7 / 50
第1章「内緒の子ども」
6.住み慣れた我が家
しおりを挟む
野田の隣の男の子は面識のない人間の登場に驚いて泣き止み、しゃっくりしている。
「寺田先生から早退したって聞いたけど、そんなに具合が悪いのか?」
彼女はゆっくり立ち上がり、頷く。
「スカイが……、弟が先週、幼稚園でRSウイルスっていう風邪をもらってきて、弟はもう治ったんですけど、今度は私がしんどくて、早退して」
先日、野田が商店街にいたのは、弟であるスカイをスーパーの隣の小児科に連れていくためだったらしい。
スマホのアプリで診察の進み具合を確認していて、自分たちの番が来てしまったために慌てて立ち去ったそうだ。今日は野田が駅前の内科にかかって、その帰りだという。
「検査してもらって、一応陰性だったんですけど、まだ微熱があって」
「小児科に……」
先週の夜、子どもを抱えて走っていた姿を思い出した。
「この前の夜、商店街を走っていたのも野田だったのか?」
野田はぱちぱちと目を瞬かせ、顔を赤く染めた。
「見られてたんですか? 弟が、お腹が空いたけど具合が悪いって言うから、コンビニに行ってポカリとかゼリーとか買わなきゃと思って」
「置いてけばいいのに」
「小さい子を一人で置いておけませんよ」
「え? 親はいないの?」
「仕事でいませんでした」
「……大変だな。家は近いのか? 送ってくよ」
「そんな。もし、本当はやっぱり風邪で、千葉先生にうつったら大変じゃないですか」
「陰性だったんだろ? ぼーっとしていて弟に何かあったらそっちのほうが大変じゃん」
熱が出ていればただでさえ辛いのに、子どもにちょろちょろされたら堪ったものではない。
「……じゃあ、お言葉に甘えて。せめてこれどうぞ」
野田はぱんぱんに膨れたトートバッグから、ビニールで個包装されたマスクを取り出した。
「マスクといい、この前のウェットティッシュといい、準備がいいな」
「子どもを連れていると準備がよくなるんですよ。どうしても」
彼女は女子高生に似つかわしくない台詞を、重たいため息と一緒に吐き出す。
「スカイはマスクしなーい!」
スカイは高らかに宣言し、元気いっぱいスキップし始めた。
にこにこすると、たれ目であることがよくわかった。
「ほら、その家出する時みたいな大荷物、持ってやるから貸して」
野田は遠慮がちにトートバッグを差しだす。
細い指に刻まれた傷が痛々しい。触れないように細心の注意を払い、荷物を受け取った。
「もんだいだすねー!」
俺と素直に手を繋いでくれたスカイがそんなことを言い出す。
「すみません。クイズとかなぞなぞとか大好きみたいで」
「いいよ。かかってきなさい」
「パンはパンでも食べられないパンは?」、「手の中に何が入っているでしょう」。姪っ子たちの出すクイズやなぞなぞに長時間付き合った経験がある。相手をするのは慣れっこだ。
「じゃあ、せかいでいちばん、おおきいどーぶつは?」
想定していたよりも本格的なクイズだった。しかし子どもだから、たかが知れている。やはり難易度は低い。大人を舐めないでいただきたい。
「ゾウ~!」
「ぶーっ! せーかいは、シロナガスクジラでした!」
「えっ……!?」
自信満々に答えて間違えたし、いたいけな幼児の口から「シロナガスクジラ」などという単語が出てきて動揺する。
「スカイのかち! じゃあー、せかいでいちばんおおきいくるまは?」
「……クレーン車?」
はしご車と迷いながら答える。
「ぶっぶー! バケットホイールエクスカベータ―でーす!」
「聞いたことすら無いんだけど!? 幼児だからって侮ってたな……」
「この子、結構賢いんですよ」
野田は控えめに言うが、どこか誇らしげだ。
商店街の出口で、彼女は折り畳み傘を広げ差し出した。
「先生、よかったら使ってください。私の家、すぐそこのマンションなのでもう大丈夫です」
指したのは灰色の、十四階建てのマンションだった。目の前の短い横断歩道を渡ればすぐマンションのエントランスに入ることができる。二階には住み慣れた我が家があった。
「野田、あそこに住んでんの?」
小雨に濡れながら思わずはしゃいだ声を出すと、野田の目に警戒の色が滲む。慌ててあのマンションの二階に家族と住んでいることを教えると、今度は目を丸くさせた。
「偶然ですね」
「せんせーのいえ、にかい?」
スカイは両手それぞれの人差し指と中指を立てた。合計で四になってしまうが「そうだよ」と頷いてみせる。いつの間にかスカイからも「せんせー」と呼ばれていた。
「そう。先生の家は二階。二○一に住んでんの。遊びに来ていいよ」
「スカイのいえ、じゅうさんかい!」
「十三階? さすが藤ヶ峰の生徒。セレブだなあ」
「賃貸ですよ。うちは庶民です」
三人でホールに入りエレベーターに乗り込む。
普段は非常階段を使うから、エレベーターに乗るのは小学生の時以来だ。マンション内で涼真と鬼ごっこをしている時に乗って、管理人に見つかりきつく怒られた。
野田の家があるという十三階に到着し通路に出る。視界を遮るものが何も無く、街中が小雨に濡れる様子が見渡せた。
二三階建ての一軒家が模型のように小さく感じる。遠くには灰色の山々が繋がっていた。快晴ならば青く見えていただろう。
同じマンションなのに二階からの風景とはあまりにも違っている。二階の通路からは向かいの住宅のベランダがのぞけるだけだ。
姉の家もマンションの十階だが、目の前をビルや高層マンションに囲まれているので通路からは景色を拝むことができない。
スカイが「だっこ」と言って腕を伸ばす。野田が「無理だよ」と眉間に皺を寄せたが、抱っこしてやった。
小さいのにずっしりと重い。シエルやノエルが幼稚園児だった頃は、二人いっぺんにふわっと抱きかかえることができた。性別が異なると筋肉の量に差ができるのか、スカイには重量感がある。
抱っこされて、スカイは嬉しそうに遠くを指さす。
「あっちがスカイのよーちえん!」
そう言われても、どの建物を指しているのかわからない。方角が合っているかどうかも怪しい。
「せんせーのよーちえん、どっち?」
「先生は幼稚園行ってないんだよ。大学ってとこに通ってんの」
「ダイガク、どっち?」
テキトーな方向を指して「あっち」と答えると、満足したように通路に下りた。
野田は一三〇一号室の前で立ち止まり、ポケットからキーホルダーの付いた鍵を散り出す。
「親御さんは帰ってないの?」
「はい、まだですね。仕事してます」
「オヤゴサンって、だれ~?」
「スカイくんのパパとママのこと」
「パパとママ、とーきょーにいってるよ」
「へえ、出張?」
野田は鍵穴にうまく鍵をさせずに落としてしまった。ドアに手をつきながら拾うと、商店街でそうしていたように、またしゃがみ込んでしまう。
「大丈夫か?」
見かけよりずっと具合が悪いのだろうという気がした。彼女はゆっくりと立ち上がり、「大丈夫です」と呟いてやっと錠を開けた。
「先生、ありがとうございました」
「ゆっくり休みなよ」
「ばいばーい!」
スカイが手を振り部屋の中に消える。野田はトートバッグを受け取り、頭を下げてドアを閉めた。
「スカイ! 手ぇ洗いなさい!」
ドアの向こうからスカイの足音と野田の声が聞こえてきた。ゆっくり休むなんて不可能に違いない。
大変だとは思うが、これ以上してやれることも無い。
エレベーターに戻りながらまた街並みを見下ろすと、ジオラマのような住宅街の中に十字架が見えた。近所に教会があるだなんて今まで知らなかった。
十字架に向かって「高いところからではございますが、野田の熱が下がりますように」と心の中で唱え、藤ヶ峰女学園でするように手のひらを合わせた。
スーツを脱ぎ捨て部屋着に着替える度、社会人にはなりたくないと強く思う。
父もスーツを着て出勤するが、こんな窮屈な服をよくも毎日着られるものだ。肩が凝ってしょうがない。
今晩のメニューは冷凍してあるカレー。冷凍するために抜いたジャガイモだけまた茹でればいい。そう思っていたのだが、そういえば冷凍ごはんのストックが無い。
研いだ米を炊飯器にセットし、ジャガイモの皮をむいているとインターフォンが鳴った。
配達業者が来たのだろうと思い、いつものように通話ボタンを押そうとして手を止めた。
モニターに映されているのは二階の通路だった。つまりこの家の玄関の前だ。通路の様子だけが表示され、誰の姿も無い。
訪れたのが業者だったとしても、ここはオートロック付きのマンションだから、まず一階のエントランスの呼び出しボタンが鳴らされるはずだ。
ピンポンダッシュだろうか。しばらくモニターを見つめていると、もう一度「ピンポン」と呼び出し音が鳴った。
「せんせー」
ざらざらしたノイズと一緒に、スピーカーから妖精のような声がした。画面の端に誰かの黒い頭がちらつく。
「せんせー、せんせー」
この声は。
「あそびにきたよー」
慌てて玄関まで走りドアを開ける。
インターフォンを楽しそうに連打するスカイが立っていた。
「寺田先生から早退したって聞いたけど、そんなに具合が悪いのか?」
彼女はゆっくり立ち上がり、頷く。
「スカイが……、弟が先週、幼稚園でRSウイルスっていう風邪をもらってきて、弟はもう治ったんですけど、今度は私がしんどくて、早退して」
先日、野田が商店街にいたのは、弟であるスカイをスーパーの隣の小児科に連れていくためだったらしい。
スマホのアプリで診察の進み具合を確認していて、自分たちの番が来てしまったために慌てて立ち去ったそうだ。今日は野田が駅前の内科にかかって、その帰りだという。
「検査してもらって、一応陰性だったんですけど、まだ微熱があって」
「小児科に……」
先週の夜、子どもを抱えて走っていた姿を思い出した。
「この前の夜、商店街を走っていたのも野田だったのか?」
野田はぱちぱちと目を瞬かせ、顔を赤く染めた。
「見られてたんですか? 弟が、お腹が空いたけど具合が悪いって言うから、コンビニに行ってポカリとかゼリーとか買わなきゃと思って」
「置いてけばいいのに」
「小さい子を一人で置いておけませんよ」
「え? 親はいないの?」
「仕事でいませんでした」
「……大変だな。家は近いのか? 送ってくよ」
「そんな。もし、本当はやっぱり風邪で、千葉先生にうつったら大変じゃないですか」
「陰性だったんだろ? ぼーっとしていて弟に何かあったらそっちのほうが大変じゃん」
熱が出ていればただでさえ辛いのに、子どもにちょろちょろされたら堪ったものではない。
「……じゃあ、お言葉に甘えて。せめてこれどうぞ」
野田はぱんぱんに膨れたトートバッグから、ビニールで個包装されたマスクを取り出した。
「マスクといい、この前のウェットティッシュといい、準備がいいな」
「子どもを連れていると準備がよくなるんですよ。どうしても」
彼女は女子高生に似つかわしくない台詞を、重たいため息と一緒に吐き出す。
「スカイはマスクしなーい!」
スカイは高らかに宣言し、元気いっぱいスキップし始めた。
にこにこすると、たれ目であることがよくわかった。
「ほら、その家出する時みたいな大荷物、持ってやるから貸して」
野田は遠慮がちにトートバッグを差しだす。
細い指に刻まれた傷が痛々しい。触れないように細心の注意を払い、荷物を受け取った。
「もんだいだすねー!」
俺と素直に手を繋いでくれたスカイがそんなことを言い出す。
「すみません。クイズとかなぞなぞとか大好きみたいで」
「いいよ。かかってきなさい」
「パンはパンでも食べられないパンは?」、「手の中に何が入っているでしょう」。姪っ子たちの出すクイズやなぞなぞに長時間付き合った経験がある。相手をするのは慣れっこだ。
「じゃあ、せかいでいちばん、おおきいどーぶつは?」
想定していたよりも本格的なクイズだった。しかし子どもだから、たかが知れている。やはり難易度は低い。大人を舐めないでいただきたい。
「ゾウ~!」
「ぶーっ! せーかいは、シロナガスクジラでした!」
「えっ……!?」
自信満々に答えて間違えたし、いたいけな幼児の口から「シロナガスクジラ」などという単語が出てきて動揺する。
「スカイのかち! じゃあー、せかいでいちばんおおきいくるまは?」
「……クレーン車?」
はしご車と迷いながら答える。
「ぶっぶー! バケットホイールエクスカベータ―でーす!」
「聞いたことすら無いんだけど!? 幼児だからって侮ってたな……」
「この子、結構賢いんですよ」
野田は控えめに言うが、どこか誇らしげだ。
商店街の出口で、彼女は折り畳み傘を広げ差し出した。
「先生、よかったら使ってください。私の家、すぐそこのマンションなのでもう大丈夫です」
指したのは灰色の、十四階建てのマンションだった。目の前の短い横断歩道を渡ればすぐマンションのエントランスに入ることができる。二階には住み慣れた我が家があった。
「野田、あそこに住んでんの?」
小雨に濡れながら思わずはしゃいだ声を出すと、野田の目に警戒の色が滲む。慌ててあのマンションの二階に家族と住んでいることを教えると、今度は目を丸くさせた。
「偶然ですね」
「せんせーのいえ、にかい?」
スカイは両手それぞれの人差し指と中指を立てた。合計で四になってしまうが「そうだよ」と頷いてみせる。いつの間にかスカイからも「せんせー」と呼ばれていた。
「そう。先生の家は二階。二○一に住んでんの。遊びに来ていいよ」
「スカイのいえ、じゅうさんかい!」
「十三階? さすが藤ヶ峰の生徒。セレブだなあ」
「賃貸ですよ。うちは庶民です」
三人でホールに入りエレベーターに乗り込む。
普段は非常階段を使うから、エレベーターに乗るのは小学生の時以来だ。マンション内で涼真と鬼ごっこをしている時に乗って、管理人に見つかりきつく怒られた。
野田の家があるという十三階に到着し通路に出る。視界を遮るものが何も無く、街中が小雨に濡れる様子が見渡せた。
二三階建ての一軒家が模型のように小さく感じる。遠くには灰色の山々が繋がっていた。快晴ならば青く見えていただろう。
同じマンションなのに二階からの風景とはあまりにも違っている。二階の通路からは向かいの住宅のベランダがのぞけるだけだ。
姉の家もマンションの十階だが、目の前をビルや高層マンションに囲まれているので通路からは景色を拝むことができない。
スカイが「だっこ」と言って腕を伸ばす。野田が「無理だよ」と眉間に皺を寄せたが、抱っこしてやった。
小さいのにずっしりと重い。シエルやノエルが幼稚園児だった頃は、二人いっぺんにふわっと抱きかかえることができた。性別が異なると筋肉の量に差ができるのか、スカイには重量感がある。
抱っこされて、スカイは嬉しそうに遠くを指さす。
「あっちがスカイのよーちえん!」
そう言われても、どの建物を指しているのかわからない。方角が合っているかどうかも怪しい。
「せんせーのよーちえん、どっち?」
「先生は幼稚園行ってないんだよ。大学ってとこに通ってんの」
「ダイガク、どっち?」
テキトーな方向を指して「あっち」と答えると、満足したように通路に下りた。
野田は一三〇一号室の前で立ち止まり、ポケットからキーホルダーの付いた鍵を散り出す。
「親御さんは帰ってないの?」
「はい、まだですね。仕事してます」
「オヤゴサンって、だれ~?」
「スカイくんのパパとママのこと」
「パパとママ、とーきょーにいってるよ」
「へえ、出張?」
野田は鍵穴にうまく鍵をさせずに落としてしまった。ドアに手をつきながら拾うと、商店街でそうしていたように、またしゃがみ込んでしまう。
「大丈夫か?」
見かけよりずっと具合が悪いのだろうという気がした。彼女はゆっくりと立ち上がり、「大丈夫です」と呟いてやっと錠を開けた。
「先生、ありがとうございました」
「ゆっくり休みなよ」
「ばいばーい!」
スカイが手を振り部屋の中に消える。野田はトートバッグを受け取り、頭を下げてドアを閉めた。
「スカイ! 手ぇ洗いなさい!」
ドアの向こうからスカイの足音と野田の声が聞こえてきた。ゆっくり休むなんて不可能に違いない。
大変だとは思うが、これ以上してやれることも無い。
エレベーターに戻りながらまた街並みを見下ろすと、ジオラマのような住宅街の中に十字架が見えた。近所に教会があるだなんて今まで知らなかった。
十字架に向かって「高いところからではございますが、野田の熱が下がりますように」と心の中で唱え、藤ヶ峰女学園でするように手のひらを合わせた。
スーツを脱ぎ捨て部屋着に着替える度、社会人にはなりたくないと強く思う。
父もスーツを着て出勤するが、こんな窮屈な服をよくも毎日着られるものだ。肩が凝ってしょうがない。
今晩のメニューは冷凍してあるカレー。冷凍するために抜いたジャガイモだけまた茹でればいい。そう思っていたのだが、そういえば冷凍ごはんのストックが無い。
研いだ米を炊飯器にセットし、ジャガイモの皮をむいているとインターフォンが鳴った。
配達業者が来たのだろうと思い、いつものように通話ボタンを押そうとして手を止めた。
モニターに映されているのは二階の通路だった。つまりこの家の玄関の前だ。通路の様子だけが表示され、誰の姿も無い。
訪れたのが業者だったとしても、ここはオートロック付きのマンションだから、まず一階のエントランスの呼び出しボタンが鳴らされるはずだ。
ピンポンダッシュだろうか。しばらくモニターを見つめていると、もう一度「ピンポン」と呼び出し音が鳴った。
「せんせー」
ざらざらしたノイズと一緒に、スピーカーから妖精のような声がした。画面の端に誰かの黒い頭がちらつく。
「せんせー、せんせー」
この声は。
「あそびにきたよー」
慌てて玄関まで走りドアを開ける。
インターフォンを楽しそうに連打するスカイが立っていた。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。
設楽理沙
ライト文芸
☘ 累計ポイント/ 190万pt 超えました。ありがとうございます。
―― 備忘録 ――
第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。 最高 57,392 pt
〃 24h/pt-1位ではじまり2位で終了。 最高 89,034 pt
◇ ◇ ◇ ◇
紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる
素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。
隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が
始まる。
苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・
消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように
大きな声で泣いた。
泣きながらも、よろけながらも、気がつけば
大地をしっかりと踏みしめていた。
そう、立ち止まってなんていられない。
☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★
2025.4.19☑~
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる