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episode 6
私の刃
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15時少し前。
私は給湯室でササッと化粧直しをした。
竹下さんと対峙した時、隙のある顔なんて見せたくなかったから。
ティッシュで口紅を抑え、気合を入れて階段を登り、竹下さんがいるであろうレストルームに向かった。
中の様子を伺うと、もう既に数人がいるようだ。
アウェイの私が一人で乗り込むのはかなりの勇気がいることだけど、今日を逃してしまってはチャンスはないと思う。
私は意を決して足を踏み入れた。
キャーキャーとガールズトークを繰り広げていた3人の女性の中に竹下さんを見つける。
「…あ、お疲れ様です」
「お疲れ様でーす」
2人の子が私に気付き、口々に挨拶する。
「お疲れ様」
ニッコリ笑って返すと、ゆっくり背を向けていた竹下さんが振り向いた。
「お疲れ様です三崎さん。珍しいですね、こんな所で」
「ちょっと企画に用があったの」
竹下さんは何かを察したかのように薄笑いを浮かべた。
「その用事、終わったんですか?」
「正確には今からが本題ってところね」
「へぇ…」
「あの…?」
2人のうちの1人が口を開く。
この状況の確認でもしたいのだろう。
「悪いんだけど竹下さんに話があるの。少しいいかしら?」
押し黙った2人に目を向けた竹下さんは、
「はぁい」
と気の抜けた返事をして私のところに歩み寄った。
私は給湯室でササッと化粧直しをした。
竹下さんと対峙した時、隙のある顔なんて見せたくなかったから。
ティッシュで口紅を抑え、気合を入れて階段を登り、竹下さんがいるであろうレストルームに向かった。
中の様子を伺うと、もう既に数人がいるようだ。
アウェイの私が一人で乗り込むのはかなりの勇気がいることだけど、今日を逃してしまってはチャンスはないと思う。
私は意を決して足を踏み入れた。
キャーキャーとガールズトークを繰り広げていた3人の女性の中に竹下さんを見つける。
「…あ、お疲れ様です」
「お疲れ様でーす」
2人の子が私に気付き、口々に挨拶する。
「お疲れ様」
ニッコリ笑って返すと、ゆっくり背を向けていた竹下さんが振り向いた。
「お疲れ様です三崎さん。珍しいですね、こんな所で」
「ちょっと企画に用があったの」
竹下さんは何かを察したかのように薄笑いを浮かべた。
「その用事、終わったんですか?」
「正確には今からが本題ってところね」
「へぇ…」
「あの…?」
2人のうちの1人が口を開く。
この状況の確認でもしたいのだろう。
「悪いんだけど竹下さんに話があるの。少しいいかしら?」
押し黙った2人に目を向けた竹下さんは、
「はぁい」
と気の抜けた返事をして私のところに歩み寄った。
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