196 / 401
第八章 体育祭
《side 兎道 湊都》
しおりを挟む結局副会長に追いつくこと出来ず一人で宝玉を届けに行った。いや、別に俺の歩くスピードが遅かったからとかじゃくて、普通に地図読めなかっただけ。
歩いてると自分が地図のどの辺にいるのかすぐ分からなくなる。副会長どころじゃなかった。
メールで永利が宝玉奪われないようにしろって脅すから襲撃にビクビクとしながら恐る恐る歩く羽目になったし。
.....まぁそれも取り越し苦労だったわけだけど。
襲撃ねぇじゃん。襲ってきたのはせいぜいカタラくらいだっぞ?ビクビクして損した。
帰ったら永利に脅すなよ!と言ってやろう。
そう決心した俺は噛み付こうとしてきたカタラを真っ二つに切り裂く。
さてさて、俺は今どこに居るんだ??
「.....いやマジで俺今どこ?燈弥の居るC-5地点ってここら辺だろ?味方どころか人の気配すらないんですけど??」
地図と睨めっこ。
目印とか書いてあるけど、これはなぁ.....?
樹齢100年っぽい木があるって言われても分かんねぇよ!?って話だぞコレ。木がどれくらいあると思ってんだ。探せるか馬鹿野郎!
この地図作ったやつ誰だ!?
.....戻って会長に聞きに行くべきか?
「や、やめとこ。あの人怖ぇし」
さっきのことを思い出して身震いする。
俺が宝玉を届けに行った時、会長は台座前に一人佇んでいた。それだけなら別に怖いとか感じなかったんだけど――
あの人....なにか白い錠剤らしきものを噛み砕いたと思ったら、急に台座に頭打ちつけたんだよなぁ。
んで、顔上げたらけろりとして何もなかったかのようにニコニコするし。
怖すぎだろ。
さすがの俺も声かけるの躊躇った。
「ひぃん。燈弥に早く会いてぇ~。というかこの際2年生でもいいから人に会いたい」
会長のことを振り払うように嘆く。一人はキツい。いい加減寂しくなってきた。
「誰かぁぁぁぁぁぁ.....ここ何処だよぉぉ!」
「迷ってんのか?」
「迷ってんの」
「お前らんとこの地図分かりにくいもんなぁ」
「マジそれ――はっ!?!?誰だ!!」
斜め後ろを歩く『誰か』から離れるように飛び退き、魂写棒を構える。
「久しぶりだなァ」
人に会いたいとは言ったけどこいつだけはやめろよ神様!!!
立っていたのは白髪赤目の獣。俺の因縁ある相手だった。マジもう逃げたい.....ん?
「そんな睨むなよ。おれはただ情けない叫び声を辿ってきただけだ。というか、お前にとっちゃおれは救世主だろ?」
「.....なんで戦闘狂のフリしてんだよ快楽殺人鬼」
そう言うと男の口元が弧を描いた。
「あっれ~?なんで分かった?おれっちと雅臣見分けんの家の人間でも無理なのに」
「いや、だって雰囲気違いすぎじゃん。俺がどれだけ戦闘狂に追っかけられてると思ってんだ。戦闘狂はもっと、こう.....雰囲気が肉食獣っぽい」
「んだよ。お前雅臣の獲物だったのか」
ちぇ~と口を尖らせるシリアルキラーがすごい子供っぽい。戦闘狂と同じ顔してるせいで、その仕草に違和感ありまくりだ。
「あ、そうそう。お礼言ってなかったな。おれっちを牢から出してくれてありがとー。おかげで毎日楽しく過ごせてる」
俺こいつ嫌い。嵌めたくせに、俺に礼を言うとか完全におちょくってんじゃん。
「それは良かった.....で?誰も殺してないよな?」
シリアルキラーの今までの事件を調べた。俺がどんな人間を逃がしてしまったのか正しく知るため。まぁ調べた内容は散々だったが。
......知らなきゃ良かった。
遊ぶように身体を開き、弄ぶように開いた身体で欲を発散する。
超胸糞悪い
「殺してない殺してナイ。雅臣に見張られてっから。......すげぇ目で見てくんじゃん。おれっちのこと嫌いなの?森では仲良くしてくれてたのに....悲し~~」
「黙れ。この異常人が」
ヘラヘラと笑う男に殺意が湧く。こいつがやっているのは屍姦だ。いや、屍姦よりタチが悪いかもしれない。
なんでこんな人間が存在するんだろう?
「あのさァ.....湊都はおれっちの恩人だから優しくしてやってるけど――あんま調子乗ってんと殺すぞ」
「っ」
シェイカーを持つ手が震える。シリアルキラーに向けている切っ先がぶれる。
「湊都がおれっちを嫌うのって人殺しだからだろ?」
ニヤニヤと。戦闘狂とは違った粘着そうな笑み。
シリアルキラーが1歩近づいてきたため、俺も自然と同じ距離だけ足が下がる。
「いかにも平和な環境で育ちましたって顔だもんなお前。きっと殺すとか、傷つけるとか.....自分には無理って思ってんだろうな。同時に、平気で殺したり傷つけたりする人間を軽蔑してんだろうな」
「.....俺に近づくな」
「湊都の生き方って生きづらそう。無能力者ならまだしも異能者では無理だよソレ」
「っ、近づくなって言ってるだろ!」
「そんな窮屈な世界で生きてる湊都が可哀想だから、おれっち一肌脱いじゃう♡」
一気に距離を詰められ、頬をツーっと撫でられた。嫌悪感から咄嗟にシェイカーを薙ぐが、ガキンと金属音を鳴らし刃は風に阻まれる。
「いひひひっ」
俺はこいつと出会った時、なりふり構わず逃げるべきだった。今はもう、赤い瞳に囚われたように足が動かない。
「さぁ、湊都.....この世界に順応しようぜ」
────おれは、俺はその日、とうとう一線を越えてしまった。
《side end》
52
あなたにおすすめの小説
穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜
春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、
癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!?
トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。
彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて――
運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!
恋愛感情もまだわからない!
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。
個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする
愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ!
月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新)
基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は未定
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
・本格的に嫌われ始めるのは2章から
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。
牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。
牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。
そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。
ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー
母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。
そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー
「え?僕のお乳が飲みたいの?」
「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」
「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」
そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー
昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」
*
総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。
いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><)
誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。
過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される
中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」
夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。
相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。
このお話はムーンライトでも投稿してます〜
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる