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episode 6
実った初恋
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「ん……」
息を漏らしてうっすらと開いた藤瀬くんの目に、一番に私が映るなんて、こんなに嬉しいことはない。
「おはよう」
寝起きのむくみ顔を見られて幻滅されないように、なるべく可愛らしく微笑み、そっと藤瀬くんの頬に手を当てて朝一番の挨拶をすると。
「おはよう茉莉香」
と、まだしっかり覚醒していない、とろんとした目で藤瀬くんが返してくれた。
その可愛さといったら、想像もできないほどの破壊力で、朝から私の心臓に大ダメージを喰らわせてしまう。
本当に……なんて愛おしい人なんだろう。
藤瀬くんは私をぎゅっと抱きしめると「よかった」と一言小さく呟いた。
「夢じゃなくて……よかった」
加えられた力は、私に存在を確かめているかのようで。
「ここにいる。ずっといるよ」
私は藤瀬くんの鼓動を聞きながら、その逞しい身体を抱きしめ返した。
もちろん逞しくなっているのは胸板だけではなく。
私は朝からまた、元気になった藤瀬くんに翻弄されることになってしまった……。
おかげで朝ご飯と昼ご飯を3時のおやつに食べる、という何とも言えない食事をすることになってしまったのだからたまらない。
考えてみたら、昨日の晩御飯なんて、ほんの少ししか口にできていないのだから。
ドラマみたいなロマンティックなブランチなんて作る体力が残っているはずもなく、冷凍庫にあった冷凍のパスタで済ませてしまうあたり、妙なリアルさを感じた。
息を漏らしてうっすらと開いた藤瀬くんの目に、一番に私が映るなんて、こんなに嬉しいことはない。
「おはよう」
寝起きのむくみ顔を見られて幻滅されないように、なるべく可愛らしく微笑み、そっと藤瀬くんの頬に手を当てて朝一番の挨拶をすると。
「おはよう茉莉香」
と、まだしっかり覚醒していない、とろんとした目で藤瀬くんが返してくれた。
その可愛さといったら、想像もできないほどの破壊力で、朝から私の心臓に大ダメージを喰らわせてしまう。
本当に……なんて愛おしい人なんだろう。
藤瀬くんは私をぎゅっと抱きしめると「よかった」と一言小さく呟いた。
「夢じゃなくて……よかった」
加えられた力は、私に存在を確かめているかのようで。
「ここにいる。ずっといるよ」
私は藤瀬くんの鼓動を聞きながら、その逞しい身体を抱きしめ返した。
もちろん逞しくなっているのは胸板だけではなく。
私は朝からまた、元気になった藤瀬くんに翻弄されることになってしまった……。
おかげで朝ご飯と昼ご飯を3時のおやつに食べる、という何とも言えない食事をすることになってしまったのだからたまらない。
考えてみたら、昨日の晩御飯なんて、ほんの少ししか口にできていないのだから。
ドラマみたいなロマンティックなブランチなんて作る体力が残っているはずもなく、冷凍庫にあった冷凍のパスタで済ませてしまうあたり、妙なリアルさを感じた。
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