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ミラーナ様は、お暇があれば遊びに来てくれるようになった。
一緒にお散歩してくれたり、社交界での噂話を教えてくれたりした。
いつも美味しいお菓子を持ってきてくれて、お陰様でシュネーゼは少しずつ食事の量も増えてきたし、体力も回復してきた。
そして、この短期間で驚きの成長。
14歳の体だったのに、体力が戻ってきたお陰なのか、魔法が解けたように16歳の年相応な体になったのだ。
や~ん、ミラーナ様のメロンには負けるけど大きめな桃くらいになりました。背も伸び、女性らしいプロポーションに一晩でなったもんだから、家族もミラーナ様もアゴが外れそうなくらいビックリしてました。
にんまり。
リューイ様は忙しいようで、なかなか来てくれないので知りません。
ミラーナ様は面白がって話してないようですし、兄様はもちろん話すわけがありません。
嬉しいです。楽しいです。
近い場所ならミラーナ様と馬車でお出掛けできる許可がお父様からおりました。
ミラーナ様と相談し、お父様にもルーシェにも、リューイ様にも内緒で城に隣接する魔法騎士団の訓練場に見学に行く事にしました。
見たかったのです、お父様や兄様が仕事しているところを。
ミラーナ様とメイドに着飾ってもらい、いざ出陣。
ミラーナ様は昼間なのに妖艶なワインレッドのドレス。美し過ぎます。
シュネーゼは銀髪が映える落ち着いた紫色の可愛いドレスです。頭にお揃いの薔薇をあしらった髪飾りも付けてもらいました。
お化粧も完璧です。メイドの手は神の手ですか?ナチュラルに、可愛らしくしていただきました。平凡で冴えない顔も、少しは人前に出られる顔になったハズです。
騎士団の訓練場は馬車で15分程度。近いんですね。
騎士団は憧れの職業。貴族はもちろん、平民であっても気軽に見学できるようになっている。夢見る子供達はもちろん、カッコイイ騎士目当ての女性も沢山いた。
バルト侯爵家の家紋がついた馬車が来ただけでも目立つのだが、中ならミラーナ様のような美女が出てくれば訓練している騎士の手も止まるわけで、視線が痛い。
シュネーゼはミラーナ様の引き立て役に徹しますよ。
だけど、ごめんなさい。少しの段差、小石でもつまづいて転びそうな弱々な私は、ミラーナ様に手を引かれています。
お手数かけます…。
「ほら、あそこ。リューイと、ルーシェ殿が戦っていますよ。」ミラーナ様が指差して教えてくれた。
魔法を混じえ、火や風、氷、水、雷様々な攻撃や防御をしながら剣を振るう。
ルーシェはほとんどの魔法を操れる。それに比べるとリューイ様は火と風のみしか魔法は使わず得意な剣術で戦っているという感じだ。
魔法を混じえた試合であればルーシェに敵う騎士はいない。
勝負がついて、すぐにルーシェが走ってきた。
「シュネーゼ!!父上から外出の許可が出たとは聞いていたが見に来てくれたんだね。」嬉しそうだ。
「はい。ずっと兄様の騎士の仕事や訓練を見たかったんです。カッコイイです兄様!!」
ルーシェを追いかけてくるように騎士団の人達がワサワサと群がる。リューイ様も来た。
「弟よ。相変わらずルーシェ殿に勝てないな。」とミラーナ様が笑いながら嫌味を言う。
「精進致します」とリューイ様はいつものように無表情に答える。
「リューイ様も素敵でしたよ。」とフォローすると、一瞬私の顔を見て瞬きをし、しばしの沈黙の後に口を開く。
「シュネーゼ様???」
「はい。シュネーゼですけど、んっ???」
リューイ様、私の育った胸と顔を交互にガン見するのはやめましょう!
ミラーナ様は隣で笑っている。
「しばらく会えなかった間に、おっ……ぱ……」と言いかけて、ハッと口を抑える。
こらこら、何て言おうとしたんですか?おっぱい大きくなりましたね…なんて言ったら、ミラーナ様とリューイに袋叩きですよ。
誰ですか、誰ですか?とギャラリーが五月蝿い。
そりゃあ、美しいミラーナ様にお近づきになりたいですよね。
溜め息をつきながら、リューイが紹介してくれた。
「リューイの姉君のミラーナ様と、団長の娘であり私の妹のシュネーゼだ。」
「ミラーナです。」
「シュネーゼです。」と簡単に自己紹介した。
訓練中のため、すぐにリューイによりギャラリーは散らされた。
その後、団長、副団長であるお父様達にも挨拶をし、初めてのお出掛けは無事に終わりました。
一緒にお散歩してくれたり、社交界での噂話を教えてくれたりした。
いつも美味しいお菓子を持ってきてくれて、お陰様でシュネーゼは少しずつ食事の量も増えてきたし、体力も回復してきた。
そして、この短期間で驚きの成長。
14歳の体だったのに、体力が戻ってきたお陰なのか、魔法が解けたように16歳の年相応な体になったのだ。
や~ん、ミラーナ様のメロンには負けるけど大きめな桃くらいになりました。背も伸び、女性らしいプロポーションに一晩でなったもんだから、家族もミラーナ様もアゴが外れそうなくらいビックリしてました。
にんまり。
リューイ様は忙しいようで、なかなか来てくれないので知りません。
ミラーナ様は面白がって話してないようですし、兄様はもちろん話すわけがありません。
嬉しいです。楽しいです。
近い場所ならミラーナ様と馬車でお出掛けできる許可がお父様からおりました。
ミラーナ様と相談し、お父様にもルーシェにも、リューイ様にも内緒で城に隣接する魔法騎士団の訓練場に見学に行く事にしました。
見たかったのです、お父様や兄様が仕事しているところを。
ミラーナ様とメイドに着飾ってもらい、いざ出陣。
ミラーナ様は昼間なのに妖艶なワインレッドのドレス。美し過ぎます。
シュネーゼは銀髪が映える落ち着いた紫色の可愛いドレスです。頭にお揃いの薔薇をあしらった髪飾りも付けてもらいました。
お化粧も完璧です。メイドの手は神の手ですか?ナチュラルに、可愛らしくしていただきました。平凡で冴えない顔も、少しは人前に出られる顔になったハズです。
騎士団の訓練場は馬車で15分程度。近いんですね。
騎士団は憧れの職業。貴族はもちろん、平民であっても気軽に見学できるようになっている。夢見る子供達はもちろん、カッコイイ騎士目当ての女性も沢山いた。
バルト侯爵家の家紋がついた馬車が来ただけでも目立つのだが、中ならミラーナ様のような美女が出てくれば訓練している騎士の手も止まるわけで、視線が痛い。
シュネーゼはミラーナ様の引き立て役に徹しますよ。
だけど、ごめんなさい。少しの段差、小石でもつまづいて転びそうな弱々な私は、ミラーナ様に手を引かれています。
お手数かけます…。
「ほら、あそこ。リューイと、ルーシェ殿が戦っていますよ。」ミラーナ様が指差して教えてくれた。
魔法を混じえ、火や風、氷、水、雷様々な攻撃や防御をしながら剣を振るう。
ルーシェはほとんどの魔法を操れる。それに比べるとリューイ様は火と風のみしか魔法は使わず得意な剣術で戦っているという感じだ。
魔法を混じえた試合であればルーシェに敵う騎士はいない。
勝負がついて、すぐにルーシェが走ってきた。
「シュネーゼ!!父上から外出の許可が出たとは聞いていたが見に来てくれたんだね。」嬉しそうだ。
「はい。ずっと兄様の騎士の仕事や訓練を見たかったんです。カッコイイです兄様!!」
ルーシェを追いかけてくるように騎士団の人達がワサワサと群がる。リューイ様も来た。
「弟よ。相変わらずルーシェ殿に勝てないな。」とミラーナ様が笑いながら嫌味を言う。
「精進致します」とリューイ様はいつものように無表情に答える。
「リューイ様も素敵でしたよ。」とフォローすると、一瞬私の顔を見て瞬きをし、しばしの沈黙の後に口を開く。
「シュネーゼ様???」
「はい。シュネーゼですけど、んっ???」
リューイ様、私の育った胸と顔を交互にガン見するのはやめましょう!
ミラーナ様は隣で笑っている。
「しばらく会えなかった間に、おっ……ぱ……」と言いかけて、ハッと口を抑える。
こらこら、何て言おうとしたんですか?おっぱい大きくなりましたね…なんて言ったら、ミラーナ様とリューイに袋叩きですよ。
誰ですか、誰ですか?とギャラリーが五月蝿い。
そりゃあ、美しいミラーナ様にお近づきになりたいですよね。
溜め息をつきながら、リューイが紹介してくれた。
「リューイの姉君のミラーナ様と、団長の娘であり私の妹のシュネーゼだ。」
「ミラーナです。」
「シュネーゼです。」と簡単に自己紹介した。
訓練中のため、すぐにリューイによりギャラリーは散らされた。
その後、団長、副団長であるお父様達にも挨拶をし、初めてのお出掛けは無事に終わりました。
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