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第五章 暗雲の再来
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伝蔵の家から帰る頃には、空は茜に染まっていた。
「すっかり遅くなったなぁ。伝蔵や左七郎と話していたら、いつの間にか夕暮れだ」
喜乃が嬉しそうに長喜を見上げた。
「伝蔵さん、元気になったね。笑い声が隣の部屋まで聞こえたよ。菊園さんも安堵していたんだ。長喜兄さんには、人を元気にする力があるね。私も兄さんといると、安心するんだ」
喜乃が満面の笑みを見せる。照れ臭くなって、長喜は頬を掻いた。
「伝蔵も、話している時は少しも元気だったがなぁ。すぐには筆を握れねぇだろうが。まぁ、また話し相手になってやろうぜ。俺も楽しいからな。お喜乃は、どうだったんだ? 三味線は、楽しかったか?」
喜乃が、こくりと頷く。
「とても楽しかった。菊園さんね、三味線がとっても上手なの。琴も弾けるんだって。三味線を覚えたら、次は琴を習うんだ。長喜兄さんも、また一緒に行こうね」
「また一緒に、伝蔵の顔を見に行こう。三味線が巧くなったら、弾いて聴かせてくれよ。次の土産は、何にするかなぁ」
喜乃の頭を撫でる。
「もう幼子じゃないんだから、頭を撫でるのは、よしてよ。次のお土産は扇屋の羊羹よ」
ぷぅと頬を膨らます様は、童のようだ。不満そうだが、手を払いのける素振はない。
(耕書堂に来た日にも、こうして頭を撫でたなぁ。あれから、もう八年も経つのか。あの時は払い退けようとしていたよなぁ)
急に、あの日の様子を懐かしく思い返した。
五歳だった童は、十三歳の娘に成長した。
(これから、お喜乃は、どうなるんだろうな。いつまでも耕書堂にいるって訳にも、いかねぇだろうし……)
長喜は思考を止めた。
(深入りは、しねぇんだったな。……けど、本当に、それでいいのか? お喜乃は幸せに、なれんのか?)
考え込んで歩いていると、喜乃が袖を引いた。
「長喜兄さん、店先に旦那さんが立っているよ。誰かを探しているみたい。何か、あったのかな」
耕書堂の外に重三郎が立っている。落ち着きのない様子で通りを見廻していた。
長喜は、重三郎に駆け寄った。
「蔦重さん、どうしたんでぇ。こねぇな夕暮れ時に、誰か、探していんのけぇ?」
長喜に声を掛けられた重三郎が、目を吊り上げた。
「誰も彼もねぇ! 手前ぇとお喜乃を待っていたんだよ! いつまで経っても帰ぇってこねぇ、放蕩野郎が!」
重三郎の雷に、長喜は耳を塞いだ。
「今日は伝蔵の所に行くから遅くなるってぇ伝えていたでしょう。何も、そねぇに怒らねぇでもいいでしょうに」
「遅くなるにも程度があらぁ! 手前ぇの言い訳を聞いている暇は、ねぇんだよ。お喜乃、十郎兵衛様が御見えだ。さっさと中に入ぇりな」
低く響いた重三郎の声に、喜乃が頷く。早足で店の中へと入っていった。
「十郎兵衛様が、お喜乃に会いに来るなぁ、常だろ。何だって、そねぇに怒っていなさるんで?」
頭を掻きながら、長喜は安閑に問う。
「明後日には、お喜乃を十郎兵衛様の元に戻す。急ぎで段取りしなきゃぁならねぇんだよ」
長喜は呆けた。重三郎が、お構いなしに、店の中へと戻っていく。
「ちょぃと、待ってくれ、蔦重さん。いくら何でも、急すぎるぜ。お喜乃は何も知らねぇんだろ。何も話しちゃいなかったぜ」
重三郎に続いて、長喜も店の中に入った。
「お喜乃には、今から十郎兵衛様がお話しになるだろうよ。いつかは戻る約束だったんだ。今でも、おかしかねぇだろ」
廊下を歩く重三郎の背中を追いかける。
「そりゃぁ、そうかも、しれねぇが。でも、お喜乃の気持ちは、どうなるんだ。あいつぁ、まだ耕書堂にいてぇと思っているんだぜ。明後日なんて急ぎじゃぁなく、ゆっくり考えさせてやるべきだろ」
重三郎が突然に、歩みを止めた。
「お喜乃の気持ちは汲めねぇ。お喜乃は、従うしかねぇんだ。そういう身の上なんだよ」
「……何だ? 何だよ、その身の上ってぇのは! 手前ぇの居所すら手前ぇで決められねぇ身の上ってぇのは、何なんだよ!」
怒鳴った自分に、驚いた。平素なら、出るはずのない大声だった。
重三郎が振り返り、長喜の襟を掴み上げた。
「伝蔵に忠告されたろうが。深入りは、すんな。手前ぇじゃぁ、どうにもできやしねぇんだ」
長喜は、重三郎の襟を掴み返した。
「戻れば、お喜乃は幸せなのか? ここにいるより、幸せになれんのか? 俺ぁ、この八年、お喜乃とずっと一緒に暮らしてきたんだ。誰より傍にいたんだよ。あいつの気持ちを知っていんのは、俺だけだ! お喜乃は耕書堂で絵を描いて暮らしてぇんだ。あいつが時を掛けて見付けた居所を、簡単に奪うんじゃぁねぇ!」
長喜の中に積もった鬱憤が吹き出した。
長喜の威力に気圧されて、重三郎が後退った。
「すまない、長喜殿。私が其方に先に話を通すべきであった。不躾な振舞を詫びよう。どうか、怒りを収めてくれまいか」
十郎兵衛が長喜に向かい、頭を下げていた。
「……いや、俺こそ、騒がしくして、すいやせん……」
目が覚めたように正気に戻り、長喜は重三郎から手を離した。
喜乃が駆け寄り、長喜にしがみ付いた。肩が小刻みに震えている。顔は見えないが、泣いているのだろう。長喜は喜乃の肩を優しく抱いた。
喜乃の姿を眺めていた十郎兵衛が長喜に目の先を移した。
「少しばかり、儂の話に付き合うてはくれまいか、長喜殿。其方も儂に聞きたい話が山とあるはずだ」
十郎兵衛の目が鈍く光る。長喜は、ごくりと唾を飲み込んだ。
(伝蔵も蔦重さんも、お喜乃を守っちゃぁくれねぇ。深入りするな、だと? もう、とっくに俺ぁ、お喜乃に深入りしている。覚悟なんざ、元より決まっていたんだ)
長喜は、しっかりと頷いた。
「わかりやした。仰る通り、聞きてぇ話は山とありやす。俺の問いの総てに、答えていただきやすぜ」
喜乃の身を離す。見上げた顔が涙に濡れている。
「べそを掻くなよ。もう童じゃぁねぇんだろ。自分の部屋で、大人にして待っていな」
喜乃の目尻の涙を拭うと、十郎兵衛に向き直った。
腹を据えて、長喜は十郎兵衛に歩み寄った。
「すっかり遅くなったなぁ。伝蔵や左七郎と話していたら、いつの間にか夕暮れだ」
喜乃が嬉しそうに長喜を見上げた。
「伝蔵さん、元気になったね。笑い声が隣の部屋まで聞こえたよ。菊園さんも安堵していたんだ。長喜兄さんには、人を元気にする力があるね。私も兄さんといると、安心するんだ」
喜乃が満面の笑みを見せる。照れ臭くなって、長喜は頬を掻いた。
「伝蔵も、話している時は少しも元気だったがなぁ。すぐには筆を握れねぇだろうが。まぁ、また話し相手になってやろうぜ。俺も楽しいからな。お喜乃は、どうだったんだ? 三味線は、楽しかったか?」
喜乃が、こくりと頷く。
「とても楽しかった。菊園さんね、三味線がとっても上手なの。琴も弾けるんだって。三味線を覚えたら、次は琴を習うんだ。長喜兄さんも、また一緒に行こうね」
「また一緒に、伝蔵の顔を見に行こう。三味線が巧くなったら、弾いて聴かせてくれよ。次の土産は、何にするかなぁ」
喜乃の頭を撫でる。
「もう幼子じゃないんだから、頭を撫でるのは、よしてよ。次のお土産は扇屋の羊羹よ」
ぷぅと頬を膨らます様は、童のようだ。不満そうだが、手を払いのける素振はない。
(耕書堂に来た日にも、こうして頭を撫でたなぁ。あれから、もう八年も経つのか。あの時は払い退けようとしていたよなぁ)
急に、あの日の様子を懐かしく思い返した。
五歳だった童は、十三歳の娘に成長した。
(これから、お喜乃は、どうなるんだろうな。いつまでも耕書堂にいるって訳にも、いかねぇだろうし……)
長喜は思考を止めた。
(深入りは、しねぇんだったな。……けど、本当に、それでいいのか? お喜乃は幸せに、なれんのか?)
考え込んで歩いていると、喜乃が袖を引いた。
「長喜兄さん、店先に旦那さんが立っているよ。誰かを探しているみたい。何か、あったのかな」
耕書堂の外に重三郎が立っている。落ち着きのない様子で通りを見廻していた。
長喜は、重三郎に駆け寄った。
「蔦重さん、どうしたんでぇ。こねぇな夕暮れ時に、誰か、探していんのけぇ?」
長喜に声を掛けられた重三郎が、目を吊り上げた。
「誰も彼もねぇ! 手前ぇとお喜乃を待っていたんだよ! いつまで経っても帰ぇってこねぇ、放蕩野郎が!」
重三郎の雷に、長喜は耳を塞いだ。
「今日は伝蔵の所に行くから遅くなるってぇ伝えていたでしょう。何も、そねぇに怒らねぇでもいいでしょうに」
「遅くなるにも程度があらぁ! 手前ぇの言い訳を聞いている暇は、ねぇんだよ。お喜乃、十郎兵衛様が御見えだ。さっさと中に入ぇりな」
低く響いた重三郎の声に、喜乃が頷く。早足で店の中へと入っていった。
「十郎兵衛様が、お喜乃に会いに来るなぁ、常だろ。何だって、そねぇに怒っていなさるんで?」
頭を掻きながら、長喜は安閑に問う。
「明後日には、お喜乃を十郎兵衛様の元に戻す。急ぎで段取りしなきゃぁならねぇんだよ」
長喜は呆けた。重三郎が、お構いなしに、店の中へと戻っていく。
「ちょぃと、待ってくれ、蔦重さん。いくら何でも、急すぎるぜ。お喜乃は何も知らねぇんだろ。何も話しちゃいなかったぜ」
重三郎に続いて、長喜も店の中に入った。
「お喜乃には、今から十郎兵衛様がお話しになるだろうよ。いつかは戻る約束だったんだ。今でも、おかしかねぇだろ」
廊下を歩く重三郎の背中を追いかける。
「そりゃぁ、そうかも、しれねぇが。でも、お喜乃の気持ちは、どうなるんだ。あいつぁ、まだ耕書堂にいてぇと思っているんだぜ。明後日なんて急ぎじゃぁなく、ゆっくり考えさせてやるべきだろ」
重三郎が突然に、歩みを止めた。
「お喜乃の気持ちは汲めねぇ。お喜乃は、従うしかねぇんだ。そういう身の上なんだよ」
「……何だ? 何だよ、その身の上ってぇのは! 手前ぇの居所すら手前ぇで決められねぇ身の上ってぇのは、何なんだよ!」
怒鳴った自分に、驚いた。平素なら、出るはずのない大声だった。
重三郎が振り返り、長喜の襟を掴み上げた。
「伝蔵に忠告されたろうが。深入りは、すんな。手前ぇじゃぁ、どうにもできやしねぇんだ」
長喜は、重三郎の襟を掴み返した。
「戻れば、お喜乃は幸せなのか? ここにいるより、幸せになれんのか? 俺ぁ、この八年、お喜乃とずっと一緒に暮らしてきたんだ。誰より傍にいたんだよ。あいつの気持ちを知っていんのは、俺だけだ! お喜乃は耕書堂で絵を描いて暮らしてぇんだ。あいつが時を掛けて見付けた居所を、簡単に奪うんじゃぁねぇ!」
長喜の中に積もった鬱憤が吹き出した。
長喜の威力に気圧されて、重三郎が後退った。
「すまない、長喜殿。私が其方に先に話を通すべきであった。不躾な振舞を詫びよう。どうか、怒りを収めてくれまいか」
十郎兵衛が長喜に向かい、頭を下げていた。
「……いや、俺こそ、騒がしくして、すいやせん……」
目が覚めたように正気に戻り、長喜は重三郎から手を離した。
喜乃が駆け寄り、長喜にしがみ付いた。肩が小刻みに震えている。顔は見えないが、泣いているのだろう。長喜は喜乃の肩を優しく抱いた。
喜乃の姿を眺めていた十郎兵衛が長喜に目の先を移した。
「少しばかり、儂の話に付き合うてはくれまいか、長喜殿。其方も儂に聞きたい話が山とあるはずだ」
十郎兵衛の目が鈍く光る。長喜は、ごくりと唾を飲み込んだ。
(伝蔵も蔦重さんも、お喜乃を守っちゃぁくれねぇ。深入りするな、だと? もう、とっくに俺ぁ、お喜乃に深入りしている。覚悟なんざ、元より決まっていたんだ)
長喜は、しっかりと頷いた。
「わかりやした。仰る通り、聞きてぇ話は山とありやす。俺の問いの総てに、答えていただきやすぜ」
喜乃の身を離す。見上げた顔が涙に濡れている。
「べそを掻くなよ。もう童じゃぁねぇんだろ。自分の部屋で、大人にして待っていな」
喜乃の目尻の涙を拭うと、十郎兵衛に向き直った。
腹を据えて、長喜は十郎兵衛に歩み寄った。
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