九尾狐は聖獣ですか?

すぅこ

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ご飯ですよ

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  九尾狐の咲飛は、黒マントこと悪役顔王子シェルシオとキラキラ偽王子のカイトと一緒に街に来た。
無知なだけで、街は意外と近かった。

「お腹すいたぁ」キラキラ偽王子カイトが言ったので。
「すいた、すいた!!何たべるの?」サトも主張。

二人がよく食べに行くという食堂に入った。テーブルに座り、9本のフサフサの尾を振る。
「おい、止めろ。毛が舞う!」と叱られ、更に目の前にミルクの入った皿が置かれたので、尾と耳がシュンと垂れる。

「ご飯がいいよー!二人と同じやつぅ。」と、ぷーっと膨れる。

彼らの前には、美味しそいな肉やスープが並べられてるんですもん。

サトは、閃いたように、チリリン『ポンっ』と元の姿に戻った。

そこには白銀の艶やかな髪を肩より少し上でパッツンと切り揃えた髪型、透けるような白い肌、パッチリと大きな目に黄金色の瞳の見目麗しい少女が、変なお面を頭に乗せ、奇抜な花と蝶の柄の不思議な服を着て座っていた。
自慢じゃないが、もともとサトは手足が細く長くスタイルも良い。胸だって、豊満なほうだ。
日本にいた時だって、かなりモテていた。本人にその気がないだけで。

「これだったら。普通のモノ食べさせてくれるでしょ?」とサトが言う。

二人は固まった。
店内も静まりかえった。変な獣が、言葉を話し、さらには眩い美少女に変身したのだ。

『マズかった?』

「人間になれるのか。」とカイト。
「うん。私としては、こっちがホントの姿と言いたいけど、どっちも私。」
「やはり、聖獣か?」とシェルシオ。
「さあ?」わかりません。

美味しい食事とデザートまでありつけ満足満足。

そういえば。
「私、売られちゃうの?食べられちゃうの?」と人間の姿で涙目で言うと。
「なんか、その姿で言われると変な意味に感じるな…。」とカイトが『うっ』と、はにかむ。

「気に入ったから、今からお前は私のペットだ。」とシェルシオ。
「王子、その言い方も誤解されます。」とまたカイトは困ったように、はにかんだ。

怪しい会話の3人は、店内で浮いていたと思う。


王子シェルシオと従者カイトは、冒険者として国を回っているらしい。
シェルシオは魔術師、カイトは剣士だそうです。
決して、怪しい人と危ない人ではありませんでした。

魔物を倒しながら、魔物だけでなく、悪いお代官様みたいな人がいれば懲らしめたり、城に報告するらしい。

水戸黄門みたいな感じですかね。


偉そうな事を言っていますが、カイトいわく、シェルシオは王子の仕事が嫌いだそうで、城に帰ってもすぐに脱走するそうです。

九尾狐に戻って、「駄目駄目じゃないですかぁ。」とシェルシオに言ったら、
「売り飛ばすぞ」と不敵な笑みを浮かべてまた尻尾持って宙吊りにされました。
やはり悪役顔王子です。


もう1人、冒険仲間がいるそうです。
彼と合流するために、この街に来たようです。

悪役顔王子と、キラキラ偽王子と、もう1人はどんな人でしょうか?

楽しみです。




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