにそう誘導させられていたとしてもラッキーくらいに思おうかな。頭を悩ませる方が相手を喜ばすような気がしなくもないし。


ボコッ、ガッ!


「が!?」

「痛いっす!?」

「二人ともありがとうございます。今回は気にせずに吊るす男に専念しようと思います。では、僕はこれで.....」

「ちょっと待て!!なんで殴った!?」

「うぅ~、酷いっすぅ(泣)(泣)」


そんなのまた不毛な喧嘩しようとしてたからでしょう。僕としては感謝してもらいたいくらいだ。

最後にニコリと笑みを見せ、僕は風紀室を出る。
背後から怒鳴り声が聞こえた気がしたが.....問題ないだろう。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



さて、今の時間帯はもう授業時間だから聞き込みには不適切。ならこの自由時間を有効に活用しなきゃね。

風紀に入ってから自由時間など無いに等しく過ごしてきたから何をしようか迷う。

本を読みに図書室へ行こうか
それとも自室で少しゆっくりするか
はたまた今から教室に行き授業を受けるか.....


うん、美術室へ行こう。

あの綺麗な空間で本を読み、少し居眠りでもしよう。

そう決めた僕は足を美術室へと向ける。
しかし――


「あっれ~??あそこに居るのって今有名な風紀副委員長様じゃない?」

「ちょっかいかけるな馬鹿!!」


聞こえた声に足を止めざるおえなかった。
内心面倒事の予感にがっくししながら、口元を緩やかに上げ振り向く。


そこにはまるで面白いものを見つけた子供のように笑顔を輝かせる、ツギハギ顔のミステリアス漂うイケメンと
焦ったような顔した真面目そうな男前がこちらに向かって来ていた。


.......片方は大歓迎だけど、もう片方は面倒事の匂いがプンプンする。
もう予感ではなく確信だ。


「貴方は確か......生徒会会計の萩野 メイル君と副会長の骨喰 恭弥君ですね?」

「あったり~!そういう君は一条 燈弥君だよねぇ?」

「はい、これからは顔を合わせる機会が増えると思いますので仲良くしてください」

「えぇ~、どうしよっかなぁ~」

「おい」

「ふげっ!?」


ナイス拳だ。骨喰 恭弥君。
横から頭を殴られた萩野君はその可愛げのないツギハギ顔に青筋を立たせ、骨喰君を睨む。


「ちょっと?」

「悪いな一条。お前の優秀さは耳にしている。こちらとしても今後仲良くして欲しい。.......まぁアクの強いメンバーも居るが、何かあったら俺に言ってくれ」


ナチュラルに無視するねぇ.......。
だけどそのことに対していいぞもっとやれ!って思ってしまう僕は多分萩野君とあまり関わりたくないんだろう。

だって、彼......悪意を持って面倒事を起こしそうなんだもん。


「それはありがとうございます。こちらも委員長や他の委員が何かやらかしたら僕を頼ってください。忙しい生徒会になるべく迷惑はかけたくないので」

「......なら遠慮なく頼らせてもらおうか」


僕の言葉に一瞬目を見開いた骨喰君は硬そうな雰囲気を和らげ笑みを見せた。
うん、彼とは仲良くしたいね。


「うっわぁ~~......副会長が笑ったよ。いっつもムスッとした顔してんのに。俺初めて見たかも~」

「誰のせいだと思っている。......そうか俺は笑っていたのか」

「なに初めて笑ったアンドロイドみたいな反応してんの?」

「殴るぞ」

「い''だい!?もう殴ってんじゃん!!」


仲良いなこの二人。














しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話

みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。 数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は未定 ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い ・本格的に嫌われ始めるのは2章から

過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される

中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」 夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。 相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。 このお話はムーンライトでも投稿してます〜

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい

椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。 その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。 婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!! 婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。 攻めズ ノーマルなクール王子 ドMぶりっ子 ドS従者 × Sムーブに悩むツッコミぼっち受け 作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

処理中です...