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呪い
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家の中は玄関を入ると、すぐにキッチン。広めのその部屋には大きめなダイニングテーブルが置かれている。そして奥に寝室。お風呂。トイレは外。
寝室には大きな姿見が壁に立て掛けてあった。
縁は木製でグネグネと刺々しいツルが巻き、所々に葉や大輪の薔薇の花が咲いているデザイン。
なんとなく『鏡よ鏡、鏡さん…』と言いたくなるが、本当に答えが返ってきそうなので止めておく。
その中の鏡に自分の姿を映してみる。
白い『閻魔様』に、身体を修復してもらった結果。どうすればこうなるのか、多少元の顔の名残はあるものの美少女が出来上がっていた。
これでは、修復というよりは修正ではないか。
大きな目、長い睫毛。瞳は今までと同じ翡翠色だが、髪も翡翠色になっていた。艶やかな腰までの長い髪。パッチリな彫の深い顔立。身体も華奢ながらボン、キュッ…お尻は小さいかな。服は、地味だが仕立ての良いグレーの長いワンピース。
まず顔を洗って、しっかり目を覚まそう!と思ったが、山の中、水道などあるわけがない。
こんな時こそ、『魔法で水がでれば!』…とボウルに水のイメージ。そしたら出ましたよ、ボウルの底から湧き出るように。
魔法はイメージだと理解したところで、バシャバシャ顔を洗い、さて次は。
ランプに『光』!コンロに『火』を!
そして、バンッと窓を開け、『風』!!——すると、風の力で少し身体が浮いた。
すごい、すごい!ヒスイは興奮した。
家では学校でも友達とラノベや乙女ゲームで盛り上がり。ファンダジーの世界を夢見ていた。
憧れの世界が今ここにあるのだ。
さて。
家と服、生活魔法などは問題ないとして。
問題は『食べるもの』。庭に薬草と一緒に何種類か野菜が植えてあった。他は街に買い物に行かないと!
寝室に掛けてあったフード付ケープを羽織り、棚の引き出しのお金らしき巾着を持ち。ヒスイは山を下りてみることにした。
道は思っていたより分かりやすく、良い運動程度で山から出れた。街に向かい歩き始めてすぐ、事件は起きた。
場違いな程に妖艶な、赤い髪、赤いドレスの女性がいたのだ。
「あら、珍しい。こんな所に私以外に魔女がいるなんて。」と笑う。これは関わってはいけないパターンだ!
嫌な感じがする。頭で警報機が鳴りっぱなしだ。
「どうも。」とさり気無く通り過ぎようとしたがダメだった……
「若く美しい魔女は二人もいらないのよ。」と何かの魔法をかけた。
ああ、異世界に来て一日目で終わった??
運が悪い。ついてない。
もう少し勉強してから出るんだった…。
だって、魔法の対処方法がわからないんだもん。
——身体が痺れ、力が入らず地面に膝をつき、うずくまる。
冷や汗が流れる。
また、殺されちゃうんだ………と思ったが、大丈夫だった。
しばらくしたら、痺れも治まり回復した。
赤い魔女の姿も消えていた。
ただ、変わった。
白髪、シワシワのお婆ちゃんになってしまっていた。
美少女ライフは悲しくも一日も経たずに終わったのであった。
寝室には大きな姿見が壁に立て掛けてあった。
縁は木製でグネグネと刺々しいツルが巻き、所々に葉や大輪の薔薇の花が咲いているデザイン。
なんとなく『鏡よ鏡、鏡さん…』と言いたくなるが、本当に答えが返ってきそうなので止めておく。
その中の鏡に自分の姿を映してみる。
白い『閻魔様』に、身体を修復してもらった結果。どうすればこうなるのか、多少元の顔の名残はあるものの美少女が出来上がっていた。
これでは、修復というよりは修正ではないか。
大きな目、長い睫毛。瞳は今までと同じ翡翠色だが、髪も翡翠色になっていた。艶やかな腰までの長い髪。パッチリな彫の深い顔立。身体も華奢ながらボン、キュッ…お尻は小さいかな。服は、地味だが仕立ての良いグレーの長いワンピース。
まず顔を洗って、しっかり目を覚まそう!と思ったが、山の中、水道などあるわけがない。
こんな時こそ、『魔法で水がでれば!』…とボウルに水のイメージ。そしたら出ましたよ、ボウルの底から湧き出るように。
魔法はイメージだと理解したところで、バシャバシャ顔を洗い、さて次は。
ランプに『光』!コンロに『火』を!
そして、バンッと窓を開け、『風』!!——すると、風の力で少し身体が浮いた。
すごい、すごい!ヒスイは興奮した。
家では学校でも友達とラノベや乙女ゲームで盛り上がり。ファンダジーの世界を夢見ていた。
憧れの世界が今ここにあるのだ。
さて。
家と服、生活魔法などは問題ないとして。
問題は『食べるもの』。庭に薬草と一緒に何種類か野菜が植えてあった。他は街に買い物に行かないと!
寝室に掛けてあったフード付ケープを羽織り、棚の引き出しのお金らしき巾着を持ち。ヒスイは山を下りてみることにした。
道は思っていたより分かりやすく、良い運動程度で山から出れた。街に向かい歩き始めてすぐ、事件は起きた。
場違いな程に妖艶な、赤い髪、赤いドレスの女性がいたのだ。
「あら、珍しい。こんな所に私以外に魔女がいるなんて。」と笑う。これは関わってはいけないパターンだ!
嫌な感じがする。頭で警報機が鳴りっぱなしだ。
「どうも。」とさり気無く通り過ぎようとしたがダメだった……
「若く美しい魔女は二人もいらないのよ。」と何かの魔法をかけた。
ああ、異世界に来て一日目で終わった??
運が悪い。ついてない。
もう少し勉強してから出るんだった…。
だって、魔法の対処方法がわからないんだもん。
——身体が痺れ、力が入らず地面に膝をつき、うずくまる。
冷や汗が流れる。
また、殺されちゃうんだ………と思ったが、大丈夫だった。
しばらくしたら、痺れも治まり回復した。
赤い魔女の姿も消えていた。
ただ、変わった。
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美少女ライフは悲しくも一日も経たずに終わったのであった。
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