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お披露目ですよ
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シオとサトは、人々に注目されながら街を歩き、カイトとリックと待ち合わせ場所の『ギルド』に入る。
せっかく目立たない服を買ってもらったのに、まだあんなに目立つなんて……
「シオさんは綺麗ですもんね。目立ちますね。」とサトは言った。
「はぁ??」シオは素っ頓狂な声をあげる。
違うだろ。
確かに私は冒険者でもかなり名が知れている。目付きが悪く、冷酷だの悪魔だの言われ有名だ。女にモテなくはない。
でも、あの視線は、お前に見惚れている視線だ!!
こいつは、天然だ。自覚ゼロだ。
危なすぎる。……シオは思った。
ギルドに入るとすぐに、サトは捕まった。
ガラの悪いチンピラ冒険者に。
「お嬢ちゃん。一緒にどうだい?綺麗なお顔してるねー。」と絡む。
「見ての通り。私、ご主人様がいるんです。他を当たってください。」とサトは、シオと繋いでいる手を見せ、キッパリ断る。
そんなんで帰るチンピラではない、
「お兄ちゃん、借りてもイイだろ。すぐ返すからさぁー。」
ギルド内は静まりかえっている。
なにせ、悪魔の王子こと、この国の王子でSランク冒険者に、知名度の無いザコ冒険者が絡んでいるのだから。
皆、ザコ冒険者を哀れみの目で見ている。
確かにシオはサトと同じくらい、20歳前後。知らなければ、まさかSランクとは思わないだろう。ギルドで冒険者の教官をしている30代後半位がSランクなのだから。
「おいおい、どうしたシオ。」とリック達が顔を出す。
あまりに、いつもに増して機嫌の悪い悪魔の形相のシオにリックも怯む。
「あーあー、王子の大事なサトちゃんに、チョッカイ出しちゃったのねー。」とカイト。
「マジか。あれ、サトか!」リックは目を輝かせる。
ちょいちょいちょいと、リックとカイトがザコ冒険者を外に連れ出してお説教。
「ギルドが吹っ飛ぶぞー」とか
「国外追放か、処刑だぞー」とか
「◯◯ちょん切られるぞー」とか
スゴイ言葉を浴びせて、多少ボコって帰らせた。
まぁまぁ…と、シオをなだめ空いている席に座った。
空いていたわけじゃない、今までいた沢山の冒険者が一瞬にして散ったのだ。
シオの悪魔の形相に。
図太い神経のリックが今度はサトに絡む。
「モフモフも可愛いけど、こっちでも良いから抱かせテェー」と。
この人、見境ない?誰でもいい?
「狐の姿以上に無理です。女の子ですので。」とシオにくっ付く。
サトに抱き付こうとするリックを、すかさずカイトが引き剥がし、爽やかな顔で間に座る。
さすが、従者です。無駄に王子様顔なだけで。
「カイトさん、見てください。シオさんに買ってもらったんですよぉ。可愛いでしょ!前の服は派手で目立ち過ぎるので!」とサトは見せびらかす。
………。んっ?
「前より目立ってないか?」カイト。
シオ沈黙。
意味わかりません。
何故、普通の服着て目立つのでしょうか??
そういえば、ここに来てあまり女性を見かけません。
もしかして、もしかして、この世界は美的感覚が違うとか??
「なんで???
私、変ですか?もしかして醜いですか??」
『『『はぁ?』』』と3人。
天然、無自覚には、ハッキリ言われないと伝わらないのです。
せっかく目立たない服を買ってもらったのに、まだあんなに目立つなんて……
「シオさんは綺麗ですもんね。目立ちますね。」とサトは言った。
「はぁ??」シオは素っ頓狂な声をあげる。
違うだろ。
確かに私は冒険者でもかなり名が知れている。目付きが悪く、冷酷だの悪魔だの言われ有名だ。女にモテなくはない。
でも、あの視線は、お前に見惚れている視線だ!!
こいつは、天然だ。自覚ゼロだ。
危なすぎる。……シオは思った。
ギルドに入るとすぐに、サトは捕まった。
ガラの悪いチンピラ冒険者に。
「お嬢ちゃん。一緒にどうだい?綺麗なお顔してるねー。」と絡む。
「見ての通り。私、ご主人様がいるんです。他を当たってください。」とサトは、シオと繋いでいる手を見せ、キッパリ断る。
そんなんで帰るチンピラではない、
「お兄ちゃん、借りてもイイだろ。すぐ返すからさぁー。」
ギルド内は静まりかえっている。
なにせ、悪魔の王子こと、この国の王子でSランク冒険者に、知名度の無いザコ冒険者が絡んでいるのだから。
皆、ザコ冒険者を哀れみの目で見ている。
確かにシオはサトと同じくらい、20歳前後。知らなければ、まさかSランクとは思わないだろう。ギルドで冒険者の教官をしている30代後半位がSランクなのだから。
「おいおい、どうしたシオ。」とリック達が顔を出す。
あまりに、いつもに増して機嫌の悪い悪魔の形相のシオにリックも怯む。
「あーあー、王子の大事なサトちゃんに、チョッカイ出しちゃったのねー。」とカイト。
「マジか。あれ、サトか!」リックは目を輝かせる。
ちょいちょいちょいと、リックとカイトがザコ冒険者を外に連れ出してお説教。
「ギルドが吹っ飛ぶぞー」とか
「国外追放か、処刑だぞー」とか
「◯◯ちょん切られるぞー」とか
スゴイ言葉を浴びせて、多少ボコって帰らせた。
まぁまぁ…と、シオをなだめ空いている席に座った。
空いていたわけじゃない、今までいた沢山の冒険者が一瞬にして散ったのだ。
シオの悪魔の形相に。
図太い神経のリックが今度はサトに絡む。
「モフモフも可愛いけど、こっちでも良いから抱かせテェー」と。
この人、見境ない?誰でもいい?
「狐の姿以上に無理です。女の子ですので。」とシオにくっ付く。
サトに抱き付こうとするリックを、すかさずカイトが引き剥がし、爽やかな顔で間に座る。
さすが、従者です。無駄に王子様顔なだけで。
「カイトさん、見てください。シオさんに買ってもらったんですよぉ。可愛いでしょ!前の服は派手で目立ち過ぎるので!」とサトは見せびらかす。
………。んっ?
「前より目立ってないか?」カイト。
シオ沈黙。
意味わかりません。
何故、普通の服着て目立つのでしょうか??
そういえば、ここに来てあまり女性を見かけません。
もしかして、もしかして、この世界は美的感覚が違うとか??
「なんで???
私、変ですか?もしかして醜いですか??」
『『『はぁ?』』』と3人。
天然、無自覚には、ハッキリ言われないと伝わらないのです。
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