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episode 1
初恋
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デスクに戻るとすぐに、先程の女子社員が社員にお茶を配り始めた。
俺の近くに来ると、なんとも複雑そうな顔ですり抜けていく。
三崎が戻ってくると、ヘラヘラした笑いを浮かべて口々にお礼を言っていく社員達を見ると不愉快だ。
『三崎の入れたお茶が美味い』と言われてぎこちない笑顔を返す三崎を横目に。
「そうかぁ?」
俺は大きな声でそう口にした。
「三崎が入れようが自分で入れようが味は変わらないでしょ」
皆が一斉にこちらを見たが、俺は構わず続ける。
「これからは各自、自分で入れましょうよ」
そして俺を凝視した三崎に対して、申し訳ない言葉を浴びせた。
「三崎もいちいち仕事中断すんな、効率わりぃ。だからお前はいつまでも俺の数字を抜けねぇんだよ」
ピシリと石のように固まった三崎に。
すまん。
ホントにすまん三崎。
お前がどんなに頑張ってるのか、ちゃんと解ってんのにこんな言い方しかできなくて。
心の中で何度も詫びながら冷ややかな表情でそう言うと。
「柴垣くんの言う通りだ。どうやら三崎くんに甘え過ぎてたな」
部長の一言に賛同が広がり、三崎はお茶くみの任を解かれたが。
あーあ。
俺はまた嫌われたんだろうな。
深い溜め息を伸びで誤魔化して、俺はデスクの整理に取り掛かった。
俺の近くに来ると、なんとも複雑そうな顔ですり抜けていく。
三崎が戻ってくると、ヘラヘラした笑いを浮かべて口々にお礼を言っていく社員達を見ると不愉快だ。
『三崎の入れたお茶が美味い』と言われてぎこちない笑顔を返す三崎を横目に。
「そうかぁ?」
俺は大きな声でそう口にした。
「三崎が入れようが自分で入れようが味は変わらないでしょ」
皆が一斉にこちらを見たが、俺は構わず続ける。
「これからは各自、自分で入れましょうよ」
そして俺を凝視した三崎に対して、申し訳ない言葉を浴びせた。
「三崎もいちいち仕事中断すんな、効率わりぃ。だからお前はいつまでも俺の数字を抜けねぇんだよ」
ピシリと石のように固まった三崎に。
すまん。
ホントにすまん三崎。
お前がどんなに頑張ってるのか、ちゃんと解ってんのにこんな言い方しかできなくて。
心の中で何度も詫びながら冷ややかな表情でそう言うと。
「柴垣くんの言う通りだ。どうやら三崎くんに甘え過ぎてたな」
部長の一言に賛同が広がり、三崎はお茶くみの任を解かれたが。
あーあ。
俺はまた嫌われたんだろうな。
深い溜め息を伸びで誤魔化して、俺はデスクの整理に取り掛かった。
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