呪い呪われ恋焦がれ

すぅこ

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ノイ

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  はっきり言って、気に入らない婆ちゃんだった。
伝説の『翡翠の魔女』とか言われてて、先輩騎士達は休みになると、婆ちゃんの家に出掛けてしまう。
何が楽しいんだろう?
可愛子ちゃんでも来ているのだろうか?
先輩に付いて行ってみたが、老人ばかりだった。
まぁ、婆ちゃん達が作るメシは美味いが……。

なにしろ、憧れの『闘神』シャドウ様が通い詰め、買い物まで付き合わされているらしい。
魔物討伐の際、みんなの傷を癒してくれた恩人だからって、図々しい。

わかっている。わかっている。
翡翠の魔女は、すごい魔法使いだし、恩人だし、優しいし、みんなに愛されてる事は。

オレが突っかかると、面白そうに頭を抱えられ、ワシャワシャとされ犬の様な扱い。コメカミを両方から拳骨てグリグリされたりもする。
ハッキリ言って、超子供扱い。
だから余計に突っ撥ねてしまう……。はぁ、オレは子供だ。



  しかし、翡翠の魔女が休みの日にシャドウ様が行くと言うので付いてきて。
見てしまった。

お風呂上がりの、まだ水が滴っているタオルを巻いた少女。
今まで見た事がないくらい美しい少女だった。

翡翠色の髪と瞳。透き通る白い肌。愛らしい顔。
幼さが残っているのに、胸も大きい。手足が長く、ほっそりしていて、腰なんか…めちゃくちゃ細いから余計に胸が強調される。
ついついガン見。
タオルがピタッとしていて。
やべぇ…鼻血が出そうだった。
ここで鼻血なんか出したら情けない。
エッチな男だと思われてしまう。

だって、普段、むさ苦しい男だらけの騎士団なんかにいるんだから。夜の店にでも行かなきゃ拝めないだろ。
まだ行けない年齢だし。免疫無いわけ。


なんで、こんな所に……こんなコが!と、パニックしていたが、
まさか婆ちゃんだったとは。
シャドウ様も珍しくパニック起こしてて、口を開けフリーズ。


いや、婆ちゃんは呪いをかけられた姿だから、この少女が本物なわけで。

しっかり呪いを解かないと、少女の姿に戻れないらしい。
今は魔法で戻っているだけで、長時間維持するのは、体力の消費も激しいので無理らしい。

16歳って、オレより一つ下じゃんか。
オレ、背が低くくて、よく女顔で幼く見られるけど17ですから。

年下だし、女の子だし、可愛いし、助けてあげたくなるわけじゃん。

あー、今まで婆ちゃんに冷たい態度とっていたこと後悔。
これからは頼れる男になろう!!と決心。
「よーし!任せとけっ!」って気合い入れたけど、その後も、扱い犬のまま。男だと思われてない?

むしろ、この国に来る前に、オレに似た男のせいで逆恨みされて殺されかけたらしく。シッシッって感じ。
オレに似てるだけだろ!オレじゃねーし!


ライバルはシャドウ様だろうか。

オレ、かなり出遅れだよね。
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