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第5話 拘束プレイ
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四肢と首を拘束されて布団に横たわったまま、蜜梨は天上を見上げていた。
よくよく見れば拘束の鎖は腹にも巻かれている。
無力で無抵抗な人間にする拘束にしては、厳重すぎる。
「逃げないようにっていうか、こんなん、もう趣味の範疇なんじゃ」
蜜梨の頭の中には監禁凌辱SM強姦プレイ展開の同人誌しか浮かばない。
(俺の汚れた心が現実逃避方向にしか思考展開しないんだけど。順当に考えたら、俺を攫って拘束してんのは、秘果さんだよな)
行く当てもなく神社で一人でいたところに通りかかってくれたのは、秘果だ。
何かを話したと思うが、会話の内容が上手く思い出せない。
「まさか、最初から、そういう趣味の人で、そういう目的で俺と知り合った、とか?」
優しくて穏やかな普段の雰囲気からは想像もできない。
(いやでも、ヤンデレとかメンヘラって、普段は仮面を被って日常生活送っているものだし)
そう考えて、血の気が下がった。
創作物なら面白いが、当事者になると最早、犯罪被害者だ。
(最初から、こういう目的で知り合ったのかな。SNSなんて、そういうのゴロゴロしてるし。適当に犯して遊べる男探してた、とか)
考えたら悲しくなった。
(秘果さんに限って、そんなんじゃないって思いたい。けど俺、秘果さんのこと、何も知らない)
趣味が同じで、二歳年上で、会社員で、住んでいる場所が近くて。
知っているのはその程度だ。
(その程度しか知らないのに、めちゃくちゃ信頼してた。浅はかすぎる。人付き合い慣れてないからかな。だから簡単に、犯罪まがいな状況に巻き込まれるんだ)
考えれば考えるほど悲しくなって、胸が苦しくなった。
(信じなきゃよかった。会わなきゃよかった。善い人だと思ってたのに)
胸の奥に黒い墨を零したように、不信感と憐憫が広がっていく。
(惨めだな。可哀想な、俺。あんな奴、もう二度と会いたくない。死んじゃえばいいんだ)
頭の中に沸き上がる負の感情が、どんどんエスカレートする。
心の奥が慌てた。
そこまで思っている訳じゃないのに、どんどん秘果が憎らしくなる。
自分が可哀想だと思うほど、秘果を殺したくなる。
(なんだ……? なんか、気持ちが変だ。悲しくて、同じくらい、秘果さんを、殺したい)
びくん、と大きく体がしなって跳ねた。
「ぁ……、ぁ、ぁぁっ!」
胸が苦しくて、手足が痛い。
体が鎖を引き千切ろうと、勝手に暴れ出した。
(何? 何で? 動こうなんて、思ってないのに。じっとしていられない。鎖を引き千切りたい。早く、あの竜を殺したい……。え? 竜って、何?)
枷が手足に食い込んで擦れる。
血が滲んで、鉄の匂いがした。
自分の腹の辺りに、黒い靄が掛かっているのが見えた。
「ぁぁ! ぅ……あぁぁ!」
口から勝手に叫び声が漏れる。
暴れて動いた鎖が余計に体に巻きついた。
(やだ、こんなの俺じゃない。何かが勝手に、体を動かしてる。この、黒い靄?)
気持ちは泣きたいのに、口からは獣のような呻きしか出せない。
思考が黒く浸食されていく。
(やだ、やだ……、このままじゃ、俺が俺じゃなくなる。やだ……)
何かに乗っ取られる。
ぼんやりとした恐怖が脳裏をかすめる。
「いやだ……、秘果、さん、助けて、秘果さん!」
懸命に絞り出した言葉は、秘果だった。
よくよく見れば拘束の鎖は腹にも巻かれている。
無力で無抵抗な人間にする拘束にしては、厳重すぎる。
「逃げないようにっていうか、こんなん、もう趣味の範疇なんじゃ」
蜜梨の頭の中には監禁凌辱SM強姦プレイ展開の同人誌しか浮かばない。
(俺の汚れた心が現実逃避方向にしか思考展開しないんだけど。順当に考えたら、俺を攫って拘束してんのは、秘果さんだよな)
行く当てもなく神社で一人でいたところに通りかかってくれたのは、秘果だ。
何かを話したと思うが、会話の内容が上手く思い出せない。
「まさか、最初から、そういう趣味の人で、そういう目的で俺と知り合った、とか?」
優しくて穏やかな普段の雰囲気からは想像もできない。
(いやでも、ヤンデレとかメンヘラって、普段は仮面を被って日常生活送っているものだし)
そう考えて、血の気が下がった。
創作物なら面白いが、当事者になると最早、犯罪被害者だ。
(最初から、こういう目的で知り合ったのかな。SNSなんて、そういうのゴロゴロしてるし。適当に犯して遊べる男探してた、とか)
考えたら悲しくなった。
(秘果さんに限って、そんなんじゃないって思いたい。けど俺、秘果さんのこと、何も知らない)
趣味が同じで、二歳年上で、会社員で、住んでいる場所が近くて。
知っているのはその程度だ。
(その程度しか知らないのに、めちゃくちゃ信頼してた。浅はかすぎる。人付き合い慣れてないからかな。だから簡単に、犯罪まがいな状況に巻き込まれるんだ)
考えれば考えるほど悲しくなって、胸が苦しくなった。
(信じなきゃよかった。会わなきゃよかった。善い人だと思ってたのに)
胸の奥に黒い墨を零したように、不信感と憐憫が広がっていく。
(惨めだな。可哀想な、俺。あんな奴、もう二度と会いたくない。死んじゃえばいいんだ)
頭の中に沸き上がる負の感情が、どんどんエスカレートする。
心の奥が慌てた。
そこまで思っている訳じゃないのに、どんどん秘果が憎らしくなる。
自分が可哀想だと思うほど、秘果を殺したくなる。
(なんだ……? なんか、気持ちが変だ。悲しくて、同じくらい、秘果さんを、殺したい)
びくん、と大きく体がしなって跳ねた。
「ぁ……、ぁ、ぁぁっ!」
胸が苦しくて、手足が痛い。
体が鎖を引き千切ろうと、勝手に暴れ出した。
(何? 何で? 動こうなんて、思ってないのに。じっとしていられない。鎖を引き千切りたい。早く、あの竜を殺したい……。え? 竜って、何?)
枷が手足に食い込んで擦れる。
血が滲んで、鉄の匂いがした。
自分の腹の辺りに、黒い靄が掛かっているのが見えた。
「ぁぁ! ぅ……あぁぁ!」
口から勝手に叫び声が漏れる。
暴れて動いた鎖が余計に体に巻きついた。
(やだ、こんなの俺じゃない。何かが勝手に、体を動かしてる。この、黒い靄?)
気持ちは泣きたいのに、口からは獣のような呻きしか出せない。
思考が黒く浸食されていく。
(やだ、やだ……、このままじゃ、俺が俺じゃなくなる。やだ……)
何かに乗っ取られる。
ぼんやりとした恐怖が脳裏をかすめる。
「いやだ……、秘果、さん、助けて、秘果さん!」
懸命に絞り出した言葉は、秘果だった。
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