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第Ⅰ章 ゲーム本編①
52.宰相シエナからの提示
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「さて、まずはノエルに報告をしておこう。凡その措置はノエルの提案を汲む形に収まった。国の存続まで見越した優秀な采配であると、国王も評価していたよ」
つまり、『呪い』関連の揉み消し後、教会は継続して存続し、ノアは大司教を引退する運びとなったのだろう。
アーロに聞いた通りだ。
「お褒めに預かり、恐縮です。ノア様は、今後、どうなりますか?」
国の預かりとは聞いているが、具体的な処置は知らない。
監禁状態にでもなってしまったら、それはそれで困る。
(ノアには動ける立場を維持してもらわないといけない。でないと、後半の展開に響く)
「ノアは現在、国が監禁している。今後は、条件付きの魔力の解放を考えている。ユリウスから提案があってな。今日はそれを話し合いたい」
「ユリウス先生から?」
ユリウスからは何も聞いていない。
「ノアを埋もれさせておくのは勿体ないと伝えただけだよ。有効に活用できるなら、そのほうが良い」
ユリウスはいつも通りの顔をしている。
(でもきっとユリウスは、ノアを大事な友人だと思っているんだ。昔の二人に何があったかはわからないけど、今でもきっと、そうなんだろう)
アーロの話や、あの時の二人のやり取りから、そう思った。
(亀裂が入ってしまったような印象を受けたけど、また距離が近づくといい。ユリウスのためにも)
「有効活用するなら、魔力封印を解かねばならん。だが、縛りは必須だ。その条件だが、ノエルの護衛を考えている。その上で、学院の非常勤講師でもやっておいてもらおう」
ノエルの表情筋が、固まった。
ユリウスの表情も強張っている。
「今更、ノエルに護衛は必要ないよ。最大の脅威はノア自身だった。アレをまたノエルの身近に付けるほうが危険だ」
ユリウスの意見は真っ当だ。
「そうですよ、今現在、誰かに狙われている訳でもないですし。傍にはユリウス先生もいてくれますし」
ユリウスが驚いた顔をしている。
ノエルが小首を傾げると、シエナが小さく吹き出した。
ぽん、とユリウスに頭を撫でられた。
「ユリウスを随分と信頼しているのだな。だが、私がいう護衛は監視の意を含む。ユリウスとノエル、二人纏めた監視だ」
ユリウスが表情を変えた。
「それなら、アーロで事足りるはずだ。僕は一度もアーロの監視を拒んだことはないよ。聖魔術師としての最低限の仕事も、こなしている」
「アーロ一人で二人の監視はオーバーワークだ。彼の仕事の性質を考えても、監視としては些か心許ない」
なるほどな、とノエルは察した。
ユリウスが気乗りしない聖魔術師の任を全うしている理由。
国内最強の魔力を誇る半魔を、国は放置できない。ユリウスに国家転覆の意志があろうとなかろうと、関係ない。
半魔のユリウスが何をきっかけに覚醒し、魔族側に寝返るかわからない。国からすれば大きな脅威だろう。
(王室と同じくらい歴史の長い侯爵家であるローズブレイドの子息といえど、特別扱いはできないか。ユリウスは強すぎるんだ)
しかし何故、同じような監視がノエルに必要なのかは、よくわからない。
その疑問には、シエナがすぐに答えてくれた。
「ノエルは今、体内に魔石が残っている状態だったな。属性が闇魔法特化なのは、恐らくそのせいだ。自分の体が半魔に近付いている事実には、気付いているか?」
「え?」
そんなこと、考えもしなかった。
「ノエルは人間だ。体内に魔石があろうと、魔族になることはない」
ユリウスの反論を、シエナが制した。
「勿論、その通りだ。それはユリウス、お前も同じだよ。ノエルもユリウスも人間だ。だが、体質や魔力が魔族に寄る事態は避けられない。我々は国家として、お前たちを放置できない。わかるだろう」
ユリウスが悔しそうに口を噤んだ。
(そうか、行きの馬車でユリウスが言っていた言葉の意味は、これか)
魔石のせいで魔力が魔族に寄り半魔化する、有り得ない話じゃない。
ノエルはユリウスに散々魔力を分けてもらっている。ユリウスの影響も強く受けているはずだ。
(だからって、それを不利益だとは思わない。むしろ、物語の後半に入れば都合がいい)
よく考えれば、聖魔術師に席を置くこともノアの護衛兼監視も、今後の展開をシナリオ通りに進めようと思うなら、都合がいいかもしれない。
(ノアに四六時中張り付かれるのは嫌だけど、多分、ノアも私のこと嫌いっぽいし、その辺はウィンウィンで何とか出来るだろう)
「それに、監視はあくまで名目だ。護衛の側面の方が大きい。これは、ノエルへの配慮だ。ノエル、自分の中和術について、何処まで知っている?」
本題がきた、と思った。
中和術のプレゼンに失敗したら、軟禁されるかもしれない。ここは慎重かつ確実に進めなければならない。
「マリアの中和術は一度に使う魔力消費が激しいから、何度も連発はできません。精々一日一回が限度でしょう。私の中和術は小出しにもできるので、そういう縛りはありません」
シエナがノエルをじっと見詰める。
「治癒系の中和術は、あくまで治癒を目的とする。人を殺めない魔法だ。だが、ノエルが使う戦闘特化の中和術は、使い方を誤れば人を殺める危険がある」
あえて避けた核心を、遠慮もなく突かれた。
それこそが、中和術が禁忌になった理由。
魔術師の持つ総ての魔力を中和すれば、魔力の核が砕ける。核が砕ければ、魔術師は文字通り死ぬ。
核を砕くか否か、合法と非合法の違いは、そこにある。
「ノエルが人を殺すために中和術を使うと? その危険性はないと、シエナも確信したはずだ。だからこそ、禁忌の解除を国王が了承したんだろう」
ユリウスがいつになく熱を持って話している。
「確かにその通りだ。精神操作による殺人にも対処の余地があると、ノアの事件で確信した。何より、ノエルの中和術には国王が期待している。君の知恵と発想と機転を含めてだ」
シエナが、一枚の紙をノエルの前に提示した。
『中和術の禁忌解除は、ノエル=ワーグナー個人に限る。
もし、精神操作など含めた本人の暴走行為で国から指示された刑罰以外の殺人を行った場合、術者本人をその場で処刑する』
全身に静かな寒気がじわじわと広がった。
少しずつ恐怖が込み上げて、視界がぐらついた。
「いくら何でも厳しすぎる。人を殺す魔法は中和術以外に、いくらでもある。中和術にだけ不当な待遇だ」
ウィリアムがシエナを非難した。
それを無視して、シエナが続ける。
「これが、禁忌解除の条件だ。ノアは、そのための監視兼護衛だ。相手に重傷を負わせても、光魔術師のノアなら治療ができる。死なせなければ、刑は執行されない」
ユリウスがテーブルを叩いた。
「違うだろ。ノアは死刑執行人だ。ノエルを利用して用済みになれば殺すつもりか? それじゃ『呪い』を利用していた教会と変わらない。あまりに卑劣なやり口だ、シエナ」
ユリウスの目が鋭い。
纏う気がどんどん殺気立っていく。
「なら、お前がノエルの監視をするか? ユーリ。過去の教訓を忘れる訳にはいかん。止められなければ、殺すしかない。お前にノエルが殺せるのか?」
「殺すつもりは最初からない。そうさせないために、傍にいる。ノエルには、同じ過ちは絶対にさせない」
シエナとユリウスが睨み合う。
(過去の教訓。そうか。以前に秘匿された全属性適応者の中和術師か)
稀代の天才と称されたサーシャ=アーサー=カリシア。
彼女は中和術を更に拡大した『広範囲中和術』という魔術で、魔術師の村一つを殲滅した。彼女は、ローズブレイド領に住まう半魔だった。
あまりに残酷だった事実を国は隠し、彼女は魔力を封じられて魔国に追放となった。
(それが大体百年くらい前の話だ。でも、彼女は今、精霊国に戻ってきている)
魔族の特性が強かったサーシャは長寿で、罪を許され母国に戻った。
実情は、強力な魔術師を囲っておきたかった当代の国王の政策だ。
今は、聖バルドル魔術学院の学長をしているはずだ。
(よく考えたら、今の私はサーシャと条件が似通っているんだ。この待遇も致し方ないのか。だったら、中和術なんか使えなくてもいいんだけどな)
それはそれで国が困るのだろう。
強力な魔術師は欲しいが、脅威になっては困るのだ。
悩ましくも迷惑な話である。
(ユリウスが熱くなる気持ちはわかる。サーシャはユリウスの家庭教師だった人だ)
精霊国に戻って間もなくの頃、サーシャはローズブレイド領に身を寄せていた。
サーシャはまだ幼いユリウスに沢山の魔術を教えた。その中の一つ、御伽噺として、中和術も話しているはずだ。ユリウスがノエルに中和術を勧めていた理由は、そこにあったのかもしれない。
(書けなかったシナリオの詳細設定。ノートには書き殴ったから、よく覚えてる)
ユリウスが半魔でサブキャラだった方が、後半のシナリオとしては面白くなったと思っていたから、余計に覚えている。
ただの人間の攻略対象にしたために削ったエピソードは山ほどあった。結果、只々、人間と魔族が対立する話になった。
話としては三流だったと思っている。
(乙女ゲだからね、恋愛イベントに萌えたら、それでいいけどね。魔族にも人間にも事情がある訳だから、善悪で区切ったりできないんだよ、実際はね)
ぼんやりと現実逃避しているノエルに、ウィリアムが声を掛けた。
「ノエル、大丈夫か? 顔が真っ青だ。少し休んだほうが良い」
「いえ……、大丈夫です」
ユリウスとシエナは口論を続けている。
休んだとところで現状は覆らないだろう。
ノエルは国が提示した条件を飲むしかない。
ウィリアムがノエルの手を握る。
その手が熱くて、自分の手が冷えているのだと気が付いた。
つまり、『呪い』関連の揉み消し後、教会は継続して存続し、ノアは大司教を引退する運びとなったのだろう。
アーロに聞いた通りだ。
「お褒めに預かり、恐縮です。ノア様は、今後、どうなりますか?」
国の預かりとは聞いているが、具体的な処置は知らない。
監禁状態にでもなってしまったら、それはそれで困る。
(ノアには動ける立場を維持してもらわないといけない。でないと、後半の展開に響く)
「ノアは現在、国が監禁している。今後は、条件付きの魔力の解放を考えている。ユリウスから提案があってな。今日はそれを話し合いたい」
「ユリウス先生から?」
ユリウスからは何も聞いていない。
「ノアを埋もれさせておくのは勿体ないと伝えただけだよ。有効に活用できるなら、そのほうが良い」
ユリウスはいつも通りの顔をしている。
(でもきっとユリウスは、ノアを大事な友人だと思っているんだ。昔の二人に何があったかはわからないけど、今でもきっと、そうなんだろう)
アーロの話や、あの時の二人のやり取りから、そう思った。
(亀裂が入ってしまったような印象を受けたけど、また距離が近づくといい。ユリウスのためにも)
「有効活用するなら、魔力封印を解かねばならん。だが、縛りは必須だ。その条件だが、ノエルの護衛を考えている。その上で、学院の非常勤講師でもやっておいてもらおう」
ノエルの表情筋が、固まった。
ユリウスの表情も強張っている。
「今更、ノエルに護衛は必要ないよ。最大の脅威はノア自身だった。アレをまたノエルの身近に付けるほうが危険だ」
ユリウスの意見は真っ当だ。
「そうですよ、今現在、誰かに狙われている訳でもないですし。傍にはユリウス先生もいてくれますし」
ユリウスが驚いた顔をしている。
ノエルが小首を傾げると、シエナが小さく吹き出した。
ぽん、とユリウスに頭を撫でられた。
「ユリウスを随分と信頼しているのだな。だが、私がいう護衛は監視の意を含む。ユリウスとノエル、二人纏めた監視だ」
ユリウスが表情を変えた。
「それなら、アーロで事足りるはずだ。僕は一度もアーロの監視を拒んだことはないよ。聖魔術師としての最低限の仕事も、こなしている」
「アーロ一人で二人の監視はオーバーワークだ。彼の仕事の性質を考えても、監視としては些か心許ない」
なるほどな、とノエルは察した。
ユリウスが気乗りしない聖魔術師の任を全うしている理由。
国内最強の魔力を誇る半魔を、国は放置できない。ユリウスに国家転覆の意志があろうとなかろうと、関係ない。
半魔のユリウスが何をきっかけに覚醒し、魔族側に寝返るかわからない。国からすれば大きな脅威だろう。
(王室と同じくらい歴史の長い侯爵家であるローズブレイドの子息といえど、特別扱いはできないか。ユリウスは強すぎるんだ)
しかし何故、同じような監視がノエルに必要なのかは、よくわからない。
その疑問には、シエナがすぐに答えてくれた。
「ノエルは今、体内に魔石が残っている状態だったな。属性が闇魔法特化なのは、恐らくそのせいだ。自分の体が半魔に近付いている事実には、気付いているか?」
「え?」
そんなこと、考えもしなかった。
「ノエルは人間だ。体内に魔石があろうと、魔族になることはない」
ユリウスの反論を、シエナが制した。
「勿論、その通りだ。それはユリウス、お前も同じだよ。ノエルもユリウスも人間だ。だが、体質や魔力が魔族に寄る事態は避けられない。我々は国家として、お前たちを放置できない。わかるだろう」
ユリウスが悔しそうに口を噤んだ。
(そうか、行きの馬車でユリウスが言っていた言葉の意味は、これか)
魔石のせいで魔力が魔族に寄り半魔化する、有り得ない話じゃない。
ノエルはユリウスに散々魔力を分けてもらっている。ユリウスの影響も強く受けているはずだ。
(だからって、それを不利益だとは思わない。むしろ、物語の後半に入れば都合がいい)
よく考えれば、聖魔術師に席を置くこともノアの護衛兼監視も、今後の展開をシナリオ通りに進めようと思うなら、都合がいいかもしれない。
(ノアに四六時中張り付かれるのは嫌だけど、多分、ノアも私のこと嫌いっぽいし、その辺はウィンウィンで何とか出来るだろう)
「それに、監視はあくまで名目だ。護衛の側面の方が大きい。これは、ノエルへの配慮だ。ノエル、自分の中和術について、何処まで知っている?」
本題がきた、と思った。
中和術のプレゼンに失敗したら、軟禁されるかもしれない。ここは慎重かつ確実に進めなければならない。
「マリアの中和術は一度に使う魔力消費が激しいから、何度も連発はできません。精々一日一回が限度でしょう。私の中和術は小出しにもできるので、そういう縛りはありません」
シエナがノエルをじっと見詰める。
「治癒系の中和術は、あくまで治癒を目的とする。人を殺めない魔法だ。だが、ノエルが使う戦闘特化の中和術は、使い方を誤れば人を殺める危険がある」
あえて避けた核心を、遠慮もなく突かれた。
それこそが、中和術が禁忌になった理由。
魔術師の持つ総ての魔力を中和すれば、魔力の核が砕ける。核が砕ければ、魔術師は文字通り死ぬ。
核を砕くか否か、合法と非合法の違いは、そこにある。
「ノエルが人を殺すために中和術を使うと? その危険性はないと、シエナも確信したはずだ。だからこそ、禁忌の解除を国王が了承したんだろう」
ユリウスがいつになく熱を持って話している。
「確かにその通りだ。精神操作による殺人にも対処の余地があると、ノアの事件で確信した。何より、ノエルの中和術には国王が期待している。君の知恵と発想と機転を含めてだ」
シエナが、一枚の紙をノエルの前に提示した。
『中和術の禁忌解除は、ノエル=ワーグナー個人に限る。
もし、精神操作など含めた本人の暴走行為で国から指示された刑罰以外の殺人を行った場合、術者本人をその場で処刑する』
全身に静かな寒気がじわじわと広がった。
少しずつ恐怖が込み上げて、視界がぐらついた。
「いくら何でも厳しすぎる。人を殺す魔法は中和術以外に、いくらでもある。中和術にだけ不当な待遇だ」
ウィリアムがシエナを非難した。
それを無視して、シエナが続ける。
「これが、禁忌解除の条件だ。ノアは、そのための監視兼護衛だ。相手に重傷を負わせても、光魔術師のノアなら治療ができる。死なせなければ、刑は執行されない」
ユリウスがテーブルを叩いた。
「違うだろ。ノアは死刑執行人だ。ノエルを利用して用済みになれば殺すつもりか? それじゃ『呪い』を利用していた教会と変わらない。あまりに卑劣なやり口だ、シエナ」
ユリウスの目が鋭い。
纏う気がどんどん殺気立っていく。
「なら、お前がノエルの監視をするか? ユーリ。過去の教訓を忘れる訳にはいかん。止められなければ、殺すしかない。お前にノエルが殺せるのか?」
「殺すつもりは最初からない。そうさせないために、傍にいる。ノエルには、同じ過ちは絶対にさせない」
シエナとユリウスが睨み合う。
(過去の教訓。そうか。以前に秘匿された全属性適応者の中和術師か)
稀代の天才と称されたサーシャ=アーサー=カリシア。
彼女は中和術を更に拡大した『広範囲中和術』という魔術で、魔術師の村一つを殲滅した。彼女は、ローズブレイド領に住まう半魔だった。
あまりに残酷だった事実を国は隠し、彼女は魔力を封じられて魔国に追放となった。
(それが大体百年くらい前の話だ。でも、彼女は今、精霊国に戻ってきている)
魔族の特性が強かったサーシャは長寿で、罪を許され母国に戻った。
実情は、強力な魔術師を囲っておきたかった当代の国王の政策だ。
今は、聖バルドル魔術学院の学長をしているはずだ。
(よく考えたら、今の私はサーシャと条件が似通っているんだ。この待遇も致し方ないのか。だったら、中和術なんか使えなくてもいいんだけどな)
それはそれで国が困るのだろう。
強力な魔術師は欲しいが、脅威になっては困るのだ。
悩ましくも迷惑な話である。
(ユリウスが熱くなる気持ちはわかる。サーシャはユリウスの家庭教師だった人だ)
精霊国に戻って間もなくの頃、サーシャはローズブレイド領に身を寄せていた。
サーシャはまだ幼いユリウスに沢山の魔術を教えた。その中の一つ、御伽噺として、中和術も話しているはずだ。ユリウスがノエルに中和術を勧めていた理由は、そこにあったのかもしれない。
(書けなかったシナリオの詳細設定。ノートには書き殴ったから、よく覚えてる)
ユリウスが半魔でサブキャラだった方が、後半のシナリオとしては面白くなったと思っていたから、余計に覚えている。
ただの人間の攻略対象にしたために削ったエピソードは山ほどあった。結果、只々、人間と魔族が対立する話になった。
話としては三流だったと思っている。
(乙女ゲだからね、恋愛イベントに萌えたら、それでいいけどね。魔族にも人間にも事情がある訳だから、善悪で区切ったりできないんだよ、実際はね)
ぼんやりと現実逃避しているノエルに、ウィリアムが声を掛けた。
「ノエル、大丈夫か? 顔が真っ青だ。少し休んだほうが良い」
「いえ……、大丈夫です」
ユリウスとシエナは口論を続けている。
休んだとところで現状は覆らないだろう。
ノエルは国が提示した条件を飲むしかない。
ウィリアムがノエルの手を握る。
その手が熱くて、自分の手が冷えているのだと気が付いた。
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