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⑦男子寮でファーストキス奪われました
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受けちゃんは目を開けて驚いた。
今絶対に誰かにキスされていた。その刺激で覚醒したが、目の前の部屋は暗いままだ。相手は誰か分からない。でも柔らかな感触が唇に残っている。これが真実だとしたら彼にとって初キスだ。それより一大事はここが男子寮ということだろう
「マジか……。どいつだ」
今日は散々だった。近隣女子高との合同イベントの、学校代表を勝ち取った受。向こうの代表の清楚でしっかり者の女子をいいなあと思い、恋に発展できたら素敵と淡い期待を抱いていた。しかし最終打ち合わせ後、カラオケ終わりに他の女子達から「彼と二人っきりにさせて」と。
頼まれた。彼とは受ちゃんの親友だ。今回も一緒に代表になって色々フォローをしてくれた。一見地味?と思うほど顔立ちが整っていて賢い。何しろ優しくていい奴だ。受ちゃんだって自分に自信はあるしそこそこいけてると思ってる。だが長身の親友と並んだら女子ウケはあちらに分があるのかもしれない。
そんなわけで恋する前に失恋気分になった。こっそり二人を置いて戻ってきたら、寮長に「どした? はなし聞こか?(笑)」と慰められた。
それほどしょんぼりして見えたのだろう。
談話室に「受を慰めたい奴、食いもん持って集まれ~」と寮長の一声で皆集まってきた。その中にチョコレートボンボンがあり、受は勢いで食べてしまった。だが奈良漬けでもほろ酔いになる体質だ。くーくーその場で眠たくなってしまう。
キス犯(笑)の容疑者1は隣でチョコを勧めてきた美術部員「受ちゃんの顔好みなんだよね。絵のモデルになって」と度々せがまれた。容疑者2は寮長。「おい寝るなら布団いけ」と部屋まで肩を貸してくれた。
思い起こしてみれば受を慕って勉強教えてって来る後輩も、門限破るたびに受の部屋の窓をわざわざ叩いて入ってくる去年同室の奴もみんな怪しく感じる。
「ってわけでさ、誰なんだろうって気になったら意識しすぎて、皆と喋るのなんか恥ずかしくなっちゃうんだよね」
放課後。親友に相談するために、空き教室に連れ込んだ。
「なんで俺に相談するんだ?」
「だってお前、彼女できただろ? お前が犯人じゃないことは分かってるから」
「……」
「寮長に聞いたら、『そっか? じゃあ二回目するか?』って壁ドンされたし、美術部の奴には『キス待ち顔、絵にかきたいんで、はい、目を閉じて』
って床ドンされたし」
「……ほう」
「なんか、みんな格好よっ何このシチュ。胸キュンじゃんって思えたら。俺、男もいいかも。ちやほやされて悪くない(笑) って思えてきた。なあ、お前。あの子から告白されたの? お前が好きって言ったの?」
「告白されたけど、俺好きな人いるから断った」
それは初耳と受はちょっと寂しくなった。
「お前好きな人いたんだ。いいなあ。やっぱ俺も恋してみたい」
と受ははにかむ
「お前のそのチョロいとこ、可愛いと思ってたんだけどな」
「んん?」
日差しが長く差し込む、がらんとした教室。
「……妬ける」
次の瞬間、唇にあの柔らかな感触が再び襲う。
一度唇が離れ、息つく間もなく今度は頭をぐいっと抑えられながら、何度も何度も。角度を変え啄むだけのキス。それでも受の顔は夕焼け色に染まった。ゆっくりと顔を離されて、彼の見たことない色気零れる顔つきに、最大級のきゅうーんが襲う。
「犯人、俺だよ」
そのあと切なげにぎゅっとハグされた。
受ちゃんの事をずっと思い続けてきた親友攻め君。受も承知と仕組まれて、他校女子の女子と二人っきりでカフェに行く羽目になり、内心あいつどうしてくれようと怒り狂っていた。
女子高との交流中も受に目を光らせるために常にガード。フラグをへし折り自分の方に向けされてきた。自分の気も知らぬ受が「失恋したかも」とか言いながらボンボンチョコに酔って幸せそうに寝入っている顔を見たら、胸の中に色々な感情が渦巻いて耐えきれなくなった。
(ずっと好きだった。手を出したら、親友でいられなくなるのが怖かった)
でも同じようなことがこれからも起こるかもしれない。
『やっぱ俺も恋してみたい』
なんて天使みたいに無邪気な笑顔で恋の相手を探そうとする受。無理やりにでも自分を意識させてみたい。口づけした後、怖くなって部屋を立ち去った。後できちんと告白する前に受が盛大な勘違いをした。
彼があちこちに立てまくってきた、フラグをこの後攻君がばきばきに折るため立ち上がる! 💛 終
今絶対に誰かにキスされていた。その刺激で覚醒したが、目の前の部屋は暗いままだ。相手は誰か分からない。でも柔らかな感触が唇に残っている。これが真実だとしたら彼にとって初キスだ。それより一大事はここが男子寮ということだろう
「マジか……。どいつだ」
今日は散々だった。近隣女子高との合同イベントの、学校代表を勝ち取った受。向こうの代表の清楚でしっかり者の女子をいいなあと思い、恋に発展できたら素敵と淡い期待を抱いていた。しかし最終打ち合わせ後、カラオケ終わりに他の女子達から「彼と二人っきりにさせて」と。
頼まれた。彼とは受ちゃんの親友だ。今回も一緒に代表になって色々フォローをしてくれた。一見地味?と思うほど顔立ちが整っていて賢い。何しろ優しくていい奴だ。受ちゃんだって自分に自信はあるしそこそこいけてると思ってる。だが長身の親友と並んだら女子ウケはあちらに分があるのかもしれない。
そんなわけで恋する前に失恋気分になった。こっそり二人を置いて戻ってきたら、寮長に「どした? はなし聞こか?(笑)」と慰められた。
それほどしょんぼりして見えたのだろう。
談話室に「受を慰めたい奴、食いもん持って集まれ~」と寮長の一声で皆集まってきた。その中にチョコレートボンボンがあり、受は勢いで食べてしまった。だが奈良漬けでもほろ酔いになる体質だ。くーくーその場で眠たくなってしまう。
キス犯(笑)の容疑者1は隣でチョコを勧めてきた美術部員「受ちゃんの顔好みなんだよね。絵のモデルになって」と度々せがまれた。容疑者2は寮長。「おい寝るなら布団いけ」と部屋まで肩を貸してくれた。
思い起こしてみれば受を慕って勉強教えてって来る後輩も、門限破るたびに受の部屋の窓をわざわざ叩いて入ってくる去年同室の奴もみんな怪しく感じる。
「ってわけでさ、誰なんだろうって気になったら意識しすぎて、皆と喋るのなんか恥ずかしくなっちゃうんだよね」
放課後。親友に相談するために、空き教室に連れ込んだ。
「なんで俺に相談するんだ?」
「だってお前、彼女できただろ? お前が犯人じゃないことは分かってるから」
「……」
「寮長に聞いたら、『そっか? じゃあ二回目するか?』って壁ドンされたし、美術部の奴には『キス待ち顔、絵にかきたいんで、はい、目を閉じて』
って床ドンされたし」
「……ほう」
「なんか、みんな格好よっ何このシチュ。胸キュンじゃんって思えたら。俺、男もいいかも。ちやほやされて悪くない(笑) って思えてきた。なあ、お前。あの子から告白されたの? お前が好きって言ったの?」
「告白されたけど、俺好きな人いるから断った」
それは初耳と受はちょっと寂しくなった。
「お前好きな人いたんだ。いいなあ。やっぱ俺も恋してみたい」
と受ははにかむ
「お前のそのチョロいとこ、可愛いと思ってたんだけどな」
「んん?」
日差しが長く差し込む、がらんとした教室。
「……妬ける」
次の瞬間、唇にあの柔らかな感触が再び襲う。
一度唇が離れ、息つく間もなく今度は頭をぐいっと抑えられながら、何度も何度も。角度を変え啄むだけのキス。それでも受の顔は夕焼け色に染まった。ゆっくりと顔を離されて、彼の見たことない色気零れる顔つきに、最大級のきゅうーんが襲う。
「犯人、俺だよ」
そのあと切なげにぎゅっとハグされた。
受ちゃんの事をずっと思い続けてきた親友攻め君。受も承知と仕組まれて、他校女子の女子と二人っきりでカフェに行く羽目になり、内心あいつどうしてくれようと怒り狂っていた。
女子高との交流中も受に目を光らせるために常にガード。フラグをへし折り自分の方に向けされてきた。自分の気も知らぬ受が「失恋したかも」とか言いながらボンボンチョコに酔って幸せそうに寝入っている顔を見たら、胸の中に色々な感情が渦巻いて耐えきれなくなった。
(ずっと好きだった。手を出したら、親友でいられなくなるのが怖かった)
でも同じようなことがこれからも起こるかもしれない。
『やっぱ俺も恋してみたい』
なんて天使みたいに無邪気な笑顔で恋の相手を探そうとする受。無理やりにでも自分を意識させてみたい。口づけした後、怖くなって部屋を立ち去った。後できちんと告白する前に受が盛大な勘違いをした。
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