九尾狐は聖獣ですか?

すぅこ

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抱き枕ですよ

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  人身売買誘拐未遂、強姦未遂事件の後。

シオにホコリを払ってもらったり、身なりを整えてもらうと、氷漬けの犯人を役人に引き渡して宿に入った。

サトとしては、しばらくシオから離れなくないわけで…。手を繋ぐだけでは安心出来ずに、シオの左腕に抱きつく形で落ち着いた。

もう、『恋人同士にしか見えない』とカイト達に言われても、これじゃなきゃ安心しないものは仕方ない。
事件を聞いたのか、カイトとリックは心配そうな顔を向けてきた。
怖かったけど、気持ち悪かったけど。シオがいれば大丈夫なのです。
普通です……たぶん。


もう当たり前の、2人部屋。
部屋に入っても、シオは何も言わず寄り添ってくれた。

大丈夫だと思っていたけど、まだ不安で不安で、1人になるのが怖くて、恥を忍んでお風呂にも入ってもらった。狐の時も一緒に入ったわけだし、混浴だと思えば、ヘッチャラ。

入ったと言っても、ヤラシイことはしてません。
ただ、近くにいて、できれば触れていれば良かったのです。
まあ、体にタオルを巻いて、頭を洗い合ったりとか、湯船で向き合って手を繋いだり……とかです。

えっ!恋人!?違います。ペットです。

他、見られちゃマズイ場所はお互いに背を向けて洗いました。


シオの色っぽいクールビューティな顔と、逞しく美しい体に、ちょっとばかりクラクラきましたがね。



室内着に着替えて、
夕食は部屋に運んでもらいました。ビップ待遇です。

暖かい食べ物を食べて、ほっとしました。

明日は、朝から忙しいのです。

誕生日会は夕方からにしました。

明日の昼間は、カイトとリック2人で仕事にでかけるそうです。
誕生日会の主役が準備なんて、変かもしれませんが、シオに少し手伝ってもらって頑張りたい。
シオも無表情の中に、『期待』が見え隠れしてます。
楽しみにしてもらっているなら、精一杯やるまでです。


夜。

シオを抱き枕のように寝かしていただきました。

本当に、無事で良かったなと。

シオが居てくれて良かったなと。

シオの温もりを感じると、とても安心するのです。

ギュウウウーっと抱きしめ、顔に頬擦りすると、シオも目を細めて、優しく額にキスしてくれました。

ペットとして、かなり親密になった証拠ですね。


兄様みたいだと、シオに兄の面影を重ねていたけれど、シオはもう兄を越えた存在な気がします。
もう、ひとりぼっちでは生きられないと思う。

兄を越えた存在……それが何なのかは、急いで答えを出す必要はないと思うし、
ゆっくり考えます。
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